あにまん掲示板とは、「二次元オンリー」を謳うウェブ掲示板サイトである。
概要
アニメや漫画やゲームなど、俗に「二次元」と呼ばれるジャンルに関する話題を語り合うことができるウェブ掲示板。とは言え、「その他ジャンル(二次元以外)」という名の、二次元に関係ない雑談を行うカテゴリ(後述)もある。
いわゆる「まとめサイト」である「あにまんch」の管理人が2021年8月12日に開設したサイトであり、「あにまんch」とは姉妹サイトという位置づけにある。
かつて「あにまんch」は、いわゆる「コピペブログ」と揶揄される類のサイトであった。画像掲示板「ふたば☆ちゃんねる」の「二次元裏板」(略して「虹裏」)、匿名掲示板「5ちゃんねる」、短文投稿コミュニケーションサービス「Twitter」、などといった外部サイトの書き込みをコピーしてきて紹介することをメインコンテンツとしていたためである。
しかしこの「あにまん掲示板」に多数の利用者[1]が集まるようになった現在では、「あにまんch」は専らこの「あにまん掲示板」の書き込みをまとめて紹介するサイトとなっている。
日本語メインの雑談系匿名ウェブ掲示板サイトとしては、2023年8月時点では「5ちゃんねる」「ガールズちゃんねる」「爆サイ.com」「ふたば☆ちゃんねる」に次ぐ5位の訪問者数を得ている[2]。
特徴
利用者が自由に掲示板(スレッド)を作成することができ、そこに書き込み(レス)が集まるという形式になっている。レス記入画面には「名前」欄があるが空欄でも書き込むことができ、実際に大半の利用者は空欄で書き込んでいる。つまり実質的に「匿名掲示板」として利用されている(※ただし匿名性は他の掲示板と比べてやや緩いことにも注意。本記事「匿名性に関わる注意点」節を参照)。
スレッド作成時には何らかの画像添付が必須であり、スレッドの一覧ではその画像のサムネイル画像が並んで表示される。これは「あにまんch」がかつてまとめ対象としていた「ふたば☆ちゃんねる」に似ている。スレッド作成時のみではなく、個々のレスにおいても画像を添付することができる。
個々のレスには、書き込み時間表示箇所の横に「♡」マークが付いており、クリックすると色つきのハートにすることができる。これはTwitterの「いいね」や「ふたば☆ちゃんねる」の「そうだね」に近い。独自の機能として、多くの「♡」を集めたレスは、文字が太くなったり、大きくなったり、色が付いたりと言った「まとめサイト」風の装飾がなされる。
自分が投稿したレスは本人であれば「削除」ボタンから削除することもできる。さらに、スレッドの作成者にはそのスレッドに書き込まれたレスを任意に削除する権限や、そのスレッド自体を削除する権限も付与される。ただし、「最大レス数に達した」(および、単発スレの場合は「最終書き込みから一定時間が経過した」)等の理由で過去ログ行き(「落ち」)となったスレッドでは、「落ち」た後10日間が経過するとレス削除できなくなる。
単発スレの場合、「このままレスが付かなかった場合にスレッドが「落ち」る予想時刻」はスレッドの最下部に表示される。スレッドが作成されて最序盤の間は「落ち」るまでの猶予時間が2時間などに短く設定されているため、作成されてもほとんど誰も反応しないような需要のないスレッドはすぐに「落ち」てしまう。また、この「最序盤の間」も固定されていないようで、レス番号5に到達すると猶予時間が12時間にまで長くなることもあれば、同一カテゴリでもレス番号10に到達しなければ猶予時間が短いままの場合もあるようだ。この変化の条件は明言されていないようで不明。
「5ちゃんねる」や「ふたば☆ちゃんねる」と異なる点としては、掲示板は「○○板」では分かれておらず、デフォルト状態では全スレッドが入り混じって表示される。「更新順(最新レスがあった順)」「新着(スレッドが作成された順)」「人気順(単位時間当たりの書き込み数?)」「シャッフル(ランダム?)」などの順に並べ替えることもできるが。
これでは目当てのジャンルのスレッドが探しづらいが、「カテゴリ」という機能があり、これを選択すると「単発スレ」「通常スレ」「実況・安価など」のカテゴリに分かれたスレッドに絞って表示できる。さらにこれら3つの中でも、超有名作はその作品のカテゴリ、あるいは漫画作品の掲載されている雑誌などのカテゴリ、と細分化されているため、このカテゴリに沿ったスレッドのみを探し出すことができる。
つまり、この「カテゴリ」が実質的には「ふたば☆ちゃんねる」や「5ちゃんねる」でいう「板」のように機能している。
各スレッドの最大レス数は基本的には200レスと、類似サイトと比べてやや少なめ。ただし「実況・安価」のカテゴリのみは最大レス数が1000に設定してある。
要するに「ふたば☆ちゃんねる」のフォロワー的な掲示板サイトだが、「ふたば☆ちゃんねる」との大きな違いは「ログが残される」という点である。どのようなスレッドがあり、どのような会話がなされていたのかは過去ログ倉庫から確認することができる。ただし過去ログ行きになるのは「上限レス数まで到達した」「最終書き込みから時間が経過して自然に落ちた」スレッドのみで、削除されたスレッドは過去ログでも閲覧できない。
また「ふたば☆ちゃんねる」には「虹裏」のように成人指定でアダルトな内容が許容されている板もあるが、あにまん掲示板では規約で明確に「18禁内容(性器・性行・性的接触などの直接描写)」「エロ画像」等は禁止とされており、直接的な成人指定の内容は扱うことができない。
性的内容以外にも、他サービスと比べると禁止されている内容は多い。規約で禁止されているものを一部抜粋して紹介すると、「現代の政治・宗教・皇室・社会・海外時事・ジェンダー問題」「ゲームハード論争」「あらゆる差別・誹謗中傷・ヘイトスピーチ・作品や特定個人に関する愚痴や叩き」「作品の売上の低さや掲載順位の低さを叩く行為」「淫夢・クッキー☆」「実在の人物(vtuber含む)のスキャンダル・ゴシップ」「暴言」「動物虐待」などなど、「少しでも荒れそうな話題はとにかく禁止しておこう」という方針であることが伺える。実際に上記のような禁止内容に抵触するスレッドが作成された場合、管理人によって削除されることがあるようだ。
上記のように規約で明文化されて禁止されていることが多い反面、「ふたば☆ちゃんねる」などと比べて「不文律」的なものは乏しい。同サイトのような「独自の文化」的なものは比較的少ない(皆無ではない)が、逆に言えば「不文律や独自文化などを知らないよそ者」に対する排他性も同サイトほどには強くない(下記のタフカテゴリなど、一部の例外はある)。
匿名性に関わる注意点
こういった匿名掲示板サービスではやや珍しい事だが、あにまん掲示板では「個人設定」>「自分の書き込み」のページを参照すると、過去6日間中の「アクセス中IPの書き込み一覧」を最大100件で表示する。このページは、ブラウザや使用機器などのアクセス条件が変わっても、IPが同じならば同じ結果を表示する。
あにまん掲示板の利用者で、「個人設定」>「自分の書き込み」のページを確認して「自分のものじゃないぞ?」という書き込みを見つけたことがある人がいるかもしれない。それは、同じIPから接続していた別の人の書き込みである。
つまり、自分があにまん掲示板に書き込んだ書き込みは、同じIPからアクセスしている人間があにまん掲示板の「自分の書き込み」のページを閲覧したとき、過去6日間最大100件の範囲で筒抜けになってしまうのだ。
ごく限られた人数しかそのIPからアクセスしないような状況、例えば自宅、小規模な職場、小規模な学校のWi-Fiなどでは、「書き込み内容と書き込んだ人が結びつけられてしまう」という可能性もある。
このことはよく認識した上で利用しよう。
「TOUGH(タフ)」カテゴリ
あにまん掲示板に存在する多数のカテゴリの中でも、特異的なものの一つが「TOUGH(タフ)」カテゴリである。通常タフカテ。
このカテゴリは猿渡哲也氏による漫画作品『TOUGH』(タフ)をテーマとして、この作品について語るカテゴリ……と思われるかもしれない。
だが実際には、「『TOUGH』やその他の猿渡哲也氏の漫画作品に登場する台詞(通称「タフ語録」)を用いて、『TOUGH』に関係があろうがなかろうが何でもかんでも語り合う」という、いわば「語録さえ使っていれば何でもあり」なカテゴリになってしまっている。そのため、スレッド作成時に使われる画像に『TOUGH』と関係がないものが用いられることも多い。
そして前述のとおり、「あにまん掲示板」のトップページはデフォルト状態ではすべてのカテゴリのスレッドを混合して表示しているので、『TOUGH』を知らない人からはスレッドのタイトルや画像で「TOUGH(タフ)」カテゴリのスレッドであると見抜けないままに開いてしまいやすい。そして開いてみると「スレッドの住人たちが不可解な言葉で話していて困惑する」ことになる。
こういった事態を避けるために、『TOUGH』を知らない人には「個人設定」>「表示設定」>「カテゴリミュート設定」から「TOUGH(タフ)」カテゴリはミュート設定にしてしまうことを推奨する声もある[3]。この設定にすればトップページにこのカテゴリのスレッドが表示されなくなるため、誤って開いてしまうことはなくなる。またミュートにした場合でも、意図して「TOUGH(タフ)」カテゴリを訪れた時には問題なくスレッドが表示される。
関連動画
あにまん掲示板のスレッドの内容を紹介している動画もニコニコ動画には投稿されているようだ。
だが、あにまん掲示板の利用規約に「また媒体ごとに以下の規約遵守をお願いします。」「・ブログやサイト 禁止(今後様子を見て解禁する可能性があります)」とあり、「ウェブサイト」であるニコニコ動画も転載禁止とも読める。そのため、ここでの紹介は控える。
関連リンク
関連項目
脚注
- *ウェブサイト解析サービス「Similarweb」による推計では、2023年8月の推定合計訪問数は1580万回
- *上記と同じく「Similarweb」によるこれらの掲示板及びその他「おーぷん2ちゃんねる」等の著名掲示板のアクセス数推計より。「ジモティー」が推定アクセス数で見ればあにまん掲示板より上だが、これは広告・告知の掲示板であり上記5つとはかなりジャンルが異なる
- *まとめサイトというものをよく理解せずに最近あにまんchを見てるん... - Yahoo!知恵袋 の「ベストアンサー」に選ばれている回答より
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