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【読書コラム】死ぬほど辛い失恋の悲しみが回復していく過程を記録したレジリエンスなアート作品 - 『限局性激痛』ソフィ・カル(著), 青木真紀子, 佐野ゆか(訳)
恋人にフラれたときって世界の色がモノクロに変わってしまうほど辛いものである。自分が生まれてきた意味すら壊れてしまって、これからどうやって生きていけばいいのかわからなくなる。 なにをしていてもフラれたという事実に頭を支配され、心ここに在らずで目がまわる。食欲はなくなり、お笑い番組を見ても笑えない。街ゆく人たちに「お前らは幸せでいいよな」と悪態をつきたくなるほど、自分がこの世で一番不幸なんだと本気で悲しくなってしまう。 もう死んだっていい。そんな投げやりな気持ちでほとん
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感想 パンとペンの事件簿 柳 広司 面白かった。続編希望。大いに逆さまの事件と大逆事件を茶化す左翼の新聞社に助けられた男が自分の事件も含めて四つの謎を解き明かす物語。
時代は、大正デモクラシー。 長時間労働で社長に文句を言ったらフルボッコにされ解雇に。 彼は、左翼の売文社の社長に助けられる。 ここで彼は臨時雇いの相談員、仕事は探偵みたいなことをやらされる。 四つの事件が発生し解決するというミステリー短編集だが、ミステリーとして読むと少し残念な感じになりますが、この時代の雰囲気や会話のテンポの楽しさや彼らの情熱が上手に表現されており、読むに値する楽しい物語になっています。 その会社の名前は売文社。 「文章に関する依頼であれば、何でも引き受
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