KOF MAXIMUM IMPACT(KOFマキシマムインパクト)とは、SNKプレイモア(現:SNK)から発売された対戦型格闘ゲームシリーズである。
概要
『THE KING OF FIGHTERS(KOF)』シリーズの外伝的作品。2Dのテイストを残した3D格闘ゲームである。タイトルの表記は本編の略称であるKOFが正式となっている。
アーケード作品『REGULATION "A"』以外は基本チーム戦ではなく一対一なので、特に『2』では各人のストーリーに力が入れられている。また戦闘前の登場演出は臨場感に溢れ掛け合いもパターンが多く、キャラ愛にもネタにも溢れている。
3Dということで2Pカラーとして別のモデルが用意されているのだが中には誰だか判らないようなものもある。隠しカラーともなると他のSNKキャラのコスプレや節操のないパロディなど原形を留めていない。
KOF本編とは異なる進化を遂げた格闘ゲームとして一定の評価を受け、社運を賭けたとも言われる大々的なプロモーションを打たれたが、最終的には中途半端な形でシリーズを打ち切られる結果となった。
およそ10年後に発売されたKOF本編『THE KING OF FIGHTERS XIV』では、システムは2Dのままグラフィックが3Dへと移行(所謂2.5D化)している。
シリーズ作品
ストーリー
他のSNK格ゲーのパラレルワールドであるKOFのさらにパラレルワールドで、2DKOF世界との大きな違いとしてギース・ハワードが死亡していることが挙げられる。ギース亡き後のサウスタウンを舞台に、貧困層の人々を守るギャング達と犯罪組織の抗争を軸にストーリーが展開する。
基本設定には『餓狼伝説』シリーズ(特に初代)を思わせる部分が多い。
『2』では主人公が宇宙人にルーツを持つことが示唆されて妙な方向に飛躍してしまい、三部作を締めくくるはずの『3』が発売中止になり投げっぱなしになってしまった。広報担当がパラレルワールドである本作を以て「餓狼伝説の補完を行いたい」と放言し、ファンからの顰蹙を買ったこともある。
ゲーム性
2DKOFを基にしたスピーディで多彩なジャンプに加え、3D格ゲーの軸移動に当たるサイドステップが存在する。壁バウンドがあるため壁コンボが強力。コンボの補正がかなり大きい。
大きな特徴として『鉄拳』シリーズのような順押しコンボ「スタイリッシュアート」がある。2DKOFの通常技キャンセル特殊技のように必殺技に繋ぐことが可能で、ダウンした相手にはさらに追撃が入る。初代では中下段の揺さぶりが強力すぎて一方的な展開になりがちだったが、『2』以降は対策として打撃攻撃を返す「さばき」が追加され、いくらかバランスが改善された。
3Dグラフィックで2DKOFと遜色ない軽快な動きを表現したことは評価されたが、カメラワークなどの3D表現の未熟さ故か超必殺技の演出にSNK格闘らしい華やかさが足りないと訴える声も聞かれた。対戦の駆け引きではサイドステップとさばきが中心となり、従来のKOFプレイヤーにとって取っつきやすくは無く、アーケード化で新規のプレイヤーを取り込むことにも結果的には成功しなかった。
登場キャラクター
本シリーズオリジナル
初代から登場
- アルバ・メイラ
- 主人公。幼い頃に弟と共に孤児院を脱走し、サウスタウンのギャングだったフェイトに拾われる。フェイトが何者かに暗殺されて以降はギャング団「サンズ・オブ・フェイト」のキングとなった。見た目は西洋人っぽいが、中国拳法使いで技名は全て漢字。外伝ではあるがKOFの主人公としては初めて炎を使わないファイターである。オーソドックスかつ技の種類が揃ったオールラウンダー。
- ソワレ・メイラ
- アルバの双子の弟。陽気なお調子者だが、兄を誰よりも尊敬している。カポエイラを自己流にアレンジしたシューティングカポエラを使う。種類が豊富なSAとコンボに組み込みやすい超必殺技を持つ近距離タイプ。
- ミニョン・ベアール
- 天然ボケの魔法少女。白魔術と中国拳法を操り、麻宮アテナを一方的にライバル視している。初登場時はゲームの雰囲気から浮いた萌えキャラという印象だったが、『2』で正統派の魔術師の妹が登場したことでネタ方面にキャラが立った。波動昇龍タイプでバランスが良く、SAの最後にアピールをしてゲージを溜められる特徴がある。
- チェ・リム
- キム・カッファンの弟子であるテコンドー使い。性格も師匠に近い堅物の少女。キムと同様の必殺技に加えて構えからの派生技を持ち、より接近戦が強化されている。
- リアン・ネヴィル
- フェイトを殺した張本人である女暗殺者であり、デュークの部下かつ愛人。デュークもまた彼女の両親の仇である。変則的な技を駆使して択一攻撃を仕掛けるトリッキータイプ。
- デューク
- 初代の最終ボス。サウスタウンを支配するギャング「メフィストフェレス」のボスであり、首を一周する傷跡から「不死身の男」の異名を取る。『2』では上部組織の「アデス」によって生み出された改造人間であることが判明した。攻撃力が高く、防御判定のある技を多く持つパワータイプ。
『2』から登場
- ルイーゼ・マイリンク
- ヒロイン兼中ボス。蝶のような衣装に身を包んだ美女。メイラ兄弟と祖を同じくする異星人の転生体らしい。豊富なフェイントや専用動作の空中ダッシュによりガードを崩す能力が高い。
- ナガセ(流星)
- 秘密組織「アデス」によって生み出された改造人間。眼鏡をかけたアキバ系くノ一。必殺技は『サムライスピリッツ』シリーズの服部半蔵がベースになっており、トリッキーな移動技や高性能な投げ技を持つが、通常技に癖があり投げ以外の崩し能力が乏しい。
- 二ノン・ベアール
- ミニョンの妹。黒魔術と中国拳法を操る。姉とは違って天才肌であり、天然ボケの姉をいじって遊んでいるが姉妹仲が悪いわけでもない。『2』では性能も姉より上だったが、『A』では全体的に弱体化してしまった。
- ハイエナ
- サブキャラクターとしては初代から登場。「メフィストフェレス」の構成員でデュークの腰巾着だったが、デュークが敗れ組織が崩壊したことで転落。己の腕力でのし上がるために再起する。奇襲的な技を多く持つが超必殺技が使いづらくコンボ火力が低い。通常技の性能は良いため、ゲージを温存して戦うチーム戦の先鋒が適役と言える。
- アーマーラルフ
- 裏性能ラルフ。仰け反らない、ガード出来ない。ゲームバランスを度外視した強さのため続編では削除された。
- 二代目Mr.KARATE
- 裏性能リョウ。『餓狼MOW』時代のリョウ・サカザキ(49歳)という設定。
- ジヴァートマ
- 『2』の最終ボス。「アデス」の下部組織である「クシエル」のボスであり、ゴキブリをモチーフにした技を持つ怪人。『A』では打撃投げの蓮華を何度も決める永久連続技を持ち、永久を封印しても上位に食い込む程の性能を持つ最強キャラと化した。
『REGULATION "A"』から登場
- 笑龍(シャオロン)
- 本編に登場する堕龍(デュオロン)の異母妹。妾腹であるために他の兄弟に虐められ、唯一優しくしてくれたデュオロンを慕っている。3種類の構えを切り替えることで幅広い戦術が取れるが、ただでさえ本編より技が多い上に3on3の『A』において他のキャラに輪をかけて覚えることが多く、防御力も全キャラ最低のためかなりの上級者向けである。
2DKOFのオリジナルキャラクター
初代から登場
『2』から登場
『REGULATION "A"』から登場
2DKOF未参戦(当時)の客演キャラクター
初代から登場
- ロック・ハワード(『餓狼 MARK OF THE WOLVES』)
- 2DKOFに参戦していないのは『餓狼MOW』発売当時の餓狼チームの要望による。…と言われていたが、後に元・餓狼チームのスタッフがSNKに復帰したことで「一回飛ばして欲しいと言っただけでその後も出すなとは言っていない」ことが判明、2016年の「KOFXIV」にDLCで登場した。
『2』から登場
- ナイトメア・ギース(『リアルバウト餓狼伝説スペシャル』)
- 設定上故人であるためこの扱い。『REGULATION "A"』ではボス扱いだが出典作のようなボス性能ではない。
- リチャード・マイヤ(『餓狼伝説』シリーズ)
- プレイアブルとしては初代『餓狼伝説』以来の登場。
- リリィ・カーン(『餓狼伝説』シリーズ)
- 出典作ではサブキャラクター。ビリー・カーンの妹。
- 服部半蔵(『サムライスピリッツ』シリーズ)
- ナガセのコンパチ、もとい元ネタ。
- フィオ・ジェルミ(『メタルスラッグ』シリーズ)
- 格闘ゲーム初出演。多彩な飛び道具による遠距離戦を得意とし、待ち性能の高さから『2』のネット対戦ではアーマーラルフと並んで敬遠された。
- ワイルドウルフ(『餓狼 MARK OF THE WOLVES』)
- 裏性能テリー。初代ではテリーの2Pモデルでこの姿になりボイスが『餓狼MOW』仕様になった。
KOF2003及びXIのテリーは「イメチェンをした若いテリー」だがこちらは「『餓狼MOW』時代のテリー」である。
『REGULATION "A"』から登場
- 溝口誠(『ファイターズヒストリー』シリーズ)
- 隠しボス。現版権元(ジー・モード)とのクロスライセンス契約による。
一方のジー・モードは携帯アプリ『餓狼伝説VS.ファイターズヒストリーダイナマイト』を制作している。
2DKOFにも参戦している客演キャラクター
初代から登場
- テリー・ボガード(『餓狼伝説』シリーズ)
- 不知火舞(『餓狼伝説』シリーズ)
- 麻宮アテナ(『サイコソルジャー』)
- リョウ・サカザキ(『龍虎の拳』シリーズ)
- ユリ・サカザキ(『龍虎の拳』シリーズ)
- ラルフ・ジョーンズ(『怒』シリーズ)
- クラーク・スティル(『怒』シリーズ)
『2』から登場
『REGULATION "A"』から登場
関連動画
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関連項目
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