合言葉は「はっぴぃとぅぎゃざー!」——“アニソン”シンガーを志す期待の新人、菜苗を無料配信でご紹介!!
ある日、菜苗と言う女性シンガーがOTOTOYを訪れた。木村カエラや安室奈美恵、はたまたきゃりーぱみゅぱみゅを目指しているのかなぁなんて思いながら、「どんな女性シンガーになりたいの?」って聞いてみたら、わたし“アニソン”シンガーになりたいんです、とのこと。ほぼ毎日、新人アーティストと会うけれど、“アニソン”シンガーになりたいって人は、ほとんどいなかった。だから、これからもっと大きくなるだろうアニソン・シーンをでっかくする可能性を秘めた女の子が現れたことはとても嬉しかったし、彼女の軌跡を追ってみたいと思った。
2015年4月にデビューしたばかりの菜苗。まだまだライヴは少ないし、インタビューも今回が初めて。でも、間違いなく歌は上手いし、アニソンへの愛に溢れていた。あと話が長かった(笑)! 彼女は確実に面白い! ちょっと一緒に彼女を追ってみませんか? 【text by 飯田仁一郎(OTOTOY編集長)】
OTOTOYだけの特別シングル「Re:LOOP」の無料配信はこちらから!!
菜苗 / Re:LOOP(24bit/48kHz)
【配信形態】
ALAC / FLAC / WAV(24bit/48kHz) / AAC
【価格】
無料
【収録曲】
1. Re:LOOP
INTERVIEW : 菜苗
新人シンガー菜苗は、魂のこもった力強いロックな歌声を聴かせる。音楽歴はほぼ皆無ながら、突発的に受けたオーディションがきっかけで上京。2015年に念願のライヴ・デビュー、そして音源発売と本格的に音楽活動をスタートさせた。学生時代に家ではアニメばかり観ていたという彼女は、ライヴでも藍井エイルやLiSA、水樹奈々などのアニソンを披露。オリジナル曲も、これらに通じるパワフルさとアニソン特有の情熱が込められている。そんな曲とは裏腹に、インタヴューで話す彼女はロックとは無縁の優等生のようでもあり、ちょっぴり天然な一面もあるなど、新たな魅力をみせてくれた。それでいて初々しい笑顔の奥には、音楽で表現することへの確かな思いも感じた。これから菜苗は歌手として、どんなストーリー描いていくのか。ぜひ、その目撃者となってほしい。
インタヴュー & 文 : 前田将博
写真 : 大橋祐希
まわりも誰も私がそんなことを言いだすと思っていなかった
——菜苗さんは福岡出身とのことですが、東京に出てきたのはいつなんですか?
福岡で保育の短大を卒業してから東京にきました。
——地元にいるときから音楽活動をしていた?
短大で童謡・歌唱コンテストに出たりしたくらいで、全然してなかったですね。歌は好きで、ひとりでカラオケによく行っていましたし、憧れとしてはあったんですけど、そんなに甘いものではないと思っていました。でも、ちょうど保育の実習をしていた頃に、ストレスやもやもやがあって勢いではじめてオーディションを受けたんです(笑)。それは受からなかったんですけど、最終審査までいけて、「入らない?」って声をかけていただいて。そこで、はじめて両親に言いました。
——就職活動もしていたんですか?
最初は保健室の先生になりたくて、就職の話もいただいていたんです。でも、そういう人と関わるお仕事をするとなると、歌への思いが残っているとまわりの人に敏感に伝わっちゃうかなと思って。就職したら動きづらくなるだろうし、ラスト・チャンスだと思って全力で取り組んでみようと思いました。もともと人がすごく好きで、ずっと人と繋がれるお仕事がしたいって思っていたので、そこに自分の好きな歌が合わさればすごく楽しい人生になるんじゃないかって。
——ご両親に話したときは、どんな反応だったんでしょう。
父は「男の子だったらがんばってこいって言えるけど、女の子だからね…」みたいに微妙な反応でした。家が福岡のなにもないところで、2キロ先の家まで見えるくらいのど田舎で、最寄り駅も電車が30分に1本しかこないようなところなので、大都会に出ていくっていうだけですごく心配だったみたいですね。母も「売れても売れなくても反対だからね」って言ってて。父も母ももちろんサポートしてくれるんですけど、手放しで応援て感じではなかったですね。でもそれを聞いた上で、親の言うことを破ってでもやりたいと思ったはじめてのことなので、夢を叶えてめっちゃ幸せだよっていうのを見せないといけないなって思います。
——兄弟はいるんですか?
兄がいて、いま大学院に通っています。身近で芸能に関わっている人もいなくて、就職する人が多かったし、私も学生時代はバイトをしたことがないくらいでした。東京に行くことすら考えてもいなかったですね。私、すごく家が好きで出不精なんです(笑)。友だちが誘ってくれても、あまり遊びに行かないような感じでしたね。なので、実家を出るのも結婚するときくらいかなって考えていました。だから、まわりも誰も私がそんなことを言いだすと思っていなかったと思います。
——家ではどんなことをしていましたか。
アニメを観ることが多いですね。あとは、漫画読んだりゴロゴロしたり。学生時代はわりと真面目なタイプだったので、ノートをまとめたりもしていました(笑)。頭に入るかは別にして、綺麗に書けるとうれしかったんです。
——すごい(笑)。部活なども音楽系ではなかったんですか?
小学校のときに陸上をはじめて、中学校はバスケ部に入って、音楽系は掛け持ちで合唱部にちょっと入っていたくらい。高校でも陸上部に入ったので、ずっと黒い短髪で体育会系みたいな感じでした。
——ここまで訊いた話だと、かなり優等生なイメージです。
勉強をやらなきゃとは思っていたので、成績良さげに思われてはいたんですけど、要領がいいタイプではなかったので空回ってた気がします(笑)。
生きるのってこんなに大変なんだなって思いました
——アニメが好きとのことですが、聴いていたのもアニソンが多かった?
アニメから入って、曲も好きになることがほとんどでしたね。カラオケでもアニソンばかり歌っていました。一番尊敬しているのはLiSAさんですね。あとはライヴでも歌わせていただいている藍井エイルさんとか、声優さんの歌やキャラクター・ソングも好きです。「うたのプリンスさまっ」の曲も、歌うとテンションがあがりますね。
——アニメはどのくらい観ているんですか?
新番組は必ず1回は全部チェックして、そこでよりわけていって観るものを決めています。ゆるい日常系のものや少年系もなんでも観るし、「ラブライブ!」みたいなかわいいものも好きなんですけど、あまり極端な男性向けとか、お色気メインのものはちょっと苦手ですね。でも、それ以外はだいたい大丈夫です。
——特に好きなものはなんでしょう。
「ダイヤのA」みたいな青春ものは本当に感動するので、観るたびに涙しています(笑)。「ハイキュー!!」はメインのキャラクター以外も魅力的だし、ストーリーもすごく考えさせられるので熱くなりました。ちょっと前にNHKでやっていた「バクマン。」も、ものすごく興奮しながら観ていて、連載取れたときとかはテレビの前で一緒にガッツポーズしていました(笑)。少女漫画系だと、いまやっている「俺物語!!」とか。主人公が少女漫画ではNGみたいなヴィジュアルなのに、女の子でもときめいちゃうくらい魅力的にキャラが作られているんです。あと、ちょっと昔の作品ですけど、「CLANNAD」は何回観ても感動して泣いちゃいますね。
——本当に幅広く観ているんですね!
「CLANNAD」はリアル・タイムではないですけど、ハマったのが中学校の頃で。それまでは部活が忙しくてあまり家にいなかったんですけど、中学の部活を引退して家にいるようになってから、「BLEACH」とか「テニスの王子様」とかを観るようになって、そこから徐々に深夜アニメも観るようになりました。
——それから引きこもるようになったと(笑)。
そうですね(笑)。
——オーディションで声をかけられてから東京に出てきたとのことですが、不安はありませんでした?
東京は人も多いだろうし、最先端ですごくキラキラしているようなイメージでした。まわりからは「騙されないように」とか「誰でも信じちゃダメだよ」って言われていたんですけど、自分ではそういう危機感はあまりなかったですね。人運ていうか、すごく優しい方に出会うことが多くて、これまでも支えられてきたので。
——ひとり暮らしもはじめてだったんですよね。
生きるのってこんなに大変なんだなって思いました(笑)。ひとり暮らしもバイトも、音楽活動もいっぺんにはじめたので、思ったよりもメンタル・コントロールとかが大変でしたね。1年目は特に。すごく歌をやりたい気持ちがあるのに、そこまで気持ちをもっていくことも難しかったり。でも、そういう時期があって、いまはライヴとかもやらせていただいて、やっとはじまった感じがします。
日本武道館でライヴをしたいです
——ライヴ活動をやるようになったのは最近ですか?
今年の3月3日の恵比寿club aimでやったのが初ライヴでした。ライヴはまだ5回で、駆け出しです。
——はじめてのライヴときのことは、覚えていますか?
リハーサルのときにライヴハウスではじめて歌ったんですけど、そこでめちゃくちゃ緊張してしまって。結構ガチガチになっちゃって、こんなに歌えないものかと思いました。でも、リハが終わったときに思い返してみたり、会場と触れ合ってみたりしていくなかで落ち着いて。
——会場と触れ合うというのは?
人だけじゃなくて、会場自体にも愛情を注ぎたいなと思うんですよね。ライヴ前は力貸してねってお願いをして、一緒に楽しもうね、よろしくねってあいさつをして。本番は緊張もしたし、いっぱいいっぱいな面もあったんですけど、それ以上にものすごく楽しかったですね。ライヴってこんなに楽しいんだな、またすぐにやりたいなって思いました。それで、もっとお客さんと目を合わせる瞬間や、一体になれる瞬間を作りたいなと思うようになって、2回目からはそういう部分にも気をつけながらやっています。
——だいぶ慣れてきました?
慣れてきている部分もあると思うんですけど、毎回お客さんや会場の空気感、歌う自分の気持ちも違ったりするので。新鮮な気持ちを持ったままそのときの感情を大切にして、そのときにしかできないものをやりたいなって思いますね。
——いまライヴで歌っている曲はカヴァーも含めてロック調の曲が多いですよね。パフォーマンスもアグレッシブで、MCやいま話している姿をみると、少し意外です。
普段のキャラクターではそういう印象はもたれないので、最初に私がロックをやるって言った時は、まわりに「えっ」て言われたりもしました(笑)。私としては普段出してないからこそ、ライヴならではのパワフルさやかっこよさ、熱さを前面に出していきたいなという気持ちもあります。魂を乗っけて歌いたいというか。
——普段は見せていない自分を出すことに抵抗はなかった?
ライヴで見せている自分も、自分のなかではわりとナチュラルなんですよね。歌っているうちに自然と出てくるものなので、楽しいのひと言に尽きます。
——好きなアニメも熱いものが多かったですし、普段は内に秘めている部分なのかもしれないですね。
意図的に出していないわけではないんですけどね。それがライヴだと、歌という形で自然と出てくるのかもしれないです。ちょっと人見知りな部分もあって、自分の内面を出すことがあまり得意ではないんですよね。愛想はいいので、あまり気づかれないんですけど、落ち着いて話せたりするのは時間がかかったりもします。だからこそ、ライヴでは私のいろんな面を観てもらいたいですね。強いところも弱いところもあるのが人だと思うので、そういうギャップを楽しんでもらえたらなと。近寄りがたい感じではなくて、親近感を持って観てほしいですね。
——4月に初のオリジナル曲「believe」をリリースしました。
これはメロディもすごく難しくて、歌えるのかなって思いました(笑)。でも歌っているうちにそれが楽しさになって、本格的なロック調の曲ということですごくワクワクしましたね。
——今回の「Re:LOOP」もロック調で、歌詞には少しダークな世界観も入っています。
はじまりを予感させるイントロに、力強いドラムが入ってくる感じが、すごいテンションがあがるなって思います。歌詞もアニソンぽさがあって、苦しさとかせつなさとかを感じるような内容で。「君のその優しさに覚えた傷跡」っていうフレーズなんかも、優しさに救われるのかと思いきや、傷跡っていう言葉が出てきたりとか。こういう相反する要素って、日常のなかでもあると思うんですよ。自分のことを思ってくれているからこそ重さを感じたりとか、期待に応えられないふがいなさを感じたり。優しさに暖かさも感じつつも、やりきれなさを感じたりとか。でも、それをまた自分でちゃんと飲み込めたときに、やっぱり自分のエネルギーになったり。そうやって巡っていくものなんだなって意味で「Re:LOOP」なのかなって思いました。
——そういう複雑な心境を表現することは、難しくなかったですか?
まだ歌唱力や表現力が未熟だっていうのもあるんですけど、難しくいろいろ考えたりせずに、ストレートに自分の内面から出てくる感情を乗っけて、それが声音に乗るような歌い方をしたいなって思いました。どうやって歌うのが一番よく聴こえるかとか、そういう研究ももちろんしたんですけど、歌っている瞬間に高まる気持ちを純粋に歌に乗せようと心がけてレコーディングしました。
——レコーディングは順調でした?
「believe」がはじめてのレコーディングだったのでそのときよりは慣れてきた部分もありますけど、まだ2曲目なので、どういう歌が菜苗として一番いいんだろうってすごく考えました。おうちで何度も聴いて、繰り返しイメージしたりしていました。「それでも止めどなく あふれる不安に」っていうフレーズからはじまる部分は何度も録り直したんですけど、落ち込んで震えるようなところから最後のサビに向けて上がっていく感じをぜひ聴いてほしいですね。
——最後に、歌手としての夢や目標があれば教えてください。
LiSAさんはまだ生でライヴを観たことはないんですけど、映像で観たときに本当に衝撃だったんです。それまで歌は、自分が伝えたいことを伝えるものだと思っていたんですけど、こんなにお客さんと一緒に楽しめるものなんだって。それから、自分のなかでの理想のライヴになりました。だから最初にライヴを生で観るときは、お客さんとアーティストではなくて、同じ舞台ではじめて会いたいなって思っています。あと、日本武道館でライヴをしたいですね。アーティストとして最初に好きになったのがOLDCODEXさんなんですけど、武道館のライヴを観に行ったときに、歌を聴きながら自分が舞台に立っていることをすごくイメージしながら観ていました。
——それはぜひ実現してほしいですね。
私はすべての面で不器用だなって思うことが多くて、いろんな人に支えられて生きてきたと思っているので、そういう方々に恩返しをする意味でも自分が夢を叶えなきゃって思うんです。いまもスタッフさんがいて、なにより曲を聴いてくださる方がいてくれるからこそ歌えるので、そういう人たちがちょっとでも幸せな気持ちになったり、楽しくなってもらいたいっていうのを一番に考えたくて、合い言葉は「はっぴぃとぅぎゃざー!」って言ってるんですけど。進みはじめてしまった以上、恩返しをしないことには止まるわけにはいかないので。自分がちゃんと表舞台に立って、ここだっていう場所に立って、最高に幸せだよっていう笑顔を見せることで、はじめてちゃんと「ありがとう」って伝えられると思うんです。
菜苗オススメのアニソン5選!!
UNISON SQUARE GARDEN / 桜のあと(all quartets lead to the?)
収録アニメ名 : 夜桜四重奏 ~ハナノウタ~
オススメ・コメント : 自分の好きなポイントをすごく突いてくる歌で、お店で試聴したときに恋に落ちたような気持ちになりました(笑)。
OLDCODEX / Rage on
収録アニメ名 : Free
オススメ・コメント : 食わず嫌いで持っていたロック調の曲に対する苦手意識を壊してくれた曲です。
LiSA / Rising hope
収録アニメ名 : 魔法科高校の劣等生
オススメ・コメント : アニソン・シンガーを目指す決心をして最初に歌い込んだ曲でとても思い入れが強いです。
収録アニメ名 : それでも世界は美しい
オススメ・コメント : アニメの挿入歌で流れてきて、あまりにも綺麗な歌で聞いた瞬間に涙があふれてきました。
藍井エイル / ラピスラズリ
収録アニメ名 : アルスラーン戦記
オススメ・コメント : 藍井エイルさん特有の力強さと曲のメロディーや歌詞の美しさのバランスが好きです。
LIVE INFORMATION
2015年6月18日(木)@東新宿 Cat's hole
GirlSingerStadium Vol 17
2015年7月6日(月)@渋谷aube
※菜苗の出演は19:00〜19:25
2015年7月24日(金)@東新宿 Cat's hole
PROFILE
菜苗
生まれも育ちも福岡県の田舎娘です。人が大好きですが、愛想の良い人見知りなので慣れるまでに時間がかかります。歌を歌うことに幸せを感じて生きているので、大切な場所を下さるみなさまに、どうすれば楽しんでもらえるかを全力で考えています!! 幸せを「届けたい! 分かち合いたい! 広げたい!」という思いから、合言葉は「はっぴぃとぅぎゃざー!」です
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