G1周年記念競走展望

【まるがめG1京極賞】強豪迎え撃つ香川勢 充実のラインアップ

[ 2015年5月15日 05:30 ]

地元G1は3V、G2は1Vの実績がある重成一人
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 ボートレースまるがめ開設63周年記念のG1「京極賞」は、16日から21日までの6日間開催。今年の特徴は松井繁、太田和美、田中信一郎と遠征組に大阪勢の強豪が目につく点だ。地元香川勢は8選手が登場。充実のラインアップで迎え撃つ。この他にも毒島誠や吉田拡郎らブルーナイターSGの覇者に中国チャンプの白井英治、東海チャンプの平本真之らもそろう。ダブルドリームとあって、序盤から目が離せない。

◆3度目のV狙う 地元勢の中心は重成
 地元のGW戦を制して京極賞に弾みがついた。普通ならそうなる。それでも、重成は慎重な姿勢を崩さない。というよりも、まるがめ水面の難しさがそう語らせるのではないか?

 「丸亀は乗れるように調整できるかどうか。他のレース場に対しては自分の形を持っているし、良さそうな人はだいたい似た形で走っている。ただ、丸亀は三者三様なんです。これが正解というのがない。エンジンをもらって、そのエンジンなりに合わせていかないといけないのが難しい」

 パワーよりターンのフィーリングで勝負するタイプだけに、肌に合う合わないは非常に大事。モーター2連対率で判断できない選手のひとりだ。それは当地成績にも表れていて、2月の四国地区選手権で優出【2】着だった後の3月一般戦で、仕上げ切れずに優出を逃してしまった。

 「初日、2日目に流れに乗れたら、自分の中でモチベーションが上がってくると思います。まずはドリームでどれだけ貯金できるか? 僕が結果が出てるときは準優1号艇になってるときが多いと思います。今回の京極賞も、序盤に流れがつかめたらとしか、今のところは言えないです」

 初日12Rの「京極ドリーム」3号艇にシードされている。ここで先々につながるフィーリングを得ることができれば、予選首位から優勝までトントン拍子に勝ち上がって制したGW戦のような活躍が期待できるかもしれない。55、57周年に続く大会V3なるか注目しよう。

◆「3連覇」視野に 強豪・大阪勢の注目は太田
 昨年は開催日程が一部重なった平和島G1に出場(結果はV)。今年は事実上、60、61周年に続く京極賞“3連覇”を狙っての参戦となる。

 この2回の勝ち方は似ているようで異なる内容だった。3年前の60周年は予選中盤まで池田浩二が首位で突っ走っていたが、実戦迫力やターン回りの仕上がりは太田が上。予選最終日に得点率首位を逆転すると、リズムに乗って準優→優勝戦を一気に逃げ切った。おととしは予選首位で勝ち上がったところまでは力強かったが、ノーカウントの一般戦で転覆のアクシデント。足落ちさせながらも腕で押し切ったVだった。

 今年は2月の近畿地区選手権を優勝。「今年はF休みからのスタートで取り残されている感じがあった。それでも、この優勝で今後は落ち着いてレースができそう」と話していた。その言葉どおり、3月の平和島ダイヤモンドカップ、同多摩川周年(どちらも優出【5】着)で賞金を上積み。現在の賞金ランクは17位につける。今回“3連覇”達成なら一気に1ケタ順位までジャンプアップできる。

 京極賞は60、61周年の他にも、昼開催のときに46周年を制した。そして、09年4月のブルーナイター開幕戦も優勝。当地は得意水面といってもいいほど結果を残している。2日目12Rの「ブルーナイタードリーム」の2号艇で出場。1号艇の森高一真に強いプレッシャーをかけて、主役逆転を狙う。

◆新世代の最先端を行く平山
 茅原悠紀のグランプリ、桐生順平のクラシックVで何となく定義がはっきりしないままに定着した“ニュージェネレーション”。そんな言葉が業界に定着する前から新世代の最先端を駆けているのが平山だ。

 平成21年度の最優秀新人賞を女子で初めて受賞。13年の尼崎60周年で女子2人目の混合G1を制した。同年12月にはクイーンズクライマックスもV。平山に求められているのは、女子の枠を飛び越えたボート界最前線での活躍だ。

 「京極賞はこれまで一番多く呼んでもらっている大会(5年連続6回目)なので、結果を出したいという気持ちはあります。最近の課題は勝負どころでのスタート。準優、優勝戦のここ一番で行けていないので」

 4月の当地戦では準優が逆転勝ち。優勝戦は先頭を追い詰める惜敗の準Vだった。地元戦では早い段階から高いレベルで機力を出してくる。課題を克服して上位争いに食い込みたい。

◆貫く“一走入魂” 対応力でも存在感見せる木村
 年間10節前後、今年も今回で4回目のG1参戦となる木村だが「毎回、これが最後のG1と思って走っている」と“一走入魂”のスタイルを貫く。もちろん、自分から最後にするつもりは毛頭なく、ボートレースの変革期に食らいついていく姿勢をみせる。

 「エンジンを出せれば勝てる時代は終わったと思います。近代ボートに合わせて自分のパターン、自分らしい走り方で結果を出したい。もう一回、SGに返り咲けるように基礎体力をつけておきたい」

 オーナープロペラ制度の復活に出力低減モーターの導入。変化を続けるボート界の流れに独自の方法で対応している。木村のレーススタイルというと、西島義則からインを奪って優勝した11年前のこの大会が象徴的だが「自分も進化して王道で勝負できるようになりたい」と意気込む。策を練って2回目の京極賞制覇をもくろむ。

◆2月にG1初制覇 地力強化著しい市橋
 5年前に悔しさを味わったのもここなら、努力が結実したのもここだった。2月の四国地区選手権でG1初優勝を決めた市橋にとって丸亀は、鳴門が休催中だけに地元同然の水面だ。

 「5年前(の四国地区選手権)は優勝戦1号艇で負けた。このときから『いつかG1を勝ちたい』と思うようになった。それが大好きな丸亀で達成できてうれしいです」

 優勝戦は【2】着(Vは笠原亮)に敗れたが、4月桐生MB大賞は優勝戦1号艇。田中信一郎や山崎智也、魚谷智之を相手に主役を張った。全国のトップと渡り合える地力をつけているだけに今回も楽しみだ。

◆好調のカギは「リラックス」 香川女子担う鎌倉
 8月に当地で行われるレディースチャンピオンには“主役”として登場する可能性が高くなった。3月蒲郡に始まり、同浜名湖、4月戸田とオールレディースを3連覇。女子賞金ランクで3位まで浮上した。

 4月末が区切りだった15年後期適用の新勝率は7・78をマーク。自己最高に加えて、初の女子No・1の座に輝いた。最近の好調の要因を「リラックスして走れている」と話す鎌倉。1年4カ月ぶりのブルーナイターでも、平山&平高の香川女子ツートップに負けない輝きを放ってシリーズを盛り上げること間違いなしだ。

◆先行予想
 直前の住之江GW戦を制して今年初Vの松井は、まさに“新期一転”の好スタートを決めた。今節は低出力から従来型のモーターに戻るが、うまく対応して今年のG1初Vを狙う。

 太田は60、61周年記念を連覇。昨年は不出場で事実上の“3連覇”を狙う。田中は昨年のオーシャンカップで優出。優勝した吉田拡郎と節イチを争うパワーに仕上げた。鳴門、児島でのG1優勝はあるが、意外にもまるがめではない。今回初優勝を狙う。

 地元・香川勢は今年は8人が出場。ダブルドリームに選出された森高、重成が両輪となる。森高は1月住之江周年のFが尾を引いて精彩を欠いていたが、F休み明け2戦目で全開といきたい。4年前の京極賞初Vのときも5月開催だった。重成は地元G1との相性が抜群。昨年の62周年、今年の四国地区選手権に続く優出、それ以上を狙う。

 今年のメンバーは当地で良績を残している選手が多く集まった。昨年のオーシャンカップ覇者の吉田、おととしのメモリアル覇者の毒島は、それぞれダブルドリームに選出された。同じくドリームに乗っている浜野谷は、当地オーシャンカップで2回の準V。暑い時期に強いのが特徴だ。

 白井は前期2本のF。月末のオールスター後に60日の休みが控えている。今年の中国チャンプで、他のG1でも好成績を残す。当然侮れない。G1復帰戦の中島や、昨年のG3戦で準Vの借りを返したい赤岩、今年G1・2Vと乗れている平本にも注目だ。

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