エースコンバット7 スカイズ・アンノウン(ACE COMBAT 7 SKIES UNKNOWN)とは、バンダイナムコエンターテインメントが販売するフライトシューティングゲームである。
ナムコ時代より続く『エースコンバット』シリーズ20周年記念作品にして、ナンバリングタイトルとしては約12年ぶりとなる最新作である。
PlayStation4・XboxOne版は2019年1月17日、Steam版は同年2月1日にそれぞれ発売された。
概要
テーマとなるのは「空の革新」。
立体的に配置されたボリュームのある雲によって、自機の移動量やスピードを体感。着氷や落雷、乱気流などを起こす特性のある雲を配置して、戦略の鍵ともなる立体フィールドの空を実現している。太陽と大気が生み出す自然現象など、最新のグラフィック技術が生み出す現実感溢れる空を、従来のシリーズ同様360°自由に飛行できる。
ゲームに登場する戦闘機は、レーザー兵器など近未来レベルの特殊兵装を実装。戦闘機サイズから空中要塞サイズまで、様々な難敵との攻略性の高いバトルを実現した。
その一方、実在機はすべてライセンサーの許諾を得てコクピット内部の細部まで作りこみ、都市部は地理的条件や文化・歴史背景に合わせてリアリティーにこだわっている。
プレイできる機体は、A-10C Thunderbolt II・F/A-18F Super Hornet・Su-35S・Typhoonなど。
本作の脚本は、映画『この世界の片隅に』で日本アカデミー賞監督賞を受賞した、片渕須直氏が担当する。
氏がシリーズに携わるのは『エースコンバット5』以来実に19年ぶりであり、『第二次大陸戦争』が勃発した2019年のユージア大陸を舞台に、同作から約10年後の世界を描く。
また、SF要素が際立って多いためにファンからは『04』以降のシリーズとのつながりを疑問視されてきた『エースコンバット3 エレクトロスフィア』が、今作で正史に組み込まれることになっており、同作へのつながりを意識させる描写も垣間見える。
PlayStaion4版ではPS VR対応の専用コンテンツを実装し、首を振り視点を自由に動かすことで、より直感的な操作感覚で本物の戦闘機を操縦するような体験を味わうことができる。
ちなみに作品の初報は2015年、当初の発売予定は2017年だったが、2度の延期を経て、2019年にもつれ込むことになった。
キャンペーンモード
本作のメインモード。全20ミッション。シリーズ過去作と比較すると難易度は高め。
ストーリー
小惑星ユリシーズの落下後、大陸戦争、環太平洋戦争を経てようやく融和に向かうかと思われた世界は、再び緊張状態にあった。復興の基盤としてオーシア連邦とユージア諸国が共同で進めていた宇宙開発の利権をめぐり、エルジア王国とオーシアの関係が悪化していったのである。
2019年、エルジアはとうとうオーシア国内での無人機によるテロ、ならびに宇宙太陽光発電のために建造された軌道エレベーター占拠に踏み切り、同国へ宣戦布告。「第二次大陸戦争」が勃発する。
強大な軍事力を持つオーシアに対しては不利かと思われたエルジアだったが、無人機を駆使して戦闘を有利に進め、オーシアの勢力をまたたく間に大陸沿岸部まで追い詰める。また、エルジアが無人機による正確無比な攻撃で、民間人へ一切の被害を出さない「クリーンな戦争」を展開する一方、オーシアは誤爆を繰り返してしまい、国内の世論さえエルジアへ傾いていく。有人機の落日と無人機の台頭が、明確になりつつあった。
そんな中、オーシア国防空軍は、懲罰部隊を囮に用いた攻撃作戦の実施を決定する。
部隊の一員である主人公=プレイヤーは、正規部隊の攻撃を成功させるための「捨て石」として、戦火へと身を投じることとなる。
登場人物
- トリガー
主人公。作中ではとある事件を起こした重罪人として懲罰部隊行きとなる。ある意味シリーズ史上最もひどい扱いを受けている主人公かもしれない。詳細は個別記事を参照。 - ローザ・コゼット・ド・エルーゼ
エルジア王国の王女。『エースコンバット04』の時点では共和国だったエルジアだが、戦後に王政復古が行われ、彼女の父親が国王となった。もともとは平民に近い生まれらしい。
国民を「第二次大陸戦争」へと先導した中心人物で、誤爆を繰り返すオーシアを批判し、国際世論を味方につけていく。 - ミハイ・ア・シラージ
エルジア空軍「第68実験飛行隊」に所属する老パイロット。TACネーム「アルシャンジュ」、コールサインは「ソル1」。同隊員にはキング、オーシア軍からはミスターXと呼ばれる。多くの戦争を生き延び、数多のエースパイロットを葬ってきた歴戦の勇士。が、体が任務に耐えきれず悲鳴を上げ始めている様子も見られる。
彼の正式な本名は「ミハイ・ドゥミトル・マルガレータ・コルネリウ・レオポルド・ブランカ・カロル・イオン・イグナチウス・ラファエル・マリア・ニケタス・アルシャンジュ・シラージ(Mihaly Dumitru Margareta Corneliu Leopold Blanca Karol Aeon Ignatius Raphael Maria Niketas Archange Shilage)」。長すぎる。 - ドクター・シュローデル
EASA(エルジア航空宇宙局)所属のエンジニアで、エルジア軍の無人機開発に携わる。ちなみに『エースコンバット3』に登場するEASAは「政府宇宙管理機構」でありまったくの別物。 - エイブリル・ミード
オーシア国防空軍懲罰部隊のエンジニア。数多くの機体をレストアさせた、優れた技術の持ち主で、「スクラップ・クイーン」の異名を持つ。
オープニングでは幼い頃から祖父やその仲間とともに戦闘機に親しんできたことが語られており、かつて「最後の有人戦闘機」と呼ばれたF-104を彼らから引き継いで復活させ、自ら操縦する様子が描かれている。
F-104の離陸直前にエルジアが宣戦布告、数秒後に各地で無人機による攻撃が発生。しかしそれを知ることが出来なかった彼女は戦闘空域に突入してしまい、オーシア軍の戦闘機に撃墜されてしまう。どうにか生き残るも犯罪者として収監されることに。 - AWACSスカイキーパー
ミッション01~04、国際停戦監視軍フォートグレイス基地飛行隊のAWACS。真面目な性格で、ハーリング元大統領を尊敬している。
4ミッションだけであること、またのちのAWACSがクセありすぎる連中ばかりなので影が薄い。 - AWACSバンドッグ
ミッション05~10、第444航空基地(懲罰隊)のAWACS。スカイキーパーと打って変わってぶっきらぼうに空中管制を行う。囚人たちの賭けにしれっと参加したり私語をある程度黙認したりとこの立場を楽しんでいる(?)模様。通常の管制官の仕事に加え、囚人たちの「番犬」としての役目もあり、任務中の混乱に乗じて知りすぎた囚人を謀殺したりもしている。 - AWACSロングキャスター
ミッション11~最終ミッションとSPミッション、長距離戦略打撃群(ロングレンジ隊)のAWACS。真面目、ぶっきらぼうの後はムードメーカーで、食べ物に関するジョークを飛ばしつつ、食べ物をつまみながら空中管制を行う。
本作終盤のシリーズ屈指の混乱した状況でも的確な支援を行ってくれる優秀な管制官。 - ワイズマン
オーシア軍長距離戦略打撃群中隊長兼サイクロプス隊隊長。長距離戦略打撃群が本格的に始動する前からストーンヘンジの偵察を行ったりと極秘ミッションを行っていたが、その帰り道にトリガーに命を助けられる。
トリガーとカウントの異動後、サイクロプス隊に編入となったカウントを厳しく指導している。ストーンヘンジの作戦以来からトリガーと共にオーシアの2つ頭として評されるようになるが…。 - イェーガー
オーシア群長距離戦略打撃群ストライダー隊のパイロット。ロングレンジ隊の中では一番の年長者であり、ミッション16~最終ミッションではブリーフィングも担当する。
息子がいると語っているが、スタッフの公式インタビューの中でこの息子は『エースコンバット3』のエリックであることが示唆されている。つまり彼はトリガーの武勇伝を聞きながら育ったということに…。
マルチプレイモード
オンラインでプレイヤー同士の対戦が楽しめる。
ルールは『バトルロイヤル』と『チームデスマッチ』の二種類。過去作『インフィニティ』のような多種多様なルールはなく、シンプルな空戦で腕前を競い合うことになる。
VRモード
PS4版限定のモード。プレイにはPSVRが必須。
「本物のパイロット体験」をコンセプトにした、コクピット視点でのリアルな空戦が楽しめる。その没入感は本当に自分が雲の上にいると錯覚してしまう程のクオリティがある。なお、プレイヤーはIUN国際停戦監視軍の一員として活動中のメビウス1。
VRを所持しているならプレイの価値は十分あると言えるが、ボリュームが全3ミッションと少なめであることは注意。また、人によっては本編以上に3D酔いする可能性もあるため、まずはPSストアで無料配信されている体験版をDLするのがオススメ。
特典
コンシューマ機版の早期購入特典のひとつとして、過去作品がまるごと配信される。次世代機でのリマスターはおろか、ゲームアーカイヴスなどのサービスでの過去作配信などもほとんど行われてこなかったエースコンバットシリーズにおいては異例のことである。
PlayStation4版は『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー』(“移植”版であってリマスターはされてない)、XboxOne版は『エースコンバット6 解放への戦火』がそれぞれ付属する。
また、PlayStation版のみコレクターズエディションが存在し、特製のコレクターBOXやトリガーのエムブレムを模したワッペンのほか、『04』『5』『ZERO』『6』『7』の設定資料やイラスト、特別ゲストによるコラムや対談、そして片渕監督による書下ろし小説などが収められた冊子「ACES at WAR a history 2019」が付属する。
ダウンロードコンテンツ
本作発売以降に配信がされる有料のDLC。追加機体3種と、新規ストーリーが描かれる3つのミッションを、合計6回にわたって配信予定。全DLCがセットになったシーズンパスが2500円(税抜)で販売されている他、個別に購入することも可能(※STEAM版はオープン価格での販売)。
第1弾 ADF-11F Raven Set
2019年5月22日配信。価格は税抜500円。
本作の最終盤でプレイヤーの行く手を阻んだ因縁の機体が配信される。兵装はTLS、QAAM、UAV。
第2弾 ADF-01 FALKEN Set
2019年6月26日配信。価格は税抜500円。
シリーズ恒例の隠し機体ファルケンが待望の登場。兵装はTLS、4AAM、FAEB。
第3弾 ADFX-01 Morgan Set
2019年7月31日配信。価格は税抜500円。
エースコンバットZEROの隠し機体がまさかの登場。兵装はTLS、MPBM、IEWS。
第4弾 Top Gun: Marverick Set
2022年5月26日配信。価格は税抜2000円。
映画『トップガン マーヴェリック』とのコラボで、新機体DarkStarおよび既存機体の映画バリエーションが登場。Steam版ではゲーム本編+当該DLCのセット商品も販売。
DarkStarの兵装はSASM、XSDB、PLSL。
関連動画
関連商品
関連項目
- バンダイナムコエンターテインメント
- エースコンバット
- エースコンバットの一覧
- アーセナルバード
- PlayStation4
- PlayStation VR
- Xbox One
- Steam
- ゲームのタイトル一覧
外部リンク
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