ミニPCと呼ばれる小型デスクトップが注目を集めている(図1)。過去にスティックPCなどの小型パソコンが注目を集めたが、処理性能が低く数年で市場からほぼ消えた。今回のミニPCはそれとは一線を画すもの。小型パソコンは遅いというイメージを払拭し、メイン機として使える性能を備える。従来のデスクトップとは異なる独自の存在感を放っている。
第一の特徴は、サイズが小さく置き場所に困らないこと。VESAという規格に対応していれば、ディスプレイの裏面に取り付けることもできる。
2つめは、コスパが抜群に良いこと。例えば、10万円のノートパソコンと同じCPUを搭載したミニPCが、5万円前後で購入できる。20万円のノートパソコンと同じCPUを採用したミニPCなら10万円程度で入手できる。これなら、ディスプレイを一緒に購入してもお釣りがくるほどだ。
SSDやメモリーの増設・交換も簡単だ。本体の上蓋を外せば、容易に空きスロットを見つけることができ、迷うことなく作業できる。
ただし、ミニPCの製造元は新興の中国メーカーが多く、アフターサービスやサポート面には不安がある。トラブルがあっても自力で解決できるだけの知識を持った上級ユーザー向けの製品カテゴリーといえる。
手のひらに載る大きさ でもスペックはノートに匹敵
ミニPCのサイズは1辺15cm以下が一般的だ(図2)。重さは500g以下が大半で、モバイルパソコンよりも軽い。バッグに入れて出先に持ち運ぶのも苦にならない。
完成品のほかにベアボーンもある(図3、図4)。ベアボーンはケースにマザーボードと電源のみが取り付けられた半完成品で、一部パーツを別に購入して後付けする。ミニPCのベアボーンはCPUを搭載し、メモリーとストレージ、OSがないのが一般的だ。