患者体験のプラットフォームである NexHealth は Stripe connect を導入して決済額の記録を更新

サンフランシスコに拠点を置く NexHealth は患者体験のプラットフォームです。予約管理から患者のメッセージや請求のデジタルフォーム化など、歯科医と診療医に必要なあらゆる管理に対応します。このプラットフォームはほとんどの実務管理システムと簡単に同期できるため、患者体験を総合的にデジタル化し、自動化できます。

使用製品

    Connect
    Payments
    Sigma
    Financial Connections
北アメリカ
プラットフォーム

課題

NexHealth は 2017 年の創業以来、デジタルを活用した患者対応ソリューションで多忙な歯科医や診療所の業務刷新に貢献してきました。年中無休の予約機能、デジタル問診票、自動コミュニケーションに加え、テキストメッセージによる患者向けの便利な支払い機能を備えたツールを提供することで、診療所が効率的に事業を成長させ、患者に優れた体験を提供することを可能にしました。多くの診療所が、予約の増加、再診率の引き上げ、スタッフの生産性と定着率の増加を目指して、こうしたデジタル機能を積極的に導入するようになりました。

2023 年末までに、NexHealth の利用者は 1 万件を超えました。サービスの主な利用者は歯科医院でしたが、対象を他の分野の医療機関にも拡大すれば、さらに成長できる可能性があると考えました。ところが、同社のプラットフォームの一部であるオンライン決済ツールは、急速な成長に対応しきれていませんでした。

NexHealth は歯科医がテキストメッセージやメールを使用して患者に支払いを依頼できるシンプルなサービスを構築していました。しかし、経営陣は、会社の成長に伴い、既存の製品では新しい分野の医療機関に対応できなくなるのではないかとの懸念を抱いていました。利用者からは拡張性のある、より優れた決済ソリューションを求める声が高まっていたのです。それを実現するには、 NexHealth の患者向けプラットフォームとシームレスに連携するだけでなく、忙しい医療機関でも簡単かつ迅速に導入できる決済テクノロジーが必要でした。

さらに、NexHealth は Apple Pay や Google Pay、ACH といった新たな決済手段も提供したいと考えましたが、以前のプロバイダーはこうした決済手段に対応していませんでした。システムのデータ容量も限られていたことから、支払いの傾向を分析したり、利用者が必要とするレポートを提供したりすることも困難でした。NexHealth の決済・大企業エンジニアリングマネージャーである Ben Le Cam 氏は次のように述べています。「利用者からは、より高度な機能を求める声が寄せられていたので、製品を拡張して機能を追加したいと考えました。私達の目標はどんどん膨らみましたが、決済システムはその目標に対応できるものではありませんでした」

解決策

NexHealth は患者向けプラットフォームのオンライン決済機能を強化するために、Stripe Connect を選択し、1 万件の歯科医院が患者から支払いを回収できるよう支援。さらに、Stripe の Payment Element も導入し、さまざまな決済手段をサポートする埋め込み可能なユーザーインターフェイスを提供することで、同社の長期的な計画に対応できるようにしました。

Connect を使用すると、各診療所の連結アカウントを簡単に作成できるため、複数の当事者間 (患者から NexHealth、NexHealth からさらに歯科医院) で資金の確実な移動が可能になりました。新しい連結アカウントを簡単に作成できるようになったことは、オンライン決済サービスの拡張性の向上につながりました。

また、Connect では、技術と実装のオプションを豊富に取り揃えているため、システムの移行中に顧客への影響を最小限に抑えることができます。たとえば、移行プロセスでは、以前のプラットフォームで発行された未払いの支払いに対するリクエストを考慮しなければなりません。患者がこうした未払いの請求書を確実に支払えるようにするために、NexHealth は Stripe Payment Intents API を使用して、既存の支払いリクエストを新しい Connect アカウントに関連付けました。

Stripe のソリューションは柔軟性があるため、診療所は素早くアカウント登録を済ませることができました。Connect の標準機能と、カスタマイズのオプションを組み合わせることで、NexHealth は構築済みのフローを使用して既存の診療所を即時に登録する一方、新規利用者向けにカスタムのアカウント登録体験を構築できるようになりました。NexHealth はこうした柔軟性を生かして、Connect の導入が完了する前に診療所のアカウント登録プロセスを開始し、特に決済額が大きいユーザーには、新しい決済システムにアカウントを事前登録するよう促しました。

顧客向けのフローをスピーディーかつシンプルなものにするために、NexHealth の開発者は Stripe の最適化された決済プロダクトの一部である埋め込み型 Payment Element を既存の決済リクエストとオンラインコンポーネントに追加しました。今では、患者は診療所のウェブサイトで支払うか、テキストメッセージまたはメールで受け取った請求書に記載された支払いボタンをクリックすると、NexHealth が対応している決済オプションが Payment Element によって自動的に表示されるようになりました。NexHealth が新しい決済手段を追加するたびに、決済フローにその決済手段が即時に表示されます。

NexHealth は患者向けの機能を向上させただけでなく、請求と決済のプロセスをこれまでよりも確実に把握できるようになりました。Stripe プラットフォームのユーザーである NexHealth は Stripe ダッシュボードにアクセスできるため、同社の利用者全員の決済データを詳細に把握して、決済を監視しながら問題が発生したときには効率的に対応することが可能です。これは、以前のペイメントプロバイダーではできなかったことです。さらに、NexHealth では Stripe Data Pipeline も使用しているため、決済データをデータウェアハウスに送信して、そこから利用者向けのレポートを作成できます。

結果

サービスを中断させることなく、決済プラットフォームの移行が 2 カ月で完了

Connect の詳しいドキュメントと API を活用し、柔軟な実装オプションを組み合わせることで、NexHealth は以前の決済代行業者からの移行を 2 カ月で完了することができました。

未払いの支払いリクエストに API 連携を使用して、古いリクエストを含め、すべての支払いが問題なく確実に処理されるようにしました。移行前の 4 週間で、既存の決済額の 95% を占める利用者のアカウント登録を完了させた結果、診療所は新しいプラットフォームにスムーズに移行することができました。

月次の決済処理額が過去最高を記録

Payment Element を利用して患者が簡単に請求書を支払えるようにしたことで、NexHealth の決済処理額は前年から 2 倍に増加し、月次の処理額は過去最高を記録しました。同社のプロダクトマーケティング責任者の Matthew Cameron 氏は次のように述べています。「当社にとっては大きな節目であり、今後の成長にも期待がもてます」

Payment Element を利用することで、NexHealth は Apple PayGoogle Pay など多くの決済手段を追加のコーディングなしで簡単に導入することができました。患者の 20% は Apple Pay が利用可能になった最初の 1 週間以内に、この決済手段で支払うことを選択しました。そのため、診療所はこれまでよりも早く支払いを受け取れるようになりました。

月次の入金照合レポートの作成

Data Pipeline を導入したことで、NexHealth はかねてから要望のあった月次の入金照合レポートを利用者に提供できるようになりました。同社のプロダクトマネージャーである Harry Xue 氏は次のように述べています。「多くの顧客は、月次レポートに記載された金額と、実際に銀行口座に入金された金額を照合したいと考えています。そのレポートを非常に簡単に提供できるようになったのは、Stripe Data Pipeline を利用したからです」

請求製品の改善が NexHealth のビジネスモデルに新たな機会を提供

Connect の導入によってさまざまな機能が向上したことで、NexHealth Payments は歯科医や医療機関にとってさらに魅力的な選択肢となりました。以前は、決済サービスを単独ではなく、他のサービスと組み合わせて提供していましたが、Stripe を使用して機能を強化した結果、NexHealth Payments を独立したプレミアム製品として販売できるようになりました。

シンプルな料金体系

手数料によるわかりやすくシンプルな料金。 初期費用や月額費用の固定費はありません。

簡単に導入開始

わずか 10 分程度で Stripe に登録し利用開始できます