カタパルト 単語

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カタパルト

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カタパルトとは、以下のものをす。

  1. 石を飛ばして敵を攻撃する兵器の攻撃に用いられたため、攻兵器の一種と見なされることが多い。
  2. 固定機を滑走させずに離陸させる装置。

ここでは1と2の両方について記述する。

1の概要

 カタパルトは様々な動力を使用し、テコの原理で石を加速させて飛ばす兵器である。少なくとも紀元前5世紀の中国では使用されていたとされ(もともと「」という字はこの手の投石器をした)、に攻兵器として運用された。動力としては以下のようなものがある。

  • 人力
     もっとも初期からある動源。乱暴に言ってしまえば、巨大天秤の片方に飛ばす石をセットし、もう片方に大量のひもをつけて大勢の人間で一斉に引張って飛ばす。人力であるがゆえに兵器としては構造は簡単だったが、同時に威力と射程が安定せず、また連発も難しいのが欠点だった。
  • 弾力
     動物の腱や髪の毛(!)など弾力のある物体をねじった時に発生する反発力を利用する方式。装置を型にすることが能のため、移動能なカタパルトなどはこの方式であった。
  • おもりの位置エネルギー
     人力の発展版と言える。大人数で引張るのではなく、おもり(石など)を詰め込んだ籠天秤の片側吊り下げた方式。おもりを持ち上げる時だけ人力を使う。おもりの重さを変えることで威力と飛距離の調整が能で、またその安定性も高かった。しかし装置としては型にならざるを得ず、固定式の城兵器として運用された。西洋ではトルバシェット、中国では襄砲もしくは回砲(ふいふいほう。回回はイスラム教徒の意味)と呼んだ。

 カタパルトは初期の大砲較すると非常に安定した性を発揮したため、大砲登場後もしばらくは運用が続けられたが、大砲が改良を重ねてより強力なものとなっていくにつれて戦場から姿を消した。・・・・・・が、戦線の着した第一次世界大戦において、フランス軍が手榴弾ドイツ軍地に投げ入れるのにカタパルトを使用した記録があったりする。

2の概要

固定機が離陸する場合、普通は自力で滑走を行う必要がある。厳密に言えば必要な速度が出るまで自力で加速を行う。必要な速度(厳密には対気速度。当然機体の種類によって異なる)にまで達することが出来れば機体を浮かせるだけの揚力が機体に発生し、そこで初めて離陸出来る。つまり固定機が離陸するためには滑走するための場所、滑走路が必要になる。

しかし機体に外部から力を加えて一気に必要な速度まで加速してやれば、機体は「滑走」を省略してすぐに離陸させられるということになる。この外部から力を加えて加速を行う装置がカタパルトである。先にも書いたように対気速度が重要なので、カタパルトで発生させる速度で離陸に必要な対気速度に足りない場合は、必要に応じてカタパルトを上に向ける、カタパルトを載せたが全力疾走することによってカタパルトに設置された機体に対気速度を発生させる、といった措置が取られる。

カタパルト自体は当然場所を取るが、滑走路よりは桁違いに省スペースになるので、本来なら数メートルの滑走路を必要とする現代のジェット戦闘機もたかだか3数十メートルしかない航空母艦から発進させることが出来るのである。

空母用カタパルトを最初に空母に搭載して実用化したのはイギリス海軍であり、1938年に就役したアーク・ロイヤル油圧式カタパルトが搭載された。その後、後継のイラストリアス級(1940年以降就役)にも油圧式カタパルトが搭載され、イギリス海軍機動部隊の中核を担った。第二次世界大戦が勃発すると、イギリスアメリカ油圧式カタパルトの技術を提供し、これが多数のカタパルト搭載軽空母・護衛空母となり、大西洋における輸送団護衛とUボート狩りに大きな効果を発揮することとなる。

アメリカ海軍は大戦前から空母用カタパルトの研究を進めていたが実用化はならず、イギリスから油圧式カタパルト技術を提供されたのち、1942年以降就役のエセックス級から本格的に使用が始まった。日本海軍空母用カタパルトの研究は行っていたが、実用化にまでは至らなかった。そのため、日本海軍空母は発艦作業時に上に向かって全力で航行する必要があり、速力も巡洋艦並の高速性がめられるなど、設計・運用の両面で制限があった。また、日本海軍空母翔鶴」は最も防備となる発艦作業時にアメリカ海軍ガトー級潜水艦による雷撃を受け、4発もの命中弾を受けて戦している。

第二次世界大戦が終わって艦載機ジェット化されるようになると、従来の油圧式のカタパルトでは重量の増加したジェット機を射出するのは難しくなっていた。イギリスのコリン・ミッチェルは油圧の代わりに蒸気を利用するカタパルトを開発イギリス海軍空母パーシューズに搭載されてテストされた蒸気カタパルトは非常に良好な結果を見せ、これに注したアメリカ海軍イギリスから蒸気カタパルトを購入したほかライセンス生産の権利も獲得し、改善を加えつつ自空母に導入していった。[1]フランスシャルル・ド・ゴールの蒸気カタパルトは米国のものをライセンス生産している。[2]

較的小UAVでも基本的にカタパルトとセットで運用することで滑走路構築の手間を省いている。

関連動画

1のカタパルト。

2のカタパルト。右が電磁式カタパルトである。

関連項目

脚注

  1. *「大図解 世界空母坂本グリーンアロー出版社 1993 pp.44-47
  2. *ペロシ訪台で空母建造に弾みつける中国、最大の弱点もここにありexit_niconews 2022.8.9
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