「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

美味しいお茶

2009年01月22日 | 製薬会社な日常
料理の話をネタにしたのでついでにオススメのお茶の話。
お茶は料理に比べて用意も片付けもそんな大変じゃないので
家にいる時は何かにつけていれて飲んでます。
使いやすい&洗いやすい器具も家に揃ってきましたし。

いま一番好きなお茶は
烏龍茶の凍頂烏龍 (清香)ルピシア
これは台湾のお茶。烏龍茶なのに煎れたては緑茶のようなきれいな緑
しばらく経つと琥珀色に変わってきます。これがキレイでヒマだとずーと見てます(笑)
味も烏龍茶にありがちな苦い味ではなくてさわやかな味。
最初、無印のティーバックを適当に買ってきた時にたまたま凍頂烏龍茶が
まぎれてて凍頂ウーロン茶にはまったんですが、いくつか飲み比べてみた結果
LUPICIAの物が一番好きでした。
ちなみに台湾に行った時にかなり期待して買ってきた凍頂烏龍茶よりも
LUPICIAのが美味しかったのは秘密です(笑)

でも春と冬のある時期にしか売ってないんですよ!なので
ある程度買い置きしてます。
でも今SIU宅には切れているのですが…早く買わねば。
少し高いし贅沢なのかなとも思いますが、かなり高いお茶を買っても
2煎も飲んだら500mLのお茶ペットボトルよりは安いから良いかなと考えている次第。

次は紅茶。
紅茶はかなりいいお茶を飲んでもよくわかりません(笑)
ので、ピュアな紅茶は何でも良くて(リプトンのティーバックでも良い)
そのかわりといってはなんですがフレーバーティは
NINA'Sの「The des Anges」と「カトルフリュイルージュ(綴り分かりません_笑)」
は本当に香りが良くて、いやホント幸せ。オススメです、でも匂いに好き嫌いあるかも。
たぶんフランスのメーカー。

この子との出会いは六本木のグランドハイアット。泊まった時に置いてあったのですよ。
何気なく飲んでびっくり、美味しい!やっぱ高いホテルは置いてあるお茶が違うわ(笑)
思わず余りをもって帰ってくる小市民なワタシ(涙)
グランドハイアットに泊まるのはなかなかにお財布と心が痛むのですが
(幸いその時は自分でお金を払わず泊まれた、ラッキーな時でした)
お茶は給料の範囲で買えるので、家にいてもホテル気分!な感じで常備してます。

他にも好きな紅茶お店として「アリスの茶屋」とか「花水木」とかあるのですが
筑波ローカルなのでここでは割愛。

ちなみにNINASのお茶の名前である『The des Anges(デ デ アンジュ)』をSIUは勝手に英語に変換して
「The Angle:ザ天使(笑)」だと理解してました、がフランス語で「The=Tea」だそうで
正しくは「天使のお茶」という意味だそうです。
ということは「des=of』だな?フランス語は習ってないので嘘を言ってたらすみませぬ。

ええと気を取り直して、ほうじ茶は加賀棒茶(丸八製茶場)が好きです。
これは今日紹介した中では高くなかったはず。香ばしい匂いが何ともたまりません。

緑茶はわりと何でも美味しいです、新茶ならなお良し。

これらのお茶をですね、近所のスーパーで汲んできた浄水(MilliQではありません_笑)を
T-falのアプレシア 0.8L
で500mL程度わかした後
緑茶以外は熱々で抽出!(時間は実験とは違ってタイマーを使わず慣れとカンで決める)
ちなみに「あっと言う間にすぐに沸く」というCMのコピー通り、すぐに沸きます。
これを買ってから、電気で保温するポットは用無しになってしまいました。
(あと毎回わかした方が酸素を含んで、お茶を作るにはいいそうです)

急須は茶茶急須丸 450ml(HARIO) に入れるとちょうど良いです。
中が透明だから抽出具合がよく見えて金属部が目が細かくかつ取り外し可能。
入り口が大きいので洗いやすい!あと1000円とお値段もお安い、オススメです。

500mLというのは一人で飲む時は多すぎるのですが、お茶は大量のお湯で入れた方が
美味しいので一気に入れてしまって、保温ポッドに入れてあります。
*余談ですが「mL」のエルが大文字なのが癖になっているところが職業病だと感じます。。。

こんなことで幸せと感じられる我が人生はなかなか捨てたものではない!と思う今日この頃。
楽しい時もつらい時も美味しいものを味わって、心をほっこりしてきたいです。



就職活動(製薬研究職)

2009年01月20日 | 製薬会社な日常
そういえばさ来年度入社の研究職の就職活動(募集)は
行われているはずだけど、今どんな感じなんだろう、、、

今日、同じ居室の人が出身大学へ説明会をしに人事の要望で
行くって言うのを聞いてふと思いました。

でも今の時期では研究者よりもMRさんメインの説明なんだろうな。

ダシを取る

2009年01月19日 | 非製薬ネタ
久しぶりに早く帰れたので
ダシをしっかり取ってお料理しました。
ヤッパリ美味しいわ。
(全然関係ないですがお料理マンガは
よしながふみさんが一番です)

料理は得意ではないのだけれど、段取りは実験に似ていて
のってる時は楽しいなぁと…
でもやる気が無い時は全くやりません。
そんなダメ社会人(笑)

新米?古米?

2009年01月18日 | 製薬会社な休日
先日、友人と久しぶりに会って話したときのこと
(友人は看護士をやっていて、SIUのブログを読んでくれてます)

友人「未だに『新米研究者』っておこがましくない?
ブログ始めてもう5年目でしょ」
SIU「うーん、薄々感じてはいたんだけど
今更タイトルを変えるのも…、第一いいアイディアがないのよ」
友人「確かにタイトル変えても今更感はあるよね」
SIU「日々これせっせとお薬作り -製薬会社『窓際』研究員SIUの日常-ってどう?」
友人「…『窓際』研究員の日記って見てみたい?」
SIU「…いやあまり。。。」
友人「大体『新米』に呼応してないでしょ『窓際』って」
SIU「まあそうよね。でもじゃあ何さ『新米』に呼応する言葉って?」
友人「うーん『古米』?
SIU「『古米』研究員SIUの日常って…、産総研(産業総合研究所)の
農業部門に勤めてそうだよね」
友人「だねぇ」


すいません、しばらくこのままのタイトルでいきそうです(涙)



製薬会社における合併の真の価値とはなんぞや

2009年01月15日 | 製薬業界トレンド
Pfizer(ファイザー)のリストラですが、昨日の記事に対して
Thor様がコメントされた
「atorvastatinの成果のためにPfizerに買われて、Pfizerの事情で解雇された」
というご指摘はまさに的を射ている
見事な表現だと思います。

メガファーマはじゃぶじゃぶとあふれている手元資金で
買い物を沢山しました。そのことはイニシャルコストだけでなく
ランニングコストが増大することを
MBAを有する秀才たちが気づかないとは思えません。
「赤信号みんなで渡れば…」という気持ちだったのでしょうか?

成功報酬目がけて最大限にレバレッジをかけたことによって
サブプライムの破綻を引き起こした投資銀行の経営陣と構図が類似しているように思えます。
(一見正しいように見える成功報酬の隠れた問題点に関しては、サブプライムの破綻前から
山崎元さんが指摘されていて以下の文章に詳しいです⇒成功報酬について考える

M&AにつぐM&Aは時価総額を大きくしていくための自転車操業
だったのかもしれません。
ストックオプションや高額の給与・ボーナスを持ち逃げしてしまった
経営陣はともかく、会社都合で首を切られる研究員は…
日本にも合併して大きくなった会社は沢山あります。
それらはpipelineの拡充だけでなく真の意味で会計が改善方向に向かったのでしょうか?
もしそうでなければアメリカで起こっていることは、対岸の火事ではありません。

あとから政策・方針を批判していくことは、すこしずるいのでこれで打ち止めにしますが
自分自身を顧みて一研究者としてどのようなスキルを磨き、どのように荒波を乗り越えて
いくべきでしょうか?答えは無いです。「研究成果を出す」に加えてなにをするか
「オラ研究者だから経済のことわかんね」とも言ってられない気がします。

ファイザーが研究者800人を解雇

2009年01月14日 | 製薬業界トレンド
アメリカにてリストラの嵐が吹き荒れていますが
製薬業界も例外ではなく、巨人Pfizerが更なるリストラです。


米ファイザー、研究者800人を解雇へ-研究開発部門再編の一環

(1月13日 ブルームバーグの記事より抜粋)
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世界最大の製薬会社、米ファイザーは13 日、がんや脳疾患、糖尿病の治療薬開発に集中するため、
研究開発部門の8% に相当する800人の研究者を解雇することを明らかにした。
(中略)
昨年はミシガン州アナーバーの研究所で1200人の研究者を解雇した。

同社は高脂血症治療薬「リピトール」など主力製品の特許切れを控え、
これに代わる大型新薬の開発に苦戦している。ジェフリー・キンドラー最高経 営責任者(CEO)は
2006年の就任以降、1万4000人余りの人員削減を実 施しており、研究部門の再編を推進している。
(後略)
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米国の金融状態の悪化だけでなく、高脂血症治療薬リピトール(Lipitor)の特許切れに
トルセトラピブ(torcetrapib:CETP inhibitor)が間に合わなかったこと
というか、開発がストップしてしまったことが大きかったのでしょうね。。。
なんせ単剤のPhaseIIIと平行して合剤(リピトール+トルセトラピブ)まで
臨床に載せていましたから…

必ずしも米国式のメガファーマが一番ではないということかもしれません。
ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実(リンク先はAmazonです)
はSIUが以前読んだ本なのですが、今後の米系製薬企業一つの示唆になると思います。
NEJMの元編集者が書いたというのも興味が持てるところ。

まあ内資製薬会社の研究者にもリストラの嵐は人ごとではないんですけどね…(涙)

新たな実験

2009年01月13日 | 製薬会社な実験生活
昨年末から新しい実験法の導入を行っていたのですが
なかなかうまく行かず、困っていたのですが
今日の検討でどうにかメドがついてきました。

うまく行けばこれまでと比べて同じようにデータを出すために
時間が1/2に(1day protocolからhalf day protocol)、コストは2/3に
サンプル量は1/2になる予定(vitro sampleだとあんまり関係ないけど
vivoだと取れる血液は多くないため結構重要)

あとはこれまでの測定法との相関を取らないとというところ…
やっと年が明けてエンジンがかかってきました。
って遅いよ(笑)

連休も終わり…

2009年01月12日 | 製薬会社な休日
始まる前には「3日間もある!」と思っていた連休も打ち止めとなり
明日から会社…
会社は仕事は嫌いではないですが(かといって大好きでもないが_笑)
「明日から行かなきゃ…」と思うと億劫。
でも行かねばねぇ。

おめでとう優勝!!!

2009年01月11日 | 非製薬ネタ
製薬業界とは全く無関係の話ですが、、、
友達がプロのバスケット選手でして、本日試合だったんですね。
しかもNHKでやっていたのでテレビにかじりついて応援。
そして優勝!!!自分のことのように嬉しかったなぁ。

でも…代々木でやってるんだから行けよSIU、そして直接応援しなさい(涙)
いやまあ、たまたま昨日久しぶりにメールしたら
「明日試合だから応援してね!」というメールが返ってきて
始めて知ったので、予定の調整がね…(言い訳_涙)
今度は直接応援に行きたいと思っております!

改めて優勝おめでとうIちゃん!
いつもはかわいいけど、今日はかっこ良かったよ。

Strong Medicine(ストロングメディスン)

2009年01月09日 | 製薬会社な日常
最近読んだなかで読んでよかったなと思った本があったので
忘れないようにここで紹介。

『ストロングメディスン』アーサー-ヘイリー著(リンク先はamazonです)

主人公である女性MRがつとめる製薬会社の薬害を軸に話が展開していきます。
医師に対する過剰な接待、過大広告によるエビデンスの無い適応外処方
研究者の自己過信、経営陣の自己保身など、アメリカ製薬業界の構造的問題を
あぶり出していく(結果としてあぶり出されていく)お話です。

単純な勧善懲悪ものではなく、物語としても読みやすく優れていると思いますし
何よりも原著は1984年に出版されているのですが、ヘイリーが指摘した
問題点は未だに製薬業界(日本においても)に存在しているのです。
なので研究者・MRさんを問わず来年、製薬会社入社予定の方々は
もしくは志望の方々は、文庫本で安いですし(上・下巻ですが)一読をお勧めします。

製薬会社に勤務しているものとして真の目的は何なのか?
コンプライアンスって?と問い直させられる作品です。

SIUは見ていませんが映画化もされているようですよ。

久しぶりに

2009年01月08日 | 製薬会社な日常
年が明けての一週間ですが、疲れが出てきました。
早いよ、おい!(笑)

社会人の皆さん明日一日すぎれば3連休です、一緒にがんばりましょう。
学生の皆さんは、、、青春を謳歌してください。
本を読むも良し、デートするも良し、惰眠をむさぼるも良し…あれ勉強は?(笑)
でも勉強以外も(いやむしろ以外がメイン?)も大事な学生の経験
たくさん楽しんでください。

遅くなりましたが、就活中で製薬会社志望の方はとりあえず
このブログで左下にあるブログ内検索を使って「就活」でとかで
探してもらうと、たくさん出てくるはず。

さしあたってはこの辺を読んでみてください。
「製薬会社研究職就活重要点(再掲載)」(2007年08月31日)

「肥満」と「リモナバンorタラナバン」

2009年01月07日 | 製薬会社な日常
本日、久しぶりに体重計にのったら『1.5kg増(涙)』していたSIUです、こんにちは。
ワタシが悪いわけではありません、お正月のおモチがいけないのです(笑)
美味しいのですもの。
本日の七草粥にもおモチを入れてしまい、全く胃を休めている気がしないSIUです(涙)

さて『肥満』についての薬と言えばRimonabant(リモナバン:CB1 receptor antagonist)が
創薬に携わっている人には、ここ数年一番ホットだったんですが
結局FDAの承認得られず、サノフィはギブアップしたというようなニュースを見ました。
やはり「うつ&自殺」リスクの上昇は見過ごせないのでしょう。

EMEA(The European Medicines Agency) ヨーロッパでは認可が下りたのに
COX-2 inhibitor時事件以後(SSRIもですが)きびしいなぁと
思ってたら、ヨーロッパでも使えなくなっていたんですね。
↓ニュースソース
「抗肥満薬Rimonabant、欧州での販売中止へ」
http://www.watarase.ne.jp/aponet/news/081021.html

SIUのこれがブロックバスターになると思っていたので
読みが甘かったと告白しておきます。。。誰に?(笑)

ちなみにMerckのTaranabant(タラナバン)初め同メカニズム薬の開発がほぼすべて止められているようです。
やはりメカニズムベースの副作用ですかね・・・

Merckのリストラ促進にこの薬のストップも聞いていると思います。

ちなみにCB1 receptor antagonistは「-nabant(-ナバン)」と名付けられています
(商品名じゃなくて一般名です)。

ちなみに2007年の7月にこんなエントリを書いていました。
良かったら一緒に読んでみてください。
「RimonabantをFDA承認せず」
http://blog.goo.ne.jp/siu3siu3/s/%A5%EA%A5%E2%A5%CA%A5%D0%A5%F3

他の肥満薬に関しては武田がPhaseIIIにのせている 「ATL─962」(リパーゼ阻害薬)が
気になってます。オリルスタット(ゼニカル)の副作用をホントに消せてるのかな?

補足
Taranabant(タラナバン)
Merckが臨床開発中のCB1 receptor antagonist。
対象疾患は肥満。
Taranabant(タラナバン)
カンナビノイド受容体を阻害して減量目指すというのは
ここ数年のトレンドだが、中枢性のアドバースエフェクトに
対する担保が必要である。もっと詳しく知りたい方は
Nature Reviews Drug Discovery 7 ( 3 ), ( Mar 2008 )を読んで見てください。
http://www.natureasia.com/japan/drugdiscovery/highlights/article.php?i=65299

明けましておめでとうございます

2009年01月06日 | 製薬会社な日常
明けましておめでとうございます、2004年の12月より当blogを始めて
はや4年の月日が経ちました。今年も駄文におつきあいのほどを
よろしくお願いいたします

…などと、普通に新年の挨拶などをしてしまってますが
かなり更新をさぼっておりました。
コメント等くださった方ありがとうございました。
またメールをくださった方もありがとうございました。
実はどちらもちゃんとチェックできていなくてお返事ができない状態が続いて
申し訳ありません。

あとコメントはしていないけど「製薬会社の就職活動」に役立つのではないかと
見に来てくれていた方もありがとうございました&申し訳ありませんです。

っと謝り初めで、明ける本年(笑)
今日からがSIUは会社の始業日でしたが(昨日は有給とりました)
リハビリのつもりで、メールチェックとその返答
あとは今月の予定立てだけして帰ってきてしまいした。

本blogは本業の合間を縫って私的な時間でやっております
是非とも(生)温かく見守ってやってください(笑)

本業といえば、昨年はつい最近まで出向していたもので、その忙しさもまあ
精神的に大変ではありました。
(内容については企業秘密・・・と言うほどではないですが、一応言いません)

あと本業とは関係ないですが私事でも、わりと長くお付き合いしていた恋人が
恋人ではなくなってしまったため(その割にはよく会うんだなこれが_爆)
非常に生活が混迷を極めていたりしたのでした。
まあ、昨年度中に変革は終わったと信じまして
今年はまったり暮らして行けることを願っております。

年の初めに私事ばかり記載しましたが、今年も創薬科学/製薬業界のことを
マッタリとえぐっていく所存でございます。
それでは本年もよろしくお願いいたします。

万有つくば研究所閉鎖(09年12月までに)

2008年10月23日 | 製薬業界トレンド
とうとう万有も研究所閉鎖です。。。
COX-2 inhibitorの賠償地獄から立ち直り
もう少しすれば日本でもジャヌビア
[一般名:sitagliptin(シタグリプチン)DPPIV inhibitor(糖尿病薬)]が
発売されて楽になったはずなのに・・・
(最近調べてないけどまだ日本で出てないよね?)
それでも状況は変わらなかったのかな。

万有製薬のホームページより
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2008年10月23日 報道関係各位
万有製薬株式会社 Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.

基礎研究に関するグローバル戦略について
新たな運営モデル導入で拠点再編
2008年10月22日 - Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.は本日、基礎研究における
グローバル運営戦略を発表しました。新戦略では、長期間を見据えた戦略的アプローチを採用することで、
基礎研究活動の効率を改善しながら高い効果を生み出し、将来にわたって持続可能なパイプラインを創出する
組織作りを目指します。
(中略)
さらに、新戦略の下では基礎研究拠点は統合され、2009年12月までには米国シアトル、ローマ、つくばの3拠点が
閉鎖される予定です。これに伴い、万有製薬のつくば研究所で行われていた基礎研究活動は他の研究拠点に
移管されることになります。つくばに現在勤務している約450名の社員等に影響が出ることとなり、
対応について検討しております。

以 上
http://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/corporate_1023.html
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心配なんで万有の友人にメールしたら
「心配してくれてありがとう、実は僕たちも聞いたのは昨日
(SIU注:20081022プレスリリースの前日)なんだ
正直、大丈夫じゃないけど、寝込んでるってわけでもないよ。
ちなみにSIUが最初に連絡してくれました。まだ親には言ってない(笑)」


いや、かなり心配です。SIUが力になれるとは思わないけど・・・
彼は優秀なんだけど押しが弱いので心配、ってあたしゃ彼のオカンか!(笑)

プレスリリース内の「2009年12月までには」ってのが唯一の救いかな。

もう一つ別のニュースソースをどうぞ
日経ネットより
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米メルク、7200人削減 つくば研究所も閉鎖
 【シカゴ=毛利靖子】米製薬大手メルクは22日、2011年末までに全世界の従業員の
12%に当たる7200人を削減すると発表した。研究開発体制の見直しに伴い、
日本では傘下の万有製薬に所属するつくば研究所(茨城県つくば市)を09年末までに閉鎖する。
主力製品の販売がふるわないため、経費削減を拡大する。
 05年から合理化を始めたが、今回、さらに経費削減を上積みする。販売部門などを整理統合し、
全社的に管理職を25%削減。日米、イタリアで計3カ所の研究所を閉鎖する。
日本のつくば研究所には従業員が約450人いる。 (13:05)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081023AT2M2301923102008.html
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前回のリストラ↓でまだ削減が足りなかったのか
http://blog.goo.ne.jp/siu3siu3/e/3bfdfbb18bd8863d7fa7b44490086c05
前回のリストラの一環がまだ続いているのか・・・

もう少しがんばれば、CETP阻害剤・anacetrapib
[(アナセトラピブ、MK-0859)高脂血症治療薬]
だってあるのに、開発段階で言えばトップ(20081023現在)なのに・・・

外資で働くことの難しさを感じます。


最近の外資製薬企業の日本研究所閉鎖/撤退のコンテンツをまとめておきます。
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GSK(グラクソ・スミスクライン)社 筑波研究所閉鎖
http://blog.goo.ne.jp/siu3siu3/e/07315b4fa60c2015468cfeb287ed8612
ファイザー社 愛知研究所閉鎖
http://blog.goo.ne.jp/siu3siu3/e/fccdd890799b97acd37e5339ecaed4c3
万有製薬(メルク)工場閉鎖
http://blog.goo.ne.jp/siu3siu3/e/61be48abcc46903e88d7ba0bb26620ff
http://blog.goo.ne.jp/siu3siu3/e/6c586d38b3e6bd458428c6e511238d88
**************************************************************************


<補足>
JANUVIA
製品名:ジャヌビア
一般名はsitagliptin(シタグリプチン)
メルクが作った(メルクは日本だと万有)
ファーストインクラスのDPPIV inhibitor(糖尿病薬)
アメリカでは承認済み(2007.4.5現在)
ヨーロッパは忘れました(笑)

DPPIV inhibitor
いまんところ最新の抗糖尿病薬
日本未承認(2007.4.5現在)。
薬効・薬理を説明しだすと、長くなるので
省略(笑)
さわりだけ解説すると、酵素であるDPPIV(ディーピーピー・フォー)を
阻害して、GLP-1分解を妨げるところが作用点。
DPPIVがアクティブな状態だとGLP-1はあっという間に分解されてしまいます。
余談ですが注射剤のGLP-1 アナログはここが分解しにくくなっているんですね。

2010年入社就職活動

2008年10月08日 | 製薬会社な日常
製薬会社の就職活動時期が変更する件に関して情報をひとつ・・・

SIUはたまたま今年、リクルーターに選ばれまして
(母校に行って、業務の説明とかしつつリクルーティングをする人、でいいのかな?)
会社から説明を聞いたんですよね、その内容ってのは
「武田、第一三共、アステラス、中外、エーザイは人事部同士の
申し合わせにより、年内の採用活動は控える」とのことでした。
これはいくつかの大学が連名で早い採用活動を批判する声明を
出したことに対応するものだそうです。

この協定は年内はエントリーのみ、選考は年明けという話のようです。
SIUの会社では一月からのような言い方でした。はっきりしたところは
わかりません。あとで書きますが本当にルールに則ってやるとすると
4月から開始しなきゃいけないはずなんですけどね・・・

先の5社と言えば国内製薬会社の実質上位五社と言っていいので
基本的に就職活動自体が遅くなること自体は間違いないようです。

実際に就職活動を行っている後輩(M1)にも確認してみたところ
プレエントリー(でいいのかな?)はすでに始まっており
その辺の日程はあまり変わっていないようです。

確証を得るために先の五社以外の大手である他社の友人にも聞いてみました。
友人が「就職活動の時期が変わるって聞いたんですけど?」と人事部に聞いてくれて
返ってきた返事を要約すると次の通り

「日本経団連が定めた倫理検憲章の中に
『採用活動は最終学年の4月1日以降に選考活動を行う』という文言があります。
採用活動が早期に行われることが、学業への支障を生じさせる懸念によるものです。
MRの採用活動ではこの憲章に則った募集でしたが
研究開発職に関しては守られていないのが実情でした。
2010年入社(今年の募集)については製薬会社が多くが選考活動を
遅らせることとしています。
*ただ本当に今年から4月以降に実施するかどうかは他社の動向しだいです」
とのことです。

この内容だと武田、第一三共、アステラス、中外、エーザイ以外の会社も
就職活動時期を遅らせるということがたぶん間違いないようですね。
*ちなみに友人の会社がどこかというのは、彼のために伏せさせてくださいませ。

就活中の皆様にこの情報が参考になれば幸いです。