何かすることを勧めたり、アドバイスしたりする度に「めんどう」「できない」の言葉を連発するわが子。そんな子どもの「後ろ向き発言」を聞くと、親はげんなりしてしまいます。どうすれば、子どもが前向きな気持ちになるのでしょうか。また、ネガティブな発言を連発する際に、多くの子どもが抱えている「本当の思い」とは? 大阪市立大空小学校の初代校長を務め、多くの子どもたちと関わってきた木村泰子さんに話を聞いていきます。
【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 「担任の先生がはずれ」との思いが溝を深める 親がすべきことは?
(2) 低学年の娘に「好きな子できた?」と聞くパパ問題 対処法は
(3) 「めんどう」「できない」が口癖の子 主体性の芽をつむ親の言葉は ←今回はココ
(4) 時代が違うとわかってはいるけれどイライラ 「令和の子育て」との向き合い方
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「めんどう」と話す子どもに隠された本音
習い事や学校での活動を「やってみたら?」と子どもに勧めても「めんどう」「できない」と言うばかり。ネガティブな発言を連発するわが子を前にすると、親は困ってしまいます。
「なぜ、そんなにやる気がないのだろう」「もっと主体性を持ってほしい」と思う親も少なくないでしょう。しかし、大阪市立大空小学校で初代校長を務めた木村泰子さんは、「決して子どもにやる気や主体性がないわけではありません」と話します。
やる気はあっても「めんどう」「できない」という言葉で片づけてしまうのは「『どうせ気持ちを伝えても聞いてくれないし、分かってくれないから説明するのがめんどう』という気持ちが子どもの中にあるから。どうせ分かってもらえないだろうと思ったら、大人だって説明するのはいやになりますよね」
そんな子どもの思いを知るよしもない親は、つい「めんどうなんて言っちゃダメでしょ」「できないなんて簡単に言わずに、もっとやる気を出しなさい」と言ってしまいがちです。しかし、そうした言葉は禁句だと木村さんは言います。なぜなら、ますます「めんどう」と感じた子どもが、どんどん自分の世界に閉じこもってしまうから。
「『めんどう』『できない』は、本当は自分の気持ちを分かってほしいという子どもからのメッセージ。必ずしも大人が考える否定的な意味ではありません。実は、まだ『めんどう』『できない』と言ってくれるうちが華。なぜなら親に意思を示している言葉だから。周囲の大人の無理解が続くと、中学年になると『うざい』という言葉で親を突き放すようになり、さらに高学年では『ほっとけ』などの親を拒絶する言葉に変わっていきます」
親の方が子どもへの関わり方を変えることで、子どもは「めんどう」「できない」と言わなくなると木村さんは言います。そして、子ども自身が本来持っている主体性を発揮するようになるそう。子どもの言葉が変わり、主体性を発揮できるようになるには、親はどうすればよいのでしょうか。詳しく聞いていきます。
・子どもの話を聞く際、『○○る』『○○する』が不要な理由
・子どもの会話を引き出すおすすめフレーズ
・日本の学校教育に欠如しがちな「主体性」を養うためにできること