長嶋茂雄氏、松井秀喜氏への国民栄誉賞の同時受賞が内定したそうです。
長嶋氏への本賞授与に関しては、世間では以前から多くの人が「いつ実行されるのか」と新たな受賞者が出るたびにイライラを募らせていた問題でもあり、また2月に故大鵬関に本賞が授与された際には拙ブログでも栄誉賞を故人に授与することの無意味さと長嶋氏への早期授与を訴えかけていたところでもあり、ひとまずよかったと思える授与であるかと思います。
「国民栄誉賞、長嶋茂雄氏への授与はいつ?」(2月15日「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」)
しかし昨日来、このニュースが伝えられるや物議を醸しているのは、松井氏への同賞授与の件です。世論の盛り上がりを受けてどうやって早期に長嶋氏に本賞を授与するべきか、政府自民党が人気取り策の実行に向けひねり出した苦肉の策が、今回の松井氏の引退を機にした「師弟同時受賞」だったわけですが、果たして松井氏にそれだけの資質があるのか否か。いささか苦しいところであり、世論の“炎上”も分からなくはありません。
松井氏には罪はないのですが、どう考えてもこれまでのスポーツ選手の同賞受賞者からみて見劣り感は否めないところです。同じ日本人大リーガーで比較をしても、日本人の大リーグでの活躍の道を切り拓いた元近鉄バッファローズ→LAドジャースの野茂英雄氏を差し置いての選出は「?」マークが5つは軽く付くところでしょう(最右翼はもちろん大リーグで多くの記録を作っているイチロー選手ですが、本人が現役での受賞を固辞しているため、本論からは除外されます)。
松井氏の大リーグ時代の輝かしい足跡と言えば、ヤンキース時代のワールドシリーズMVPぐらい。これとてシーズンMVPならともかく単なるシリーズ表彰であり、大リーグ時代のシーズンタイトルはゼロなのです。日本国内では本塁打、打点各3回、打率1回のタイトルをとっており十分一流選手ではあるものの、国民栄誉賞レベルからみてどうかというなら、本塁打、打点、打率各5回、うち3回は三冠王という落合博満氏の成績に遠く及びません。もちろん、落合氏に本賞を授与せよと言うつもりは毛頭ありませんが、長嶋氏のように成績以外にこれといった何かがあるわけでもなく、成績も普通の「一流」という人を授与対象とするのは、本人がかわいそうなだけではないかと思うのです。
松井氏の立場に立てば、「師弟同時受賞」などと書きたてられては、断るに断れない状況に追い込まれているのは明らかで、本当に気の毒です。政府は世論の流れを勘案して、賞の権威を保つ意味からも(権威を持たせようという意識が政府側にあるならばの話ですが)、松井氏への授与は見送るべきではないかと思うのです。本人および長嶋氏の了解も取った上で、形上は「本人からの強い辞退の申し入れがあり、長嶋氏のみのへの授与となった」ということで丸く収まるのではないでしょうか。
今回の授与はとにかく「長嶋氏に早く同賞を授与したい」という焦りから生じた完全な勇み足でしょう。また2月15日のエントリにも書きましたが、確固たる授与基準なしに時の内閣の人気取り策として運用されていた国民栄誉賞のバカバカしさを一層明確にしてしまった今回の事態をもって、いよいよこの賞の廃止を含めた抜本的な見直しを本格的検討すべき段階に入ったのではないかとも思えるところです。この賞を継続するのなら明確な基準を設けるか、毎年1回定例授与として世論調査を参考にして受賞対象を絞り込むとか、なんらかの仕切り直しを早急に検討すべきであると、再度申し上げておきます。
長嶋氏への本賞授与に関しては、世間では以前から多くの人が「いつ実行されるのか」と新たな受賞者が出るたびにイライラを募らせていた問題でもあり、また2月に故大鵬関に本賞が授与された際には拙ブログでも栄誉賞を故人に授与することの無意味さと長嶋氏への早期授与を訴えかけていたところでもあり、ひとまずよかったと思える授与であるかと思います。
「国民栄誉賞、長嶋茂雄氏への授与はいつ?」(2月15日「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」)
しかし昨日来、このニュースが伝えられるや物議を醸しているのは、松井氏への同賞授与の件です。世論の盛り上がりを受けてどうやって早期に長嶋氏に本賞を授与するべきか、政府自民党が人気取り策の実行に向けひねり出した苦肉の策が、今回の松井氏の引退を機にした「師弟同時受賞」だったわけですが、果たして松井氏にそれだけの資質があるのか否か。いささか苦しいところであり、世論の“炎上”も分からなくはありません。
松井氏には罪はないのですが、どう考えてもこれまでのスポーツ選手の同賞受賞者からみて見劣り感は否めないところです。同じ日本人大リーガーで比較をしても、日本人の大リーグでの活躍の道を切り拓いた元近鉄バッファローズ→LAドジャースの野茂英雄氏を差し置いての選出は「?」マークが5つは軽く付くところでしょう(最右翼はもちろん大リーグで多くの記録を作っているイチロー選手ですが、本人が現役での受賞を固辞しているため、本論からは除外されます)。
松井氏の大リーグ時代の輝かしい足跡と言えば、ヤンキース時代のワールドシリーズMVPぐらい。これとてシーズンMVPならともかく単なるシリーズ表彰であり、大リーグ時代のシーズンタイトルはゼロなのです。日本国内では本塁打、打点各3回、打率1回のタイトルをとっており十分一流選手ではあるものの、国民栄誉賞レベルからみてどうかというなら、本塁打、打点、打率各5回、うち3回は三冠王という落合博満氏の成績に遠く及びません。もちろん、落合氏に本賞を授与せよと言うつもりは毛頭ありませんが、長嶋氏のように成績以外にこれといった何かがあるわけでもなく、成績も普通の「一流」という人を授与対象とするのは、本人がかわいそうなだけではないかと思うのです。
松井氏の立場に立てば、「師弟同時受賞」などと書きたてられては、断るに断れない状況に追い込まれているのは明らかで、本当に気の毒です。政府は世論の流れを勘案して、賞の権威を保つ意味からも(権威を持たせようという意識が政府側にあるならばの話ですが)、松井氏への授与は見送るべきではないかと思うのです。本人および長嶋氏の了解も取った上で、形上は「本人からの強い辞退の申し入れがあり、長嶋氏のみのへの授与となった」ということで丸く収まるのではないでしょうか。
今回の授与はとにかく「長嶋氏に早く同賞を授与したい」という焦りから生じた完全な勇み足でしょう。また2月15日のエントリにも書きましたが、確固たる授与基準なしに時の内閣の人気取り策として運用されていた国民栄誉賞のバカバカしさを一層明確にしてしまった今回の事態をもって、いよいよこの賞の廃止を含めた抜本的な見直しを本格的検討すべき段階に入ったのではないかとも思えるところです。この賞を継続するのなら明確な基準を設けるか、毎年1回定例授与として世論調査を参考にして受賞対象を絞り込むとか、なんらかの仕切り直しを早急に検討すべきであると、再度申し上げておきます。