アナール派とは20世紀に興隆した歴史学の一派である。アナール学派とも言う。
「政治」や「偉人」でなく、「地域」や「民衆の生活」に着目した歴史の考え方。
概要
従来の(学校で習うような)歴史学は基本的に「何年にこういう出来事が起きた」という年代記的な出来事史や政治史、あるいは歴史的偉人の人生を追うような大人物史が主流である。例えば江戸時代なら江戸幕府の政治やその結果ばかりを習い、ナポレオンなら台頭から没落までを追うことになる。アナール派はそのような歴史の解釈法のみに傾倒することを批判して、民衆の生活や政治の中央から離れた地域の出来事に着目して、一カ所集中でない社会全体の集合記憶を見いだそうとした。
元々は20世紀のフランスで生まれた歴史学派であり、アナールとは「年報」という意味。政治史から離れたアナール派は経済学や地域言語、文化人類学などの専門性の高い知識が求められ、学際的な(一つの学問分野を超えた)交流が強い。
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