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マイク・サックウェル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マイク・サックウェル
基本情報
国籍 ニュージーランドの旗 ニュージーランド
出身地 同・オークランドパパクラ
生年月日 (1961-03-30) 1961年3月30日(63歳)
F1での経歴
活動時期 1980,1984
所属チーム '80 アロウズ
'80,'84 ティレル
'84 RAM
出走回数 5 (2start)
優勝回数 0
表彰台(3位以内)回数 0
通算獲得ポイント 0
ポールポジション 0
ファステストラップ 0
初戦 1980年オランダGP
最終戦 1984年ドイツGP
テンプレートを表示

マイク・サックウェル英語: Mike Thackwell, 1961年3月30日 - )は、ニュージーランド出身の元レーシングドライバー。1980年にF1デビューし、当時のF1最年少出走記録を樹立した。

プロフィール

[編集]

母国でのレーシングカートを経て、1977年、16歳で渡英。イギリスフォーミュラ・フォード1600で4輪レースデビュー。翌1978年に同シリーズのチャンピオン獲得。

1979年イギリスF3にステップアップすると、5勝を挙げランキング3位を獲得。このシリーズにはナイジェル・マンセル(25歳)やスポット参戦でアラン・プロスト(24歳)なども参戦していたが、20代中盤の世代が多く、18歳と若いサックウェルの活躍はイギリスで関係者の目を引き、その名はケン・ティレルの知る所となっていた。

1980年ヨーロッパF2選手権にステップアップ。しかしシーズン途中でケン・ティレルからF1スポット参戦のオファーを受け、カナダGPティレルからF1デビュー、19歳182日のF1最年少出走記録を樹立(2016年現在のF1最年少デビュー記録はマックス・フェルスタッペンの17歳165日)。決勝ではチームメイトに再スタート時にマシンを譲ったためDNFとなった。

以後のメイン参戦カテゴリーはヨーロッパF2であった。1984年シーズン途中にはF1の小規模チームRAMから声がかかりカナダGPに出走したが、RAM・02が搭載するハート・ターボエンジンは完走能力を持たず、DNFとなった。

ラルト・RH6/84・ホンダ(1984年)

1984年のヨーロッパF2選手権ではラルトホンダRA264Eで7勝を挙げる圧勝のチャンピオン獲得だったが、F1の正シート獲得はできず、翌1985年の国際F3000選手権でもランキング2位を獲得。シーズン終了後にはマカオグランプリF3に出場し2位となるなど結果を出し続けたが、戦闘力を持つF1シートには結びつかなかった。

1986年は当初、2年前にも乗ったF1のRAMレーシングと契約し開幕前のブラジル合同テストで乗っていたが、チームは参戦資金が無く開幕前に撤退したため、同年は日本の全日本F2選手権ノバ・エンジニアリングのマールボロ・マーチでフル参戦した。8月の第6戦富士スピードウェイでは中嶋悟星野一義を寄せ付けない完勝劇を見せるなど活躍、ランキング5位を獲得した。

F1直下カテゴリーでランキング2位・1位・2位と3年連続で結果を残しながら、大きなスポンサー資金を持たなかったことでF1シート獲得は難航し、1987年はノバ・エンジニアリングから全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権フロムAポルシェ・962Cで参戦。1988年シーズンを最後に27歳でレーシングドライバーを引退した[1]。その後は、パイロット材木切り出し、金鉱掘りといった職業を転々とし、現在はロンドン郊外で教師として恵まれない子供たち相手に教鞭を振るっている[2]

1998年10月、ツインリンクもてぎで催された「ホンダ50周年ありがとうフェスタ」に姿を見せ、観衆の喝采を浴びた[3]。なお、もてぎに隣接の「ホンダコレクションホール」にはサックウェルがチャンピオンを獲得したラルト・ホンダが展示されている[4]

レース戦績

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イギリス・フォーミュラ3選手権

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チーム シャシ エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
1979年 マーチ・レーシング・リミテッド マーチ・793 トヨタ・2T-G SIL
8
THR
4
SIL
10
SNE
Ret
DON
8
THR
5
BRH
3
DON
Ret
SIL
3
BRH
1
CAD
Ret
SIL
5
SIL
1
SNE
1
MAR
Ret
SIL
3
OUL
1
THR
Ret
SIL
2
THR
1
3位 71

ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権

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エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 順位 ポイント
1979年 マーチ・エンジニアリング マーチ・793 トヨタ・2T-G VLL ÖST ZOL MAG DON
Ret
ZAN PER MNZ
1
KNU KIN JAR KAS 8位 9

全日本F2選手権

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チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
1979年 DIATONE マーチ SUZ NIS SUZ FSW SUZ SUZ
4
SUZ -[5] -[5]
1980年 Walter Wolf SUZ NIS SUZ SUZ C SUZ SUZ
2
8位 15
1981年 ラルト・レーシング SUZ
SUZ
SUZ
11
SUZ
SUZ
10
16位 1
1982年 ADVAN PIAA トールマン SUZ
Ret
17位 0
ADVAN PIAA マーチ FSW SUZ SUZ SUZ SUZ
7
4
1983年 ラルト・レーシング SUZ FSW NIS SUZ SUZ FSW SUZ SUZ
6
16位 6
1984年 ラルト・レーシング SUZ FSW NIS SUZ SUZ FSW SUZ SUZ
5
16位 8
1986年 Marlboro NOVA SUZ
4
FSW
8
NIS
6
SUZ
7
SUZ
3
FSW
1
SUZ
3
SUZ
5
5位 68 (75)

ヨーロッパ・フォーミュラ2選手権

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チーム シャーシ エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 順位 ポイント
1980年 ICI Racing Team マーチ・802 BMW THR
Ret
HOC
Ret
NÜR
10
VLL
4
PAU
4
SIL
3
ZOL
6
MUG
19
ZAN
Ret
PER
9
MIS
Ret
HOC 8位 11
1981年 ラルト・レーシング ラルト・RH6/81 ホンダ SIL
1
HOC
3
THR NÜR VLL MUG
5
PAU
6
PER
DSQ
SPA
Ret
DON
5
MIS
3
MAN
15
6位 22
1982年 ホラグ・ホルツ・レーシング マーチ・822 BMW SIL
Ret
NÜR
Ret
MUG
8
VLL
9
PAU
3
SPA
3
HOC
10
DON
Ret
MAN PER MIS 10位 8
ベルトラム・シェイファー・レーシング マウラー・MM82 HOC
Ret
THR
1983年 ラルト・レーシング ラルト・RH6/83 ホンダ SIL
2
THR
2
HOC
3
NÜR
7
VLL
3
PAU
8
JAR
1
DON
2
MIS
Ret
PER
3
ZOL
2
MUG
2
2位 51
1984年 ラルト・RH6/84 SIL
1
HOC
2
THR
1
VLL
1
MUG
1
PAU
1
HOC
9
MIS
1
PER
1
DON
4
BRH
Ret
1位 72

国際F3000選手権

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チーム シャーシ エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 順位 ポイント
1985年 ラルト・レーシング ラルト・RB20 コスワース SIL
1
THR
2
EST
NC
NÜR
C
VLL
Ret
PAU
Ret
SPA
1
DIJ
2
PER
1
ÖST
9
ZAN
2
DON
Ret
2位 45
1986年 ホラグ・ホルツ・レーシング ローラ・T86/50 SIL
4
VLL PER
9
ÖST BIR BUG 8位 10.5
ラルト・レーシング ラルト・RT20 ホンダ PAU
1
SPA IMO MUG JAR
Ret
1988年 チーム・ラルト ラルト・RT22 ジャッド JER VLL PAU
7
SIL MNZ PER BRH BIR BUG ZOL DIJ NC 0

F1

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所属チーム シャシー タイヤ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 WDC ポイント
1980年 アロウズ A3 G ARG BRA RSA USW BEL MON FRA GBR GER AUT NED
DNQ
ITA NC
(34位)
0
ティレル 010 G CAN
Ret
USA
DNQ
1984年 スコール・バンディット(RAM) 02 P BRA RSA BEL SMR FRA MON CAN
Ret
DET DAL GBR NC
(34位)
0
ティレル 012 G GER
DNQ
AUT NED ITA EUR POR

(key)

CART PPGインディカー・ワールドシリーズ

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チーム シャーシ エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 順位 ポイント
1984年 チーム・ペンスキー マーチ・84C コスワース・DFX V8 t LBH PHX INDY MIL POR MEA CLE MCH ROA POC MDO SAN MCH PHX LS
18
CPL
20
NC 0

マカオグランプリ

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チーム エンジン LEG1 LEG2 総合順位
1984年 イギリスの旗Team JPS トヨタ 3 3 3位
1985年 アイルランドの旗エディ・ジョーダン・レーシング VW 2 2 2位
1986年 イギリスの旗Intersport Racing トヨタ Ret Ret NC
1987年 イギリスの旗 デイブ・プライス・レーシング Ret C NC

ル・マン24時間レース

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チーム コ・ドライバー 使用車両 クラス 周回 総合順位 クラス順位
1985年 ドイツの旗 ポルシェ・クレマー・レーシング フランスの旗 ジャン=ピエール・ジャリエ
オーストリアの旗 フランツ・コンラット
ポルシェ・962C C1 356 9位 9位
1986年 スイスの旗 クーロス・レーシング チーム デンマークの旗 ジョン・ニールセン ザウバー-メルセデス・C8 C1 61 DNF DNF
1987年 スイスの旗 クーロス・レーシング フランスの旗 アンリ・ペスカロロ
日本の旗 岡田秀樹
ザウバー-メルセデス・C9 C1 123 DNF DNF
イギリスの旗 ジョニー・ダンフリーズ
アメリカ合衆国の旗 チップ・ガナッシ
C1 37 DNF DNF

関連項目

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ SPOT NEWS 史上最年少19歳182日でF1に出走したマイク・サックウェルがレースから引退することを示唆している。彼はまだ26歳だ。 Racing On No.022 43頁 武集書房 1988年2月1日発行
  2. ^ 『F1グランプリ特集』 ソニーマガジンズ、2月号、1998年、113頁。
  3. ^ 「Racing On」No.280、p.19、ニューズ出版、1998年。
  4. ^ ラルトホンダ RH-6-84 ホンダモビリティランド
  5. ^ a b JAF(日本自動車連盟)ライセンスではない外国ライセンスドライバーはポイント対象外。
タイトル
先代
ジョナサン・パーマー
ヨーロッパF2選手権
1984年
次代
クリスチャン・ダナー