中学受験には親のサポートが不可欠。でも、共働きのデュアラーは仕事との両立が大変! 自分なりには一生懸命やっているつもりだけど、本当にこれでいいの? そんな親たちが知りたいのは、受験生の親を経験した先輩デュアラーのリアルな体験談。

そこでDUALでは、受験を終えた先輩親に、共働き家庭での中学受験について根掘り葉掘り聞いてみました。リアル中学受験体験談をお伝えします(取材対象者はすべて仮名。学年や年齢は取材当時)。

《プロフィール&共通データ》

母:中野春菜さん(仮名、44歳・事務職)

長女:中野舞さん(仮名、2024年4月から高槻中学に進学)

【家族】 父(44歳・商社)、次女(年長)

【通塾】 日能研 小3夏期講習のみ/四谷大塚 小3の10月~小4の3月/浜学園 小5のゴールデンウイーク明け~

【受験校】 2月16日=岡山中(大阪会場)◎ 1月13日=高槻中(A日程)◎ 1月14日午前=金蘭千里中(後期C)◎ 14日午後=高槻中(B日程)◎

【受験総費用】 約300万円

【習い事】 ピアノ(小1~4)、ダンス(小2~4)、英会話(4歳~小3)

【受験以前の家庭学習】 公文(5歳~小3)

四谷大塚から浜学園へ 関東塾と関西塾の2つを経験

編集部(以下、略) なぜ中学受験をしたいと思ったのですか?

中野春菜さん(以下、中野) 1つは私が中学受験経験者だったからです。中高大が一貫の学校だったので、のびのびと過ごすことができました。一方で、高校受験については内申点など分からないことだらけ。少しでも私のたどってきたルートに近いほうが安心できるとの考えがありました。

 また、当時住んでいた東京の自宅が、サピックス本部など大手進学塾が密集しているエリアだったのも理由でした。クラスのほとんどの子が中学受験をする感じだったので、中学受験をすることはごく自然な選択だったように思います。

―― 塾はどのように選びましたか?

中野 3年生の夏に、大手進学塾の雰囲気を知っておこうと日能研の夏期講習に通わせてみました。日能研の授業は楽しかったようですが、もう少し上の学校を目指すのなら間口が広い四谷大塚のほうがいいかもしれないと検討していたんです。たまたま舞の仲のよい友達が四谷大塚に通おうとしていたのも重なって、四谷大塚に通わせることになりました。

 近所の子どもは多くがサピックスに通っていましたが、1学年35クラスもあるマンモス校。先生に名前を覚えてもらえないだろうし、学校で塾の話題に巻き込まれることなくのびのびと勉強してほしかったので、サピックスは選択肢から外していました。四谷大塚は1学年4クラスだったので、規模的によかったと思います。

―― クラスはどのレベルだったのですか?

中野 3年生の10月に入塾してから、上のクラスをキープしていました。ただ、4年生に上がるタイミングでテキストが改訂され、内容が難しくなっていたので、この先も今の調子のままでいけるか不安がありました。

 そこで、塾に通い始めて9カ月がたったときに、一度、中学受験のプロ家庭教師に、今のままの勉強のやり方でいいかを見てもらったんです。すると、その先生は「現時点では心配ないけれど、この先、5年生になって学習量が増えてくると、早く宿題を終わらせなければと焦って解く姿が見られるようになるかもしれない。そこで慌てて解くクセがついてしまうと、テストでもミスをしやすくなってしまうので気をつけるようにしましょう。問題文は丁寧に読む、解くときは頭の中だけで考えないで書き出す。これを面倒くさがらずにやり続けることが大切です」とアドバイスをくれました。この段階で、正しい勉強のやり方を教えてもらったのは、よかったですね。

―― 志望校はいつごろから検討し始めましたか?

中野 娘は活発で、男の子の友達もたくさんいました。受験校は「絶対に共学がいい」と言っていたので、4年生の段階では市川中あたりを考えていました。ところが、思わぬ展開になってしまって……。