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手筋 (囲碁)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

手筋(てすじ)とは囲碁用語の一つで、通常より大きな効果を挙げることのできる着手のことである。多くの場合、平凡な発想では達し得ない、やや意外性を含んだ効果的な手を指すことが多い。単に「筋」(すじ)と呼ぶこともある。

将棋では「駒の働きを最大限に引き出す局所的な使い方」という意味で使われる[1]

概要

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手筋には、相手の石を取る手、自分の石が生きる手、連絡を図る手、攻め合いに勝つ手、を整える手、相手のを削減する手、先手を取る手などが含まれる。これらはツケハサミツケトビツケハナヅケツケコシオキワリコミキリハネオサエコスミコスミツケサガリゲタシチョウワタリ捨て石、目を欠く、アテコミオイオトシダメヅマリシボリオシツブシトビなどの形で現れる。

手筋ではない筋の悪い手を俗筋、イモ筋という。また一見手筋風の手、本物の手筋の一路違いだが効果がない手を筋違い・異筋などと称することがある。

依田紀基は、手筋をより合理的に定義できる「筋場理論」を提唱している。

棋力の向上には部分的な死活を問う詰碁と共に有効であるとされ、様々なレベルの手筋だけを反復練習する本が多数出版されている。

手筋の例

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相手の石を取る手筋の例として「鶴の巣ごもり」と呼ばれる手がある。図のように、白△とトビ出して3子を逃げだそうとした場合である。

これに対し、トンだ石の間の黒1へワリコむのが手筋である。白2と逃げようとしてきたら、黒はaにツガず、黒3に切る。1子のアタリに構わず切る発想の飛躍が、手筋たるゆえんである。

白は白1と1子を取りつつ逃げるしかないが、ここで黒2とアテれば全体がオイオトシとなり、白は脱出できない。

石を取る手筋の例

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筋場理論

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  • 提唱する依田紀基によれば、「筋場理論」は「碁の歴史を変えるほどの大発見である筋の根本原理である」理論である。
  • 筋場とは、石が2つ以上並んだ瞬間に存在するもので、「2つ以上石が並んだ、相手の石がない側の1路横」、つまりアキ三角になる場所のことである。
  • 手筋とは、「利き筋を手順よく利用して、相手の石を筋場に持って来て石の働きをよくする打ち方、あるいは自分の石が筋場にこない、そういう形を目指す打ち方」とできる。なお、碁の筋には、①筋場理論と②ダメ詰まり(ウッテ返し系)があり、筋場が手筋になる場合もある。

参考図書

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  • 月刊碁学編『ひと目でわかる「本筋・俗筋」対照表 (マイコミ囲碁文庫シリーズ)』2008年
  • 『新・早わかり手筋小事典』日本棋院
  • 『手筋大事典』日本棋院
  • 瀬越憲作呉清源『手筋事典 上・中・下』誠文堂新光社
  • 藤沢秀行『基本手筋事典 上・下』日本棋院
  • 山下敬吾『新装版 基本手筋事典』日本棋院
  • 石田芳夫『これが手筋だ』(全三巻)大泉書店
  • 依田紀基『マイコミ囲碁ブックス 石の効率がぐんぐん良くなる本』マイコミ

脚注

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関連項目

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