中学受験には親のサポートが不可欠。でも、共働きのデュアラーは仕事との両立が大変! 自分なりには一生懸命やっているつもりだけど、本当にこれでいいの? そんな親たちが知りたいのは、受験生の親を経験した先輩デュアラーのリアルな体験談。

そこでDUALでは、受験を終えた先輩親に、共働き家庭での中学受験について根掘り葉掘り聞いてみました。リアル中学受験体験談をお伝えします(取材対象者はすべて仮名。学年や年齢は取材当時)。

《プロフィール&共通データ》

母:大橋麻衣さん(47歳・コンサルタント、仮名)

長男:大橋蒼太くん(2024年4月から浅野中へ進学、仮名)

【塾】 近くの中規模塾(小3の2月~)※理社は小4の9月~

【受験校】 2024年1月16日=栄東中◎ 2月1日=芝中◎ 2月2日=栄光学園× 2月3日=浅野中◎

【受験総費用】 約260万円

【習い事】 パズル道場(小1~小4夏)、体操(4歳~小4)、フットサル(小3~小4)

【受験以前の家庭学習】 こどもちゃれんじ(0歳~6歳)、進研ゼミ(小1~小3)

いくつかの選択肢を用意して、最後は本人に選ばせる

編集部(以下──) 中学受験をした経緯を教えてください。

大橋麻衣さん(以下、大橋さん) まず、私自身が中学受験を経験していたことが、多少影響があったと思います。ただ、地元の中学に行かせたくないというわけではなく、卒業後の選択肢の一つとして中高一貫校があるということは伝えておきたいと思っていました。

 とはいえ、私は関西出身なので、首都圏の学校や受験事情はまったく分かりません。そこで、まずは情報収集からと、息子が小学2年生のときに家から比較的行きやすい場所に合った浅野中と公立中高一貫校の文化祭に行ってみることにしたのです。でも、そのときは年上のお兄さんとゲームができて楽しかった、というくらいの反応でしたね。

―― 受験を本格的に考えるようになったのはいつ頃ですか?

大橋さん 小学3年生になってからです。もともと息子は算数が好きでした。

 理由の一つは、1年生から通っていた「パズル道場」。数・量・図形問題やタングラムなどの教材を使って、ゲーム感覚で数学センスなどを磨く教室です。40級からスタートし、自分のペースで課題を一つ一つクリアしながら昇級していくカリキュラムがモチベーションになったようで、毎週欠かさず通い、割とハイペースで昇級していました。

 おかげで算数には自信があり、むしろ学校の勉強に物足りなさを感じていたようでした。そこで「中学受験をすれば、もっと難しい問題にチャレンジできるよ」と伝えてみたところ、本人が「やってみたい」と答えたので、挑戦してみることにしました。

―― 塾選びはどうしましたか?

大橋さん 中学受験塾というと、首都圏では四大塾(サピックス、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー)に通うのが主流ですが、私自身は地元の中規模塾に通い、そこがアットホームで楽しかったという思い出があり、規模の大きさよりも居心地の良さを重視したいと思っていました。

 大手を含むいくつかの塾を見学してみて、最終的に息子本人の希望で実績のある自宅近くの中規模塾に通うことに。塾選びも志望校選びも、親である私がある程度調べた中で選択肢を用意して、最終的にどこを選ぶかは子ども本人の意思を尊重しました。やらされ感を持たず、自ら勉強に取り組むことが大事だと思ったからです。

 大手塾と比べたら情報量は少ないかもしれませんが、一方で先生の目が生徒一人ひとりに行き届いているように感じました。実際、この塾を選んで正解だったと思います。