検索市場に変革を起こす「Perplexity」とは?
AIスタートアップ「Perplexity」をご存じだろうか。2022年に創業されてからわずか1年で評価額750億円に達した新進気鋭のテック企業である。
設立したのは、元Google AI研究者のアンディ・コンウィンスキー氏、アラヴィンド・スリニヴァス氏、デニス・ヤラッツ氏、ジョニー・ホー氏。本拠地はカリフォルニア。
出資者には、Amazon創設者のジェフ・ベゾス氏や元XのVPイラッド・ギル氏、元GitHubのCEOナット・フリードマン氏、ShopifyのCEOトビ・ルーク氏、Vercelの創設者ギレルム・ローチ氏など、錚々たる面々が名を連ねている。
Perplexityが注目を集める最大の理由は、Googleが独占的に支配している検索市場に対し、AIを活用して挑戦を試みている点だ。特に、ウェブインデックスや最新の情報を会話型AIチャットボット形式で提供する独自のアプローチや、チャットAIの運用に必要な大規模言語モデルを独自に開発する技術力が高く評価されている。
チャットボットでは、質問に答えるだけでなく、関連するフォローアップ質問を提案する機能があり、複数のインタラクティブな検索と要約された結果を活用して、ユーザーを効果的にガイドする。このため、特に複雑なトピックを調べる際に、従来の検索よりも利便性が高いと評価されている。
基本利用料は無料で、iOSやAndroidアプリから手軽にアクセスできることもあり、ユーザー数は順調に増加中。ただし、無料プランでは検索回数が4時間ごとに5回に制限。一方、月額20ドルの有料プランでは、1日300回以上の検索が可能だ。
公式サイトは英語表記だが、チャットボットは日本語を含む多言語対応しており、日本語でも使用できる。回答が英語で返ってくる場合もあるものの、その際はAIに指示して日本語に翻訳させることが可能だ。
また、情報の出典を明示してくれる点もPerplexityの大きな特徴である。AI技術が急速に進化する一方で、誤情報の拡散リスクが懸念されている中、この透明性は信頼性を高める重要な要素だ。
さらに、Perplexity AIでは検索の際に「Focusオプション」を利用することで、回答の情報源を絞り込むことができる。たとえば、学術論文など信頼性の高いアカデミックなソースに基づく回答や、インターネット上の一般情報源に依存しない回答、あるいはWikipedia、YouTube、Redditなど特定のプラットフォームに限定された情報を元にした回答を得ることができる。