このほか、以下のことを表す。
- かつて主にゲームソフトを作っていた日本の『株式会社ハドソン』(Hudson Soft Company, Limited)。
- カナダにある湾。ハドソン湾。
- アメリカ合衆国にある川。ハドソン川。
- ジョジョの奇妙な冒険の登場人物であるジョナサン・ジョースター、ディオ・ブランドーが通っていた大学。
- 蒸気機関車の車軸配置。アメリカ式ではハドソン、日本国鉄式では2C2と表記。1.の社名の由来でもある。
本記事は1.について説明する。
概要
かつて本社は北海道札幌市にあった(その後の本社は東京都港区にあった)。
ボンバーマンや桃太郎伝説、高橋名人などがあまりにも有名であるが、8ビットパソコンの時代には、ビジネスソフトや開発ツールなんかも作っていた。その頃のBASICで作られたプログラムには、決まって「0 REM HUDSON SOFT ミソラーメン グループ」という見出しが付いていた。
そのほか、PCエンジン用グラフィックチップを開発するなど、ハードウェアにも強い企業だった。
シャープ、任天堂、NECとの関わりが強かった。
歴史
1973年に札幌市豊平区平岸でアマチュア無線ショップを開業したのが始まり。
その後、創業者がアメリカへ視察旅行をした際にパソコン(マイコン)を発見。1975年にハードウェアの販売、1978年に北大に在学していた学生を集めてマイコンソフトの開発を開始した。当初は店頭売りのみであったが、通販を開始する雑誌広告を出すや、連日現金書留の山が店に届いたという。
カセットテープから異なるBASICを読み込んで使うことの出来たシャープのマイコンMZ-80シリーズ向けに自社製BASIC(Hu-BASIC)を開発し、これも人気を博した。その後、同じシャープのテレビ事業部が独自でマイコンX1を開発すると、ハドソンのHu-BASICを標準で採用した。この流れでシャープとの間でコネが生まれ、シャープが任天堂からファミリーベーシックの開発を請け負った際、その紹介でBASICの開発を請け負うこととなった。
この時の経験でファミリーコンピュータの開発環境を整えたハドソンは、サードパーティとしての参入を考えるようになる。そして、ファミコン初のサードパーティとなった。参入第一弾のソフト「ロードランナー」は100万本を超える大ヒットを記録した。
さらに、コロコロコミックと協力して行ったゲーム大会「ゲームキャラバン」がハドソン宣伝部の高橋名人とともに一大ブームを巻き起こし、ファミコンバブルを後押しすることとなる。ゲームキャラバンにて「ゲームは一日一時間」という標語を作り、ファミコンの社会的イメージの向上に大きく寄与した。
シャープとの関係は深く、シャープのパーソナルワークステーションX68000ではBIOSからOS(Human 68k)からソフトウェアの大半を開発している。
ハードの研究にも余念がなく、強力なグラフィックチップを独自で開発した。自社ハードの開発を目指したものの、ビジネスパートナーとの交渉が上手く行かず、一時は暗礁に乗り上げていた。その折、CD-ROMを搭載したエンターテインメントマシンの開発を目指していたNECが噂を聞きつけ、交渉が始まった。グラフィックチップの性能に惚れ込んだNECとの契約がまとまり、PCエンジンの開発が始まった。ハード開発はNEC(NECホームエレクトロニクス)が、サードの勧誘はハドソンが行うこととなり、1987年10月30日に発売された。
さらに、1988年12月4日に世界初の家庭用ゲーム機対応CD-ROMシステムであるCD-ROM2を発売する。フルセットでは8万円近くするPCエンジンCD-ROM2であったが、1989年12月21日に発売されたイースI・IIが牽引役となり、順調に販売台数を伸ばした。
その3年後にメモリを増強したSUPER CD-ROM2が登場する。翌1992年3月26日にキラーソフトとして天外魔境IIが発売され、PCエンジンを代表する作品となった。
ハドソンが魔神英雄伝ワタルのスポンサーをしていた関係などもあり、レッドカンパニー(広井王子)との関係も生まれた。イースI・IIでは青二プロダクションから送ってもらったボイスサンプルからキャストを選んでいたが、レッドの協力により複数のプロダクションから豪華声優陣をキャスティングするノウハウが作られた。
PCエンジン発売後もファミリーコンピュータやゲームボーイ、スーパーファミコンへのソフト供給を続けたものの、あくまでメインはPCエンジンだった。だが、1993年を境に軸足をスーパーファミコンに移していくことになる。だが、このことが次世代機への移行を遅らせる原因ともなってしまった。「ボンバーマン」「桃太郎電鉄」といった定番ソフト以外になかなかヒットする作品は出ず、その存在感は薄れていってしまう。
さらにメインバンクであった北海道拓殖銀行の破綻による資金繰りの悪化により、かつてのライバルであったコナミの子会社として傘下入りすることとなった。
とはいえ、ハドソン名義で発売はしていないものの「マリオパーティ」シリーズは累計で900万本ほどの売上を誇るなどゲームメーカーとして健在ではあったものの、この開発チームが任天堂子会社であるエヌディーキューブに2008年にゴッソリ引き抜かれてしまい、もはや完全に抜け殻と化してしまった。そして、2012年3月1日に親会社であるコナミデジタルエンタテインメントがハドソンを吸収合併することが決定。これに伴い、企業としてのハドソンがゲーム業界から姿を消すことになった。
その後はコナミデジタルエンタテインメントが、ハドソンブランドおよびハチ助マークを承継、引き続きハドソンブランドでの製品を販売することを発表した。リリースはこちらから。
だが、ハドソンがブランド化されてからも新たなゲーム等も発売されずに2013年末にハドソンブランドが自然消滅。
公式ホームページもコナミデジタルエンタテインメントのページにリダイレクトされるようになってしまいハドソンブランドもわずか2年で幕を下ろした。
それからしばらくもハドソンの流れを汲むゲームは制作すらされなかったが、近年はボンバーマンRやぱにっくボンバーなどで旧ハドソンタイトルの復活を図っている。特にハドソンの看板の一つであった桃太郎シリーズは一度はコナミとさくまあきらとの確執で袂を分かったものの、2019年には和解したのかコナミから桃太郎電鉄シリーズの新作が発表された。またボンバーガールは近年のアーケードで大爆発と言えるほどのヒットを飛ばしている。コナミの得意技である美少女化で発表当初は敬遠されたものの、ベースであるボンバーマンのシステムの完成度の高さと、コナミのいい意味でのノリの良さが合わさった良作と評価されている。ハドソン時代のリスペクトもしっかり織り交ぜている点は旧来のファンをも唸らせた。
また、近年80~90年代のレトロゲーム機の名作たちをまとめた「〇〇ミニ」というゲーム機シリーズが各メーカーから発売されているが、コナミデジタルエンタテインメントからPCエンジン miniが2020年3月に発売されることになった。50本以上のタイトル収録が発表されており、CD-ROM2も含まれる他、スーパーグラフィックス専用ソフトも収録されている。更にはPCエンジンの海外版であるターボグラフィックス作品も水増しで収録される(カトちゃんケンちゃんとガンヘッド以外は水増しと言われても反論出来ないが)。なおAmazon専売商品になっているので購入の際は注意。
主な作品
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
関連外部リンク
- ハドソン 公式サイト
- Yahoo!ファイナンス (株)ハドソン銘柄情報
- (株)ハドソン【4822】:銘柄情報 - Yahoo!ファイナンス
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=4822.J
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