分岐器 単語

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分岐器とは、線路の進路を切り替える機械である。ポイントとも呼ばれる。

概要

 鉄道は、レールの上のみという限られた場所しか走る(存在する)ことができない。そのため列車の追い越しや車両の入れ替えのため、進路を複数切り替える必要がある。その枝分かれする部分に設けられるのが分岐器である。

 土木建造物である線路において、一の機械と言って良い部分である。構造には繊細な部位もあるため、定期的保守を必要と、メンテナンスを怠ると不転換を起こして列車の運行を止めたりもする(いわゆるポイント故障)。しかし先述の的の達成のためには最も動作が優れているので、要所要所に必要最小限設けられている。

 分岐器には基準線側、曲線側共に制限速度が設定されており、特に曲線側についてはそれぞれの分岐器の番数によって制限速度が異なる。また、分岐器に進入する列車に対して信号設備の設置も行わなければならない。

構造

 以下に基本的な形状の分岐器と簡単な仕組みを示す。左が直進側、右が分岐側に開いた様子である。

分岐器の定位方向開通 分岐器の反位方向開通

  • 図中左側、互い違いに開閉する先の細い部品がトングレールである。輪はこれに乗り移ることで進路を決定される。実際も先端はごく薄くなっているが、実際には基本レール(直線側のレールと曲線側のレール)に押し付けられるため、車両を支える強度は問題ない。トングレールと基本レールとの関係は、分岐器の種類によって微妙に異なる。従来の基本的な分岐器では、基本レールは通常のレールを用いていたが、改良分岐器では、この部分にトングレールの喰い込む部分を設けてより滑らかに輪が移行できる様にしている物もある。
  • 図中右側、レールが交差している部分がクロシングテッサである。テッサブロックとして製造されるので、ここでは前後レールとの接続の為に振動と音が発生してしまう。一般的には、磨耗の抑える為に特別丈夫なマンガンの合金(マンガン鋼)で鋳造される。
  • また、近年では溶接技術の発達からレール同士を溶接して組立てる圧接クロシングを用いる事もある。この場合、レールを溶接するので理論的にはあらゆる形状のテッサ製作が可であり、リードレール側と溶接する事も可である。
    テッサ部分の基本レール側には、輪を案内するガイドレールが付けられている。輪は、この部分を擦りながら進行し、テッサ部で異線進入する事を防いでいる。
  • トングレールとクロシングに挟まれた部分がリードレールである。図では再現できていないが、分岐側はここでカーブをし、両方向の度を付ける。

改良形

 近年、高速運転と保守・故障リスクの軽減を的に、改良された分岐器が増えてきている。
弾性ポイント/可動式ノーズ分岐器の定位方向開通 弾性ポイント/可動式ノーズ分岐器の反位方向開通
これは先述のものを基本に、以下2点の改良が施されている。

  • トングレールとリードレールを一体化したもので、開閉はレールの弾性を利用しているため、弾性ポイント(又はこれを改良分岐器という場合もある)と呼ばれている。改良分岐器の詳細は、実際にはタイプが分かれており、トングレールと基本レールとの関係にまで深く関わるものである。レールの接点部分は強度的にも弱い部分になるので、この部分をくして部品数の削減により故障に強く、継騒音も減るため、幅広く設置されている。
  • クロシングの隙間に可動式ノーと呼ばれる部品が取り付けられている分岐器もある。高速でクロシング通過する際に問題となる衝撃騒音する的で開発されたもので、新幹線はもちろん速度が速い在来線でも一部で使用されているが、高速鉄道眼を置いた装置なので普通鉄道に敷設しても効果が薄いだけでなく、保守の手間や転換不良等の障害を引き起こす可性が増すので一般的には設置されないのがほとんどである。

転轍器

 転轍器とは、分岐器の可動部(トングレールや可動式ノーズ)を切り替える装置のことである。

 現在最も一般的なのは、モーターで駆動する電気転轍器である。動作速度は3~5ほど。所や信号所から遠隔操作・一括管理が可であり、信号と連動して電気的に鎖錠できる点も優れている。

 操場ではエアーを用いて切り替える物も存在した。これは、電気式では転換に時間が掛かるので、方向を定めて貨車を大量に捌く操場では不適とされた為である。

 他には、1mほどもある大きなレバーを倒して切り替える手動の矢羽式やダルマ式、バネで常に一方に開いた状態を保つスプリングなどがある。

特殊分岐器

 片開きの分岐器以外のものを特殊分岐器として区別している。特殊分岐器には以下のようなものがある。

 これら特殊分岐器以外にも線形や配線によって振分分岐器、曲線分岐器(振分分岐器に含むこともある)等のクロッングのの左右比違うものによって作られる片開き分岐器が存在する。

次世代分岐器

 JR東日本メインとなって開発されたのが、次世代分岐器である。これは、木を製の床合成マクラギをグリット(梯子)状にして軌変位を極力少なくし、転換に用いるモーターを新の小の物に変更。またベアリングを使用することによりメンテナンスを省力化することを的として開発されたものである。

 しかし、次世代分岐器のとしてはグリット木とベアリングを使用する事を差すのでJRで採用されている分岐器だけが広義で次世代分岐器とはいえない。

 また、分岐器における合成マクラギ化(グラスファイバーと発泡ウレタンによって作られる木)やオイルレスベアリングの採用は一般に設置された分岐器でも積極的に行われており省力化がされている。

 

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最終更新:2024/12/22(日) 18:00

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