ニート 単語

※誹謗中傷な書き込み・発言は絶対に慎しみましょう。 世の中には法的理由・身体的理由・経済的理由・社会的理由・精神的理由・その他の理由 により 就学・就職をしたくてもできない人がいることを絶対に忘れないように。

ニート(NEET)とは「15〜34歳までの若年無業者」を指す。35歳以上は単に無職と呼ばれる。大本はイギリス発祥の言葉(定義の項目で追記)。

現代日本では、一般的には、働いていない人全般を指す事が多く、ニコ動や2chでは、さらに「働く意思がない(ように見える)人」を指す意味でも使われる事が多い。また、そういう状態のキャラクターをさして使われることもある。

概要

ニートは新語に属し、1999年にイギリスで誕生した言葉である。日本でもマスコミや雑誌で取り上げられ急速に日本語として普及した。

当初は単に「無職の人たち」程度の使われ方であったが

• 働く意思のない人たち
• 働ける環境にあるが、働かない人たち
• 積極的に労働を拒否する人たち

という意味合いが徐々に強まり、現在ではあまり好意的に使われてはいない。

このような認知が広がった経緯は、2004年にあったニュース番組『とくダネ！』のインタビューの「働いたら負けかなと思ってる」という発言により加速したと思われる(詳しくは該当記事を参照）。
元々日本社会には無職者や、親 の財産をあてに生きる人達に対する視線が冷ややかな事が根付いており、さらに今ほどインターネットが普及していなかったため、マイナスイメージなレッテルを強く貼られるようになっていった。

だが、当然ながら無職であることと「働く意志がない」事は全く別問題であり、就職氷河期や発達障害といった外的・先天的要因も絡んでくる。無職でも「働きたくても 働くことができない人」も含む(むしろ多数派だと思われる)ので、不用意に用いれば不当な誹謗中傷となるおそれのある言葉である。

ちなみに”遊びたいから働いていない”というような人たちは、ニートという単語が普及する以前は”プーターロー（プー太郎）”や”フーテン”などと呼ばれていた。

ニートの定義

本来のニート（NEET）の定義

Not in Education, Employment or Training
（教育を受けておらず、雇用されておらず、職業訓練も受けていない者）

「若年無業者」という意味。上記がイギリスにおける本来のNEETの定義であり、主に16歳～18歳の非常に範囲が狭い若者に対して使われる言葉である。現在ではほぼ死語となっている。なお自営業者（個人事業主）は、自身の会社、店舗、 農場（個人事業）に雇用されていると考えられるため、当然NEETには該当しない。

一方、以下の定義は日本政府が作った定義である。複数の定義が存在する。

内閣府のニートの定義 （「若年無業者に関する調査報告（中間報告）」より）

以下の条件を全て満たす若年無業者のうち

• 高校や大学などの学校及び予備校・専修学校などに通学していない
• 配偶者のいない独身者
• 普段収入を伴う仕事をしていない15 歳以上34 歳以下の個人

さらに以下の条件を満たす者

• 就業希望は表明していながら求職活動は行っていない（非求職型の無業者）、または、就職希望を表明していない(非希望型の無業者)

※ 就業希望を表明し、かつ求職活動を行っている者（求職型の無業者）は含まない。

厚生労働省のニートの定義（「よくあるご質問について」より）

Q.ニートの数はどのくらいですか。また、ニートの定義は何ですか。
A.ニートの数は、平成21年は約63万人で、総務省が行っている労働力調査における、15～34歳で、非労働力人口のうち 家事も通学もしていない方を、いわゆるニートとして定義しています。

総務省統計局のニートの説明 （「統計FAQ」より）

16A-Q10　ニートの人数を知りたい
　総務省統計局が毎月実施している労働力調査により、いわゆる「ニート」に近い概念として、若年無業者の人 数を調べることができます。
* 若年無業者の定義　：　年齢15歳～34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者

その他の定義「ニートの状態にある若年者の実 態及び支援策に関する調査研究報告書」

他にもマスコミなどが使用する場合、蔑称として使用される場合など異なる意味合いで用いられることが多々あり、必ずしも上記の定義とは一致しない。

若年無業者と呼ばれる通り、正式には若年限定の言葉であり35歳を超 えると単に無職となりニートの定義からは外れる。
実際2014年に、政府が「ニートを3万人減らすことに成功した」と発表したが、実際は「34歳のニートが35歳になり集計対象から外れただけ」というものであり、大きくパッシングを 受けた。

２ちゃんねるやニコニコ動画における「ニート」キャラ

以下の人物達は、ニコ動や2chなどで「ニート」と(ネタで)呼ばれることがある

• 孫悟空（ドラゴンボール）
  修行に明け暮れるばかりなので働くよう妻のチチに促されていた。『ドラゴンボール超』では畑仕事をしていることが判明。また、天下一武闘会をはじめとする格闘大会の賞金が収入になっているという説もある。
• ベジータ（ドラゴンボール）
  特に定職につかず、ふらついていることが描写されてるため。そもそも妻のブルマが超お金持ちなので働かなくても不自由ない生活を送っている。
• 緋村剣心（るろうに剣心）
  作中で左之助・弥彦と共に無収入を責められるシーンがある。が、剣心は家事を手伝っており、ニートはどちらかというと左之助の方。なのに剣心のイメージが強いのは大体コラ画像のせい。「働きたくないでござる！」の記事を詳しくは参照。
• 蓬莱山輝夜（東方）
  姫、隠れ住んでいて外にでなかった、などの設定にニートという二次のキャラ付けが流行ったため。
• 長谷川泰三（マダオ）（銀魂）
  公式に無職キャラだから。就職活動が毎回失敗しているものの、ニートはすなわち「就活しない無職」なので該当しないし、そもそも若者でも無い。
• ジャミル・ニート（ガンダムX）
  名前のせいでイジられるが、綴りは「Neate」で海外では実在する姓である。作中ではバルチャーというジャンク屋的な職業に就いているし、本編終了後は軍人に復帰している。

他にも、戦場や職場でそのキャラが棒立ちになっていたり、何の成果もあげてなかったりするとそのシーンにおいてそう呼ばれることもある。ただし、あくまでネタである。ニートという呼び名は蔑称を含むことが多いため、使うときは注意 しよう。

ニートに対する是非について

「働かざるもの食うべからず」及び「自己責任論」の風潮が強い日本では、無職であるニートへの風当たりは強い。だが、失業率が高く、新卒カード問題やブラック企業問題も頻出してる現状では、ニート＝怠惰と断定するのは早急と言わ ざるをえない。そもそも失業者＝怠惰という理解は浅すぎる。

特にブラック企業の存在は大きく「働いても地獄、働かなくても地獄」という環境で心身を壊してニートに至るものは少なくない。ハローワークでも業務内容詐欺 や給与詐欺なども珍しくはなく、まともな会社を探すのも一苦労である（そこに就職するのはさらに一苦労）。労基仕事しろ。

他にも、発達障害、精神障害などで、「働こうにも最初のハードルが高い」場合や、働こうと医師と相談したはいいものの、「診断された内容で働ける場所が住んでいる地域に少ない」場合もある。こういった場合も、前者の場合は、焦ら ずに医師や家族と相談して、就労支援なども使い、少しづつ一歩を踏み出せればいい。後者は難しく、単純に一人暮らしができればいいのだが、そのために必要な資金や、そもそも「身の回りのことすら満足にできない」人間の場合は、家族 などの支援が必要なため、さらに困難になるだろう。両者当てはまる場合の厳しさはもはや言うまでもない。

「望んでニートになってるものは少ない」という前提に立てば、個人ではなく社会問題としてのニート問題……「若 年層の失業問題」が浮き上がってくる。もしニート問題に踏み込むならば、一言に、ニート＝怠惰・迷惑。解決策＝根性論・やる気論、という浅い議論にならないよう、経済・教育 ・就労・法規の社会情勢やシステムを理解したうえでの議論が必要になるだろう。
失業や無職は、誰にとっても他人事ではなく、訪れるときは誰にでも突然訪れるものなのだから

もしそれでも、ニートに対して、自己責任だ努力だと聞き分けのない人が出没したなら、

どんなに他人に非があってもお前は100％自分のせいにするんだね。ご立派だね。せいぜい励むといいよ

とでも言い返せばいい。

ニート中傷の動機

• 「働かざる者は喰うべからず」の受け売り、もとい古い労働観による思考停止
• 社畜が自分を奮い立たせるための叩き台
• 単なるネットイナゴの餌
• 働かずに生きていけてることへの嫉妬を抑えきれなかったが故の暴走
• 社会に掬い上げてもらおうとした一部のニートによる同族叩き

脱ニートを目指すなら

上で書かれた通り、ニートはそれ単品では(一部からの風当たりは強いが)悪ではない。しかも失業者や無職と大して変わらない。第一、心も体も健康ならばその後の選択は自由であるし、同居人が迷惑してないな ら、自立や就職を急かすのは余計なお世話なのだ。そしてフリーターであっても何かしらの職についたりすれば、定義の上では脱することは出来る。
また今の時代ならば（普通のサラリーマンでいうところの）副職に取り組むこ とも、その過程で手に職をつけ自立することも決して不可能ではない。

勿論それが一生の解決策にはならない。だが無職だとその都合上、お金に困る事が多いため、自然と引きこもりになりがちで(外出は金がかかる）、結果的にコミュニケーション経験や、人脈の構築、想像力、仕事勘が衰えがちである（本人やその 周りが困ってないならこの忠告もまた余計なお世話なのだが）。
世間や家族は悩みを理解も共感もしてもくれず、味方にもなってくれないかもしれない。それどころか心を折りにくるかもしれないが、それでも自分の味方をすることを 自分が放棄してはいけない。なにより味方が自分の周りにしかいないとは限らない。
自立を支援する機関は言うまでもないが、ネットにも理解者は少なくない。ネットには未だ偏見や誤用が残 るものの、有志のたゆまぬ探究心と周知のせいか、理解を示す者や書き込みも以前よりは多くなったからである。

• 資格などを取るのも良いが、名ばかりで役に立たないものもあるので要注意。（項目参照）
  • ハローワークなど、無料で資格取得のための職業訓練を行っている場合もある。
  • 障害を持っていると自覚していれば、就労継続支援や就労移行支援の事業所を利用するのも手である。
• ブラックバイト・ブラック企業などまともでない職場には要注意。（項目参照）
  • 楽で給料が高い仕事…といったうまい話はないものの、社畜となってしまっては本末転倒である。
  • サービス残業、パワハラ、シフト強制、ノルマの自腹買取、正当な理由のない罰金・減給、有給休暇を使わせない、辞めさせない、その他権利行使に対する妨害・報復、正当性や義務のない特殊条件の付与…これは全部違法であるので覚えておこう。（労働基準法違反自体が犯罪である）

千里の道も一歩から。出来る範囲からしていく、というのが解決の一手になるだろう。一歩ずつ進んでいこう。

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

「ニート」を語る掲示板の注意点

「働いたら負けかなと思ってる」の一言が世間の注目を浴びてからおよそ10年以上たったにも関わらず、未だニートという言葉を誤用し、どこかの誰かを傷つける常識人気取りは絶えない。というのも、このすぐ下にある「ニート」を語る掲示板も例外ではないからだ。

「ニートを語る」というだけあって、ニートへの理解はもちろん、仕事・努力・自己責任といったニートを苦しめる概念に対し疑念を抱いている者が集まっている。その一方で、性懲りもなくニート叩きを犯す者、言葉巧みにニートを わかりづらい形で追い詰める者もたまに出没する。なによりニートへの誹謗中傷がトレンドとしては古くなった・忘れられたということもあり得るので、日本社会全体がニートに寛容になったと考えるのも早計である。
一人のニートとして相談したいことや、ニートを取り巻く言論に疑問を投げかけたいという人は要注意。無理解な書き込みが目に入って精神的ダメージを食らってしまう恐れがある。

そのため、「ニート」を語る掲示板で今更ニートに無理解なバカなんているわけない・・・などと油断しないようにしていただきたい。