動物虐待(英:Cruely to animal、Animal abuse)とは、主に人間が快楽を目的として動物に危害を加える行為のことである。
動物愛護法などといった法律でも禁止されている犯罪行為でもある。
概要
食肉や危険排除のための駆除など、正当な理由・大義なく、動物に対して暴力を振るったり危害を加える行為のことである。虐待と言うのだから基本的には良い目で見られる行為でないことは言うまでもない。
ただし、一部では動物を可愛がっているのにも関わらず、冗談で「虐待」としてペットと遊んだり、相手は嫌がってはいるものの生活上仕方なくやっている(ブラッシングなど)動画なども存在する。
動物虐待の問題点
この手の話題が出て批判されると、必ずと言ってよいほど「お前らだって肉食ってんだろwww」「動物愛護家乙www」などのコメントが飛び交うのが2ちゃんねる、及びニコニコ動画である。
しかし、少し考えればそんな単純な問題でないことは言うまでもない話である。
- 倫理的な問題
あくまで一般論として、無抵抗・無害な動物や昆虫を痛めつける、殺害する行為は倫理的な観点から言って問題であるとされている。人間でも、例え人の命の奪い合いの戦争であっても、無抵抗の捕虜を特に理由なく快楽で殺害する行為は良しとされていない(条約で禁止されていることが主)。動物は法律上人間と同じような権利を与えられていないとはいえ、権利がなくてもやっていいことと悪いことはある。近所の野良ネコの胴体を切断して回っている人間が隣に住んでるなどと聞いて、良い気分になる人間はそれほど多くないはずである。 - 安全上の問題
動物虐待をいつまでも繰り返す人間は、やがて行動がエスカレートして物言わぬ動物だけに飽きたらず、人に対して危害を加える可能性が高いと言われており、凶悪事件の犯人が以前から行っていた行為として、実例も多くあがっている。例えるなら「1回・2回でやめれば麻薬をやっても大丈夫」と言っている人間がドツボにハマっていくのと似ている。 - 法律的な問題
冒頭でも記したように、動物虐待は犯罪である。例え個人的に「動物を守る法律など必要がない」、「動物を法律で守るなんで馬鹿馬鹿しい・間違っている」という信念があったとて、法律上禁止されていることなのであるからして、動物虐待は触法行為であり、客観的に間違った行為とされているのである。それを変えたいのであれば政治家となって、法律を撤廃させるほかない。近しい家族を泣かせたくない、自分の将来の経歴に傷をつけたくないのであれば、動物虐待などという別に手を染める必要がない犯罪行為には、手を染めるべきではない。
動物の過剰愛護に対する問題点
一方で、そういった虐待論を炊きつけているのは過剰な動物愛護も相まってのことだということを忘れてはならない。
いわば、過剰な動物愛護に気分を害した人が、虐待に走る可能性もあるということである。2ちゃんねるにおける「生き物苦手板」に集まる人の中にも、動物愛護家が嫌いという人は多い。
- 食肉と虐待との無差別
人間は雑食性である。健康に生きるためには動物の肉から栄養を摂取しなくてはいけない。野生動物もまた例外を除けば、その環境で生きていくために必要だからこそ肉食を行っているのである。
にも関わらず、動物の命を奪うということだけに着目して、その行為そのものを批判するものがいる。それはつまり人に対して逆に「死んでしまえ」「苦しみ抜け」と言っていることと変わらない。また、そう主張する者に限って菜食家でないことがあるため、批判の対象となっている。
もっとも「あとで食べるから」ということを理由に、動物に過剰な苦痛を与える行為、不必要に残虐な手段を用いることが一般論として肯定出来るかどうかはまた別の問題である。屠殺は基本的に「動物に対する苦しみを少なく済ませる」とされている方法がとられている(自己満足でしかないという意見もある)。 - 害獣・害虫駆除との無差別
自分に危害を加える生き物を除外、または殺害することもまた、生命が安全に生きていくためには必要な行為である。人に迫る危険の排除が必要なのにも関わらず、「可哀想」という理由だけで抗議をする者達がいる。
例えば北海道で「ヒグマが民家に出て、危険なので民家に進出したクマを殺しました」として、それに抗議の電話をかけてくるということがよくある。つまりそれは、北海道の人間に対して「お前達がヒグマに殺されれば済む話だ!」と言っているのと変わらない。
もっとも、先と同じように害獣・害虫だからという理由で不必要な暴力や攻撃をすることは良い行為とはいえない。ヒグマの場合、民家に降りてこないように地元の人達が空砲やエアガンで脅かして威嚇をしているのに過ぎない。素人が趣味でやって良いことではない。 - 感情論が強すぎる
古今東西、行き過ぎた感情論は議論において意味をなさないことが多い。感情論に左右される政治家はいても、個人が「動物は可愛いからイジメちゃダメ」などと言っても、それは独りよがりであり、説得力に欠ける。感情論を完全撤廃するのは、感情のある我々にとって難しいことであるが、客観的な視点を頑張って組み込むことは可能なはずである。 - 動物愛にかまけて人を思いやることを忘れている
動物嫌いの人間に動物を押し付ける行為、マナーの悪い飼い主、これらが生き物嫌いをさらに助長する原因となっていることを忘れてはいけない。
つまるところ……
どちらの主張や行為も過剰であるため、お互いを刺激しあってしまうのである。
生き物が嫌いな人もいれば、生き物が好きで仕方ない人もいる。お互いの思考を理解出来なくても慮ることで、無用な争いや騒動は避けられるということを忘れてはならない。
主な動物虐待事件
- こげんたちゃん事件
有名な虐待事件の一つ、これは通称であり、正式には福岡猫虐待事件と記される。ペット大嫌い板(現:生き物苦手板)の住民がネコの虐待を実況し、それが騒動になった事件。こげんた、とは虐殺後、ネコを哀れんで付けられた名前。 - 広島県呉市猫連続惨殺事件
長期にわたって、ネコの惨殺死体が発見されている事件。未解決事件。
関連動画
関連項目
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