大森靖子が愛するトリプル・ギターの5人組バンドH MOUNTAINS、1stフル・アルバム完成記念対談!!

大森靖子に「畠山くんのギターはすごい好きだし、同い年だから気に入ってて、どうにか上に持っていきたいって思ってるんです」(「大森靖子と来来来チーム」での取材より)と言わしめた、畠山健嗣が率いるバンド、H MOUNTAINS。
2012年ごろからシャムキャッツや昆虫キッズ、来来来チームなどとともに注目を集めてきたH MOUNTAINS。これまで3枚の自主制作音源をリリースしてきたが、ついに4月、待望の1stフル・アルバム『GOLD MEDAL PARTY』をリリース!! マスタリングに中村宗一郎を迎え、盟友、来来来チームの「天国」のカヴァーを含む13曲入り。
今回は1ヶ月以上も先行で『GOLD MEDAL PARTY』のなかから「なんか落ちてないか」をお届け!! そして今回は、その音楽性を評価する大森靖子との対談にて、彼らの魅力をお伝えします。
1stフル・アルバム『GOLD MEDAL PARTY』から先行配信スタート!
H MOUNTAINS / なんか落ちていないか
【配信価格】
wav、mp3ともに 単曲 250円
1stフル・アルバム&7インチ・アナログ盤リリース情報
『GOLD MEDAL PARTY』Trailer vol.2『GOLD MEDAL PARTY』Trailer vol.2■H MOUNTAINS、待望の1stフル・アルバムが完成!!
H MOUNTAINS / GOLD MEDAL PARTY
OTOE-0001
【配信価格】
wav / alac / flac / mp3 : 単曲 200円 まとめ購入 : 2,000円
【Track List】
01. お魚天国 / 02. ハッピーファットサンシャイン / 03. 天国 / 04. ききたい / 05. でっかいオブジェ / 06. ウエスタンラリアット / 07. なんか落ちていないか / 08. (whrere is) bad boy / 09. パキパキマン / 10. 近視眼くん / 11. 草 / 12. 江の島 / 13. U2
■レコードストアデイと連動した「7inchアナログ+CDアルバム」の数量限定セットがリリース!!
2014年4月19日(土)リリース
H MOUNTAINS / 「なんか落ちていないか DORIAN REMIX」+「GOLD MEDAL PARTY」
OTOE-0001X ¥2,750+TAX
【Track List】(7inch Analog)
A. なんか落ちていないか DORIAN REMIX / B1. 草 / B2. U2
※CDは上記と同様(ブックレット付き)
大森靖子から1stフル・アルバム『GOLD MEDAL PARTY』によせて
5人の音がそれぞれ自由に面白く存在することと、聴き手の想像力にも自由を与えることの攻防戦の果てに生まれたほんの1ミクロの隙が愛おしい。だから大人ってたのしいよねーとか思うと同時に、その完璧なバランスを壊したい衝動が生まれる。なんかムカつくんだよね、女子が5人いると絶対誰か1人ハブられるでしょ。そういう鬱屈前提に生きていかなきゃいけなかった生物だから、男子の甘え切った青春めいたものが認められなくて、グチャグチャにしたくなる。なんなら、私がネットとかの噂通りのヤリマンだったらよかったよ、その欲を満たすことができるからなんてね、それくらい「音イケメン」揃いの惚れ惚れする一枚です。ボーカルは間抜けだし声ブスですが、そのおかげで、何もなかったのになんか充実した一週間だったなーみたいな、生きてればハッピー感が伝わる。強欲な私にはそういう気持ちはよくわからないので共感はしませんが、音楽に共感なんてなくても気持ちは高揚できるってことを実感できました。(by 大森靖子)
対談 : 畠山健嗣(H MOUNTAINS)×大森靖子
大森靖子がその実力を認める、彼女と同世代のミュージシャンがいる。アイドルではなく、ミュージシャンである。筆者は正直、大森が同世代のほかのミュージシャンを褒めているのをあまり訊いたことがない。彼女自身のバンド、THEピンクトカレフのメンバーですら、楽器の腕前や音楽センスよりも、まず第一に「自分のことを好きなメンバーを集めた」と話していた。そんな大森が絶賛するミュージシャンとは、一体何者なのか。
その人物の名は、畠山健嗣。畠山は、2011年に活動休止したオルタナ・バンド、Far Franceに在籍。かつて下北沢SHELTERを単独で満員にするなど、東京インディーズ・シーンの中核をなしていた。その畠山が中心となり結成したバンド、H MOUNTAINSが、ついに1stアルバム『GOLD MEDAL PARTY』を完成させた。
今回はアルバムの発売を記念し、大森と畠山による対談を敢行。対談は、真剣に話そうとする畠山に大森が茶々を入れるなど、終始和やかに進行。畠山に繰り返しダメ出しをしつつも、その発言の節々には大森なりの深い愛情が感じられた。ふたりの異なる視点から紐解くH MOUNTAINS、そして畠山健嗣。ここから、彼らの魅力を探ってほしい。
インタヴュー&文 : 前田博将
写真 : 二宮ユーキ
俺のことを好きなのに、なんでこんなに否定するんだよ(笑)
――畠山さんは、H MOUNTAINSをはじめる前は、ずっとFar Franceでギタリストとして活動していましたよね。2011年に活動を休止するわけですけど、なぜ止まってしまったんでしょう。
大森靖子(以下、大森) : 女問題だよね(笑)。
畠山健嗣(以下、畠山) : いやいや(笑)。Far Franceはどちらかというとヘヴィな音楽だったんですけど、ヴォーカルの英(真也)くんと僕のやりたいことが離れていくのがどんどん顕著になってきてたんですよ。後半のほうは彼のメロディや歌詞とか細かいところまですごい口を出すようになってて。
大森 : (畠山の髪の毛にヘアゴムをつけて遊んでいる)そのまましゃべってて。
畠山 : 全然集中できない(笑)。それで、バンドにとってあまりいい状態ではないのかなってことで、いったん止めることになりました。
――それが決まってからH MOUNTAINSを結成したんですか?
畠山 : いや、実はH MOUNTAINSを作ったのは2008年くらいなんですよ。自分がギターだけじゃなくて、曲もがっつり作るバンドをやりたいなって思って。でもその頃はライヴも少なくてメンバーもいまと違ったんです。で、ちょうどFar Franceが止まるタイミングでいまのメンバーが揃った。

――畠山さんはH MOUNTAINSでヴォーカルも担当していますが、もともと自分で歌いたい気持ちもあったんでしょうか。
畠山 : いや、歌いたいっていうよりは、英くんの声と自分のやりたい曲のイメージが違ったってことの方が大きいですね。だったら自分でやった方が早いのかなって。
大森 : ふー、ふー(レコーダーにひたすら息を吹きかける)。
畠山 : 迷惑だから(笑)!
――大丈夫です(笑)。Far Franceの『OICY!』をこの前、改めて聴いてみたんですけど、英さんがいまやってるTESUSABIよりもH MOUNTAINSの音に近いなって思ったんですよ。
畠山 : あー、たしかに。全然、意識はしていなかったんですけど、もともとはどちらもオルタナティヴな音楽をやりたいってところからはじめているので、結果的に近づいてるところはあるかもしれないですね。Far Franceのフックになるようなところは自分が作ってたし。
――なるほど。ちなみに、大森さんとはいつごろ出会ったんですか?
大森 : 私は狩生健志さんが好きで、H MOUNTAINSをバックにカラオケで歌うらしいって訊いて無力無善寺でやってた「日本ロックフェス」を観にいったんです。でも、そのときは狩生さんかっこいいなと思って帰りました(笑)。
畠山 : H MOUNTAINSは視界には入らなかったと(笑)。
大森 : いや、普通にいい演奏だったんだけど、狩生さんがおもしろすぎて(笑)。
畠山 : ちゃんと話したのは、その半年後くらいに高円寺のドムスタでやったコピー・バンド大会だよね。それが2012年。
――張江(浩司 / 来来来チーム)さんなども参加していたやつですよね。大森さんは張江さんとの対談のときにも畠山さんをすごく褒めていたし、1stアルバム『魔法が使えないなら死にたい』にゲストで弾いてもらったりしてるじゃないですか。 大森さんが同世代のバンドマンを褒めてるイメージがあまりないので、すごいなと思いました(笑)。
大森 : ああ、そうかも(笑)。ギターはすごくかっこいいんですよ。
畠山 : ギターは(笑)。俺の歌に関してはいつもボロクソ言ってるよね。
大森 : 声がブスなんだもん(笑)。『GOLD MEDAL PARTY』を聴いても、どの音もすごいこだわってるのにヴォーカルだけがなんのこだわりも感じない。
一同 : あはははは。
大森 : あくまで、音としてね(笑)。数多くのヴォーカリストたちは自分の声は良いと思ってるじゃないですか。だから傲慢だし、音程を正しく出す以前に、お前の声がそもそもダメなんだよっていう人がすごくいる。喉にエフェクターついてるくらいの気分でやればいいのにっていうのはすごく思っていて、そこの認識不足はすごく感じます。だから、健嗣はギタリストなんだから、ギターだけ弾いて誰かに歌わせればいいのにって思います(笑)。
畠山 : 俺のことを好きなのに、なんでこんなに否定するんだよ(笑)。
大森 : ヴォーカルやってる以上は私と一緒じゃん。そこにだけは厳しくなる。自分のバンドとかでもベースが全然弾けないけど、ベースだからどうでもいいの(笑)。
畠山 : それ問題あるでしょ(笑)。でも、大森さんの音楽のなかの歌っていうのと、H MOUNTAINSのなかの歌っていうのは全然別ものだと思う。大森さんは言葉や歌に重きを置いてて、そういう感覚が鋭い作家じゃないですか。俺はそういう作品も好きなんですよ。でも、そういうの至上主義なのはおもしろくないから、自分が作るのはそうじゃなくて、もっと自由でいいというか。
なにかを好きになりたくてしょうがない人はいっぱいいるから
――歌に関しては、大森さんが歌ってあげるっていう話も以前していましたよね。
大森 : 誰でもいいんですよ。私が歌ってもすっごく薄く歌うので、そういうのができる人がいいと思う。ヴォーカルを前に出しすぎなんですよ。それでこの声だと、余計に入ってくる。
――たしかに、歌がすごく耳に残りますよね。
畠山 : はっきり聴こえたとして、その結果なにも言ってないっていうのが好きなんです(笑)。例えどうしようもない声だとしても、そこから作っていくのも結構おもしろい。こういうのもありなんだって発見しながら作っていくのも楽しいし。
大森 : 楽しかったんだ? それならいいと思う。
畠山 : 完成されているものより、不完全なものの方が好きなんだよ。
大森 : そこは一緒だよ。私のやってることは完成しようがないし。
畠山 : うーん、どうなのかな。
――畠山さんの場合は敢えてちょっと崩して作っているところがあって、大森さんは作っても作っても自分の理想はさらにその先にあるって意味での不完全さじゃないですかね。
畠山 : ああ、そういうところはありますね。
大森 : 完全なものを作るのは無理でしょっていう諦めはあるかな。
――H MOUNTAINSは、歌詞も身近にあるキャッチーな言葉を選んで使っていますよね。言葉の意味よりも先に音の響きが、すっと入ってくるというか。
畠山 : そうですね。声に出したい言葉で作っています。自分のなかでは意外と筋が通ってたり、意図があったりするものもあるんですけど、そこは聴いてる人には伝わらなくていいっていうか。アルバム・タイトルなんかもベースのシント(タカシ)さんが考えたんですけど、とりあえず1枚目でポジティブ感や「どやっ」て感じを出したかったし、意味よりも言葉の抜け具合を重視しましたね。聴いてて抜けない言葉はたぶん、すぐボツにしちゃう。下北のちょっと鬱っぽいバンドとかポストSyrup16gみたいな、ちょっと薄い感じのものは好きじゃないんですよ。
大森 : いいね(笑)。まあ、おもしろければなんでもいいよね。こだわる部分が違うだけで、そこは伝わってほしいと思う。私はこの言葉とこの言葉をくっつけたらおもしろい、みたいな気持ちで作ってるから、それは遠からずなんじゃないですかね。

――言葉の響きもそうですけど、デモ音源などと比べると曲もどんどんポップになってる気がします。ライヴを観てても、最近はすごくポップな印象があります。
畠山 : それもポップにしてるつもりはなくて、結果的にこうなってるだけなんですよ。
大森 : ポップさは友だちが増えてる証拠だからね。わかってほしい欲があるってことでしょ。そうじゃないとポップにしないよ。
畠山 : 音楽じゃないと友だちができないたちなので、そういう意味ではそうなのかな。
大森 : いま知ってる人、全部音楽で知り合った人だもん。それを思うといいなって思う。
畠山 : 同窓会とか呼ばれないからね(笑)。
大森 : 向こうは呼ばないでいようとか思ってないみたいだよ。最近は名前がとおってきたから調べられて、「そんなにひとりだと思わなくていいよ」みたいなうさん臭いメールが高校の同級生とかから来るんですよ。そういう感じなんです。
――それも売れてきたからこそではありますよね。『GOLD MEDAL PARTY』は1stにして13曲入りとかなりヴォリュームがありますが、どのようなイメージがあったんですか?
畠山 : 曲間が短いんですけど、どんどん矢継ぎ早に情報量が多い曲をミックスCDみたいに入れていって、曲を追えば追うほどどんどんカオティックになっていく。でもわりとカラフルだからポップに聴こえるっていう全体像をイメージしていましたね。曲数は13だったら奇数で素数だし、半端な感じでいいと思うし、43分だったらLPサイズでちょうどいいかなって。
――パっと聴ける長さですよね。
大森 : 私のアルバムも全部そのくらいの長さです。そのくらいがちょうどいいんだよね。情報量が多いのもいまっぽいし、いいと思う。
畠山 : このあいだもそういう話をしてたけど、まわりのバンドやインディー・シーンとかを見ると、最近はわりと情報量が少ないものの方が多いよね。
大森 : だから売れてないんでしょ(笑)。
畠山 : そういうことか(笑)。アイドルとかは情報量が多いのかな。
大森 : いろんなものを探して、なにかを好きになりたくてしょうがない人はいっぱいいるから、そういう人をとっつかまえるために、こっちもいっぱい出していかないといけない。そういう危機感のない人は売れないと思う。
――いまは、ミニ・アルバムで出す人も増えていますよね。手に取りやすいからだとは思うんですけど。
大森 : あれ、ほんと好きじゃないんですよね。ミニ・アルバムは作品て感じがしない。
畠山 : 俺もそれは嫌で、1枚目はフル・アルバムにしたかった。音もパっと演奏してパっと録ってパッケージしましたみたいな感じはないなって。それこそ、10年経って振り返ったときに、やっぱりフル・アルバムの方がパッケージとしてかっこいいと思ったんですよね。1枚目の名刺代わりになる音源だし。
――入っている13曲はデモに入っていた曲もふくめて録り直してるんですよね。あらかじめ曲はそろっていたんですか?
畠山 : 1曲目と最後はこんな感じっていうのイメージがおぼろげにあったので、「お魚天国」と「U2」はアルバム用にレコーディングがはじまってから作った感じですね。「U2」はU2っぽい曲を作ろうと思ったんですけど、全然そうならなかったっていう曲です(笑)。あとは、「草」って曲なんかはドラムを切り貼りしてループさせて作ってるんですけど、そういう「ライヴでどうやんの? 」みたいな曲は作って放置してたんですよ。それもアルバム出すから入れようって。
――曲は畠山さんがかっちり作って持っていくんですか?
畠山 : いや、最近はネタだけ持っていってスタジオで弾きながら、リズムはこんな感じでいきましょうってとこからはじめる。で、みんなでアイデアを出しまくって作っていますね。全員がわりと意見を出したい人たちなんですよ。
――ギターが3本あってもバランス良くアレンジされていますよね。轟音一辺倒とかにもならずに。
畠山 : 役割分担は自然にされていますね。ノイジーなものに対してのカウンターってわけではないですけど、いままで音楽シーンとかインディー・シーンとかで聴いてきたものに対して、もっとこうやった方がおもしろいでしょっていうのを、みんな持ち寄っているところがあるので。そういう批判的な気持ちで作ってるところもあると思います。
ヴォーカルをのぞけばいい音源ですからね(笑)。ほかは本当に完璧だと思います

大森 : 私は結構まんまな感じがしましたけどね(笑)。
畠山 : これはOTOEのスタッフがアイデアを出してくれました。みんな話してることが小学生レベルの下ネタだったりっていうくだらなさと、躍動感があったりマッチョな部分… 速弾きが3本くらい重なってたりとか、そういうイメージもあるんですよね。いまのインディー・シーンて、そういうマッチョイズムって表面的には出てこない感じがするんですよ。
――確かに、特にライヴで聴くとギターの音やユニゾンの迫力は圧倒的ですよね。
大森 : ああいう感じは体育会系ですよね。
畠山 : 例えば、僕はceroみたいなバンドも好きなんですけど、ああいう人たちは速弾きをしたり同じフレーズをみんなでユニゾンしたりとかはしないだろうなって思うし。
――あと、今回は「なんか落ちていないか」のDORIAN REMIXを含む7インチのアナログ盤と『GOLD MEDAL PARTY』の数量限定セットが先行で発売されるんですよね。
畠山 : アナログを出したいっていう話がレーベルからあったんですけど、自分もレコードを買う人だからアナログを出せるのはうれしいですね。で、リミックスを誰かに頼んでみるかって思ったときに、単純に好きだったドリアンさんに頼んでみたらOKしてくれたっていう。ほかの曲も比較的ループ感がある曲を選んでいるので、踊れて楽しいと思います。
――アルバムをそのままアナログにするのではなく、7インチにしたのは?
畠山 : 単純に予算の関係もありますけど、7インチっていう形式がかっこいいっていうのもありますね。やっぱり12インチよりもアイテム感が強い気がするし。でも、まだプレスしていないので、実際に自分たちの曲がアナログになってどうなるのかわからないんですよね。それを聴いてみて、もしかしたら次回作はアナログでも出そうって思うかもしれない。

――そういえば、先日の大森さんと張江さんとの対談で、畠山さんが「10年後くらいに俺のCDを偶然手に取ってくれる人がいればいい」とおっしゃっていたという話がありました。畠山さんはFar France時代のインタビューでも「メジャーはあまり考えていない」とおっしゃっているんですよね。大森さんなんかは逆にずっと「売れたい」「紅白に出たい」って言い続けてるじゃないですか。そういう人が身近にいても、畠山さんの思いはあまり変わらないですか?
畠山 : 売れたいっていうのが念頭にあるかっていうと、全然ないんです。でも、とりあえずかっこいいアルバムができたので、それは聴いてもらわなきゃいけないなって。
大森 : そりゃそうだよね。
畠山 : そういう意味では売れたいというか、アルバムを売りたい。
大森 : 私は最初から、大観衆の前で歌ってるイメージしかなかったから。逆にライヴハウスとかで、バンドマンのおっかけみたいな女の子の前で歌ってなにになるんだろうっていう思いの方が強かったですね。売れたいっていうのは、そういうイメージです。自分のなかでは、それとCDをどう売るかは関係ない話ですね。
――大森さんははじめから売れてるイメージがあって、畠山さんの場合はいま目の前にあるものを見ているっていう違いですかね。
畠山 : 自分は中高くらいに傾倒してたインディー・ロックだったりとか、大学の頃に行ってたレスザンTVのイベントとかKIRIHITOとか、ああいうアンダーグラウンドなライヴの現場を観にいって、なんておもしろいんだっていう部分からはじまってるんです。そういう意味では圧倒的に乖離してるとは思うんですけど。客もそりゃ入った方がいいですけど、第一に有名になりたいとか、売れるっていうことには直結しないですね。
――まずは自分が思い描く音楽を追究していって、それをどうするか。
畠山 : そうですね。作品はいいものができたと思うので。大森さんはいろいろ言ってましたけど(笑)。
大森 : ヴォーカルをのぞけばいい音源ですからね(笑)。ほかは本当に完璧だと思います。
畠山 : バンド自体をどうおもしろくしていくかとか、次のアルバムをどうしようかっていうのが、いまの頭にあることですかね。来年もアルバムを出したいなって思っているので。
――なるほど。ちなみに、今後ワンマンライヴなどは考えてるんですか?
畠山 : どうですかね。いまは2マンが好きなので(笑)。自分たちを観にくる人とは別にほかのバンドを観にくる人もいるし、関係ない要素が入ってるのが好きだから。いっぱい出るのもいいけど、単純に2マンの方が余裕があるというか、たっぷり観られるし濃厚にやれる。自分が観にいくときもそのくらいがいいなって思うし。
――大森さんはどんな形態のイベントが好きですか?
大森 : 私は呼ばれたものに対してベストを尽くすだけですね。仕事みたいな感じで。今日はこういうイベントに呼ばれたからこういうのを求められてるだろうみたいな。そんな感じです。
――H MOUNTAINSと大森さんの対バンなどは。
大森 : それはいいですよ。おもしろくないもん。リキッドに健嗣が出てくる方がおもしろいです。
――大森さんのリキッドルームでのワンマンライヴでは、畠山さんがそうそうたるメンバーと一緒にステージに立つんですよね。
大森 : 私がまんなかで、ほかはみんな結構、年齢的に渋い感じですからね。そこで踊ってたら見た目もふくめておもしろいでしょって。健嗣は唯一の同い年だし、同世代がつまんないってすごい思うから。やっぱり、ギターがおもしろいですからね。それ以外はつまんないけど(笑)。
畠山 : ギターやってて良かったです(笑)。
大森靖子の過去音源はこちら
【特集ページ】
・大森靖子と来来来チーム 最初で最後の? コラボレーション・アルバムをリリース
・教会でDSDネイティヴ録音&ミックスした『大森靖子 at 富士見丘教会』を26歳誕生日にリリース!
・活動初期に録り溜めた楽曲、いまでは入手困難な楽曲などを収録した『大森靖子黒歴史 EP』をリリース
・〈OTOTOY×disc union NEW SENSATION 第11弾〉大森靖子『魔法が使えないなら死にたい』
LIVE INFO
H MOUNTAINS
H MOUNTAINS presents FULL POWER BOY Vol.4
~GOLD MEDAL PARTY リリース記念ライヴ~
2014年4月21日(月)@下北沢SHELTER
OPEN 19:30 / START 20:00
w/ 藤井洋平 & The VERY Sensitive Citizens of TOKYO
大森靖子
大森靖子 絶対少女が夢見るBBa’14ツアー in 福岡
2014年3月11日(火)@福岡 the voodoo lounge
OPEN 19:00 / START 19:30
大森靖子ワンマンライヴ 絶対少女ツアー・ファイナル『最終公演』
2014年3月14日(金)@恵比寿 LIQUIDROOM
OPEN 18:00 / START 19:00
ゲストミュージシャン : 直枝政広(カーネーション)、tatsu(LÄ-PPISCH、GANGA ZUMBA)、奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)、久下恵生、畠山健嗣(H Mountains)
カーネーション・トリビュート・アルバム 『なんできみはぼくよりぼくのことくわしいの?』 発売記念トリビュート・ライヴ
2014年3月15日(土)@下北沢GARDEN
OPEN 16:30 / START 17:00
女川町復幸祭2014
2014年3月16日(日)@女川町立女川中学校(旧女川第一中学校)
OPEN 9:00〜
大森靖子×チャラン・ポ・ランタン “イビツな女子の宴”
2014年3月20日(木)@仙台 PARK SQUARE
OPEN 19:00 / START 19:30
ピエール中野(凛として時雨)主催「ピエールナイト」
2014年3月21日(金)@Zepp Diver City TOKYO
OPEN : 15:00〜
後藤まりこと大森靖子
2014年3月23日(日)@下北沢GARDEN
OPEN : 17:30 START : 18:00
アイドル女子会&セーラームーン妄想キャスティング会議
2014年3月26日(水)@阿佐ヶ谷ロフトA
OPEN : 18:30 / START : 19:30
ShowBoat 2MAN SERIES「チリヌルヲワカ×大森靖子&THEピンクトカレフ」
2014年4月5日(土)@高円寺ShowBoat
OPEN : 18:30 / STRAT : 19:00
SEBASTIAN X presents 『TOKYO春告ジャンボリー2014』
2014年4月19日(土)@日比谷野外音楽堂
OPEN : 15:30 / STRAT : 16:00
ARABAKI ROCK FEST.14
2014年4月26日(土)@ARABAKI ROCK FEST.14 会場(エコキャンプみちのく)
OPEN : 17:00 / START : 17:30
AOMORI ROCK FESTIVAL’14~夏の魔物~
2014年7月21日(月)@青森県東津軽郡 平内町夜越山スキー場
OPEN : 19:00 / STRAT : 20:00
大森靖子の夏休み
2014年8月13日(水)@八丈島PotHall
STRAT : 18:00
PROFILE
H MOUNTAINS
畠山健嗣(Vo,Gt)、チバソウタ(Gt,cho)、GOGATECH(Gt,cho)、シントタカシ(Ba)、ヤノアリト(Ds)
Far Franceの畠山健嗣を中心に結成。オルタナ界のくせ者どもの出す音は、あれ? なんかPOP!?
>>H MOUNTAINS Official HP
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大森靖子
ポップでキュートなのにヒリヒリする、カラフルなのにどこかくすんでみえる。
圧倒的な存在感で優しく包み込むような、冷たく引き離すような歌声と楽曲の魅力は、起動力の高い彼女が主演・音楽担当映画の上映を兼ねた映画館ライヴ、アイドル・イベント、香山リカと自殺予防お笑いイベント、田口ランディとの詩の朗読イベント、汚いスタジオ、銭湯、渋谷O-EAST、夏の魔物等の大型フェス、本屋、日本中、海外まで凄まじいバイタリティでこなす活動により、口コミで話題に。弾き語りでのライヴの評判を高めつつ、2011年、バンドTHEピンクトカレフ始動。
2013年1stフル・アルバム「魔法が使えないなら死にたい」を発売。リリース・ツアー・ファイナルを渋谷クワトロで開催、レーベル無所属のままソールドアウトさせ、伝説のはじまりと称されるも、本人はストイックに同13日深夜即効次のライヴを敢行、変わらず連日ライヴとハロヲタの活動を充実させている。