カタパルトとは、以下のものを指す。
ここでは1と2の両方について記述する。
カタパルトは様々な動力を使用し、テコの原理で石を加速させて飛ばす兵器である。少なくとも紀元前5世紀の中国では使用されていたとされ(もともと「砲」という字はこの手の投石器を指した)、主に攻城兵器として運用された。動力源としては以下のようなものがある。
カタパルトは初期の大砲と比較すると非常に安定した性能を発揮したため、大砲登場後もしばらくは運用が続けられたが、大砲が改良を重ねてより強力なものとなっていくにつれて戦場から姿を消した。・・・・・・が、戦線の膠着した第一次世界大戦において、フランス軍が手榴弾をドイツ軍陣地に投げ入れるのにカタパルトを使用した記録があったりする。
固定翼機が離陸する場合、普通は自力で滑走を行う必要がある。厳密に言えば必要な速度が出るまで自力で加速を行う。必要な速度(厳密には対気速度。当然機体の種類によって異なる)にまで達することが出来れば機体を浮かせるだけの揚力が機体に発生し、そこで初めて離陸出来る。つまり固定翼機が離陸するためには滑走するための場所、滑走路が必要になる。
しかし機体に外部から力を加えて一気に必要な速度まで加速してやれば、機体は「滑走」を省略してすぐに離陸させられるということになる。この外部から力を加えて加速を行う装置がカタパルトである。先にも書いたように対気速度が重要なので、カタパルトで発生させる速度で離陸に必要な対気速度に足りない場合は、必要に応じてカタパルトを風上に向ける、カタパルトを載せた船が全力疾走することによってカタパルトに設置された機体に対気速度を発生させる、といった措置が取られる。
カタパルト自体は当然場所を取るが、滑走路よりは桁違いに省スペースになるので、本来なら数百メートルの滑走路を必要とする現代のジェット戦闘機もたかだか3百数十メートルしかない航空母艦から発進させることが出来るのである。
空母用カタパルトを最初に空母に搭載して実用化したのはイギリス海軍であり、1938年に就役したアーク・ロイヤルに油圧式カタパルトが搭載された。その後、後継のイラストリアス級(1940年以降就役)にも油圧式カタパルトが搭載され、イギリス海軍機動部隊の中核を担った。第二次世界大戦が勃発すると、イギリスはアメリカに油圧式カタパルトの技術を提供し、これが多数のカタパルト搭載軽空母・護衛空母となり、大西洋における輸送船団護衛とUボート狩りに大きな効果を発揮することとなる。
アメリカ海軍は大戦前から空母用カタパルトの研究を進めていたが実用化はならず、イギリスから油圧式カタパルト技術を提供されたのち、1942年以降就役のエセックス級から本格的に使用が始まった。日本海軍も空母用カタパルトの研究は行っていたが、実用化にまでは至らなかった。そのため、日本海軍の空母は発艦作業時に風上に向かって全力で航行する必要があり、速力も巡洋艦並の高速性が求められるなど、設計・運用の両面で制限があった。また、日本海軍の空母「翔鶴」は最も無防備となる発艦作業時にアメリカ海軍のガトー級潜水艦による雷撃を受け、4発もの命中弾を受けて戦没している。
第二次世界大戦が終わって艦載機がジェット化されるようになると、従来の油圧式のカタパルトでは重量の増加したジェット機を射出するのは難しくなっていた。イギリスのコリン・ミッチェルは油圧の代わりに蒸気を利用するカタパルトを開発、イギリス海軍の空母パーシューズに搭載されてテストされた蒸気カタパルトは非常に良好な結果を見せ、これに注目したアメリカ海軍はイギリスから蒸気カタパルトを購入したほかライセンス生産の権利も獲得し、改善を加えつつ自国の空母に導入していった。[1](フランスのシャルル・ド・ゴールの蒸気カタパルトは米国のものをライセンス生産している。[2])
比較的小型のUAVでも基本的にカタパルトとセットで運用することで滑走路構築の手間を省いている。
1のカタパルト。
2のカタパルト。右が電磁式カタパルトである。
掲示板
12 ななしのよっしん
2018/02/20(火) 15:00:43 ID: NN+f/l8v9X
13 ななしのよっしん
2018/05/15(火) 21:47:07 ID: q58QZ746qt
…つまり、グレネードランチャーも元を辿れば投石機だと
14 ななしのよっしん
2023/06/09(金) 05:29:52 ID: tJFTqiAMa6
・日本海軍が空母用カタパルトを実用化できなかった一因が「滑走車が必要だから」だけど、その原因は「航空機を直接引っ張るとタイヤとかの精度が悪くて加速の間直進を保てないため」らしい。自力滑走の場合は舵やブレーキで直進を保てるが、距離が短いカタパルトだとそうはいかなかったようだ
・九八式投擲機の開発時、人力式の回転タイプが試作されたそうだから、そのあたりまでは1)の意味のカタパルトはまだ実用できるものとみられてたと思われる
あと、仏空母の蒸気カタパルトは「独V1用カタパルトを元にフランスが改良したもの」だとものの本で読んだんだが。こういっちゃなんだけど兵頭さんって主題と異なる部分では間違ってること書いたりするから微妙に信頼できん…
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最終更新:2024/12/23(月) 00:00
最終更新:2024/12/23(月) 00:00
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