NEK!が鳴らす、SNS世代における「リアル」とは──2nd EP「TR!CK TAK!NG」クロス・レヴュー

結成から半年経たずして2024年7月にリリースした1st EP「EXCLAMAT!ON」では、“スラング・ロック”という新たなジャンルを打ち立て、一挙に注目を集めた4人組ガールズ・ロック・バンド、NEK!(読み:ネキ)。そんな彼女らが放つ2nd EP「TR!CK TAK!NG」は、SNSを利用したことのある人なら誰でも共感するであろうインターネットの世界における“陰”を、超絶技巧の演奏に乗せて痛快に暴いていくコンセプトEPだ。そして現実世界とSNSの狭間で浮かび上がる「リアル」の実感とは、一体どこにあるのか──。
ライター宮崎大樹と阿部美香による、「デジタル・ネイティヴ世代に響くNEK!の魅力」、「本作で展開されるストーリーと楽曲の魅力」のふたつの視点で執筆されたレヴューをお届けする。
ネット社会へのアイロニーから明るい未来へ横断するNEK!
REVIEW
デジタル・ネイティヴ世代は幸か不幸か?
Text by 宮崎大樹
「インターネットの海では悲劇的なことばかりが起きているように感じてしまう。だがしかし、NEK!のメンバーを繋げた存在も、またインターネットなのだ──」。なぜNEK!の音楽がデジタル・ネイティヴ世代へ響くのか、ライター宮﨑大樹が解き明かします。
NEK!と“私達の今”を映し出すコンセプトEP
Text by 阿部美香
怒りすら感じる超絶技巧な演奏で、ネット上の日常における「リアル」を生々しく鳴らすNEK!。その「リアル」の実態とは何なのか? ネットを利用するすべての世代の人が共感できるであろう本作の魅力を、ライター阿部美香が明快に解説します。