紙面で読む「作業員を原発に送り出す時は記念撮影をした。本気と冗談がないまぜだった」=福島県いわき市、早坂元興撮影 名嘉幸照さん=福島県いわき市、早坂元興撮影 福島第一原発に社員を送り出す名嘉さん(左端)=2011年3月、本人提供 沖縄で生まれ、移り住んだ福島を終(つい)のすみかとした名嘉幸照さんは原発技術者の草分けだ。東京電力福島第一原発の事故から2年余りたっても廃炉作業、避難民への対応、地域復興は遅々として進まない。にもかかわらず、現政権は原発の再稼働や海外輸出に歩を進める。福島原発に40年関わってきた名嘉さんは訴える。「それでいいのか」 ――事務所の窓から、公園で遊ぶ子どもたちの声が聞こえます。 「いわき市は比較的、放射線量が少ないからね。この子たちを安全に育てなくてはと思うよ。一方で放射能を逃れ、いまも遠くに避難する子たちを思うと、ほんとに心が痛む」 ――双葉郡の町村では住民