棍棒とは、殴打用の武器である。クラブとも呼ばれる。
この項目では、他の打撃系武器についても簡単にまとめる。
概要
ただの拳よりも石を握りこんだ拳の方が重量がある分威力が出る、正面から叩きつけるよりも振り回した方が威力が出る、では重量のある道具を振り回して相手に叩きつけたら…? そんな形で誕生した、ナイフ(石器)よりもさらに古い、武器の中でも最古の部類に入る武器。
あらゆる『殴る』武器のご先祖様と言えるメジャーな武器である。
人が持つのに適した長さと太さを併せ持っているのが棍棒の条件で、明確な区分などは基本的にはないものと考えて問題ない。
武器としては調達が容易なため、身の安全を図るためそのあたりに転がっているガラクタや木材などを間に合わせの棍棒とする機会もあるだろう。
原始的で野蛮な武器という印象があるが、権力の象徴として飾りをつけたもの、使いやすく殺傷力を上げるため加工したもの(後述)なども多数存在する。
オーストラリアのアボリジニの武器であり飛び道具として有名なブーメランも、元々は投げ棍棒と呼ばれる武器である。
元々の材質は骨や木など素材を簡単に加工したものやそのまま使ったものだが、後に金属を使ったものやカーボン、炭素繊維強化プラスチック、硬質のゴムなどを使ったものも生まれた。
素材をそのまま使った武器はどうしても耐久力に難があるので、複数回使うことを前提とする場合はこういった加工品の方が使いやすいだろう。
殺傷力を上げるために加工を行ったものが多い反面、刃がついていない分手加減をしやすい武器ということもあり警察機関の武器として使われることも多い。
刃物を受け止めやすい構造になっている十手、持ち運びやすい構造で交通整理などにも使われる警棒も棍棒の一種と言える。
フィクションにおいて
日本人にはお馴染みのドラクエにはひのきの棒、こんぼう(こちらは皆勤賞)がほとんどの作品に登場している。
その他、ウィザードリィシリーズを始めとした海外出身のRPGではフレイルやメイスは刃物を持つことを禁じられている僧侶の武器というイメージが強いが、大量出血はしにくいものの内側から破壊するメイスやフレイルは並の剣よりも強力なので神聖な武器と言っていいのか複雑なところである。(使い手が戦闘向きではないということでゲーム中での威力は低いことが多いが)
その他、多数の作品に登場するがメジャーな武器ということもありあまりにも数が多いので省略。
派生武器
棍棒は原始的な構造の武器ということもあり、洗練されておらず殺傷力の面でも劣ることが多い。
だが、構造がわかりやすい分その特性を強化し、洗練して扱いやすくした武器も多数存在する。
以下、主な派生武器について。(大百科に記事がある武器は省略)
- メイス
- 柄の先に重い頭部をつけた武器。相手がプレートメイルなどで外側からの斬撃を防ぐことは出来ても内部に衝撃を与えることでダメージを与えることが出来るということで、戦場では重宝した。
- フレイル
- 連接棍棒とも呼ばれる、脱穀に使っていた唐棹という農具から生まれた武器。武器の柔軟性から生まれるしなりを利用して生み出されるメイス以上の威力が魅力で、後に金属やスパイクによる補強も行われた。
- 棒
- 中国では『棍』とも呼ばれる、打撃部分(相手に接触するであろう部位)が存在しない、直線棒状の武器。6尺棒よりも短いものは『杖』と呼ばれる。剣術や槍術と共通の技法が多いということもあり、数多くの流派が存在する。
- 金砕棒
- 鬼の持っている『金棒』の元になっているとされる日本で南北朝時代に生まれた武器。栗や樫などの堅い木を1.5m位の八角棒に整形し、それに鋲などを埋め込んで殺傷力を高めている。鎧の上からでも有効打が見込める威力が売りだがかなりの重量があるため扱いは難しかったとされている。
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関連項目
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