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奈良市

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ならし ウィキデータを編集
奈良市
奈良市の旗 奈良市章
奈良市旗
1977年2月10日制定[1]
奈良市章
1903年5月5日制定[2]
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 奈良県
市町村コード 29201-0
法人番号 4000020292010 ウィキデータを編集
面積 276.94km2
総人口 347,463[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 1,255人/km2
隣接自治体 生駒市大和郡山市天理市桜井市宇陀市山辺郡山添村
京都府木津川市相楽郡笠置町精華町南山城村
三重県伊賀市
市の木 イチイガシ
市の花 ナラノヤエザクラ
市の鳥 ウグイス
奈良市役所
市長 仲川元庸
所在地

630-8580
奈良県奈良市二条大路南一丁目1番1号[3]
北緯34度41分06秒 東経135度48分17秒 / 北緯34.685度 東経135.80478度 / 34.685; 135.80478座標: 北緯34度41分06秒 東経135度48分17秒 / 北緯34.685度 東経135.80478度 / 34.685; 135.80478
奈良市役所

地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

奈良市位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

奈良市(ならし)は、奈良県部に位置する。奈良県の県庁所在地及び人口が最多の市であり、中核市に指定されている。

奈良時代が置かれたことから古都と呼ばれる。また、京都に対して南都とも呼ばれた[4]

地理

奈良市は、奈良県北部の奈良盆地北端にある。市街地の標高は約60mである[5]。市東部は大和高原の一部をなし、標高300mから600m級の高地が続く。市街の北は古代に平城山(ならやま)と呼ばれた丘陵地帯で京都府と接している。平城山を越えて山城と通じる奈良坂は古くからの重要交通路の一つ。

市域は東西に広く、(1) 東部の山間地、(2) 文化財を多数抱え国際観光文化都市としての顔を持つ中東部の中心市街地、(3) 大阪衛星都市ベッドタウンとしての性格を持ち住宅地として開発が行われてきた西部と、複数の顔を持ち、同じ市内でありながら地域の雰囲気、住民の指向は違いを見せる。

白毫寺から見た奈良盆地
奈良市中心部周辺の空中写真。
2008年5月15日撮影の25枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

都市名の由来

古くは、今の奈良市域を添(そほり)と称した。

市街地が広がる一帯は平坦な地形で、この均(なら)したような地形が「奈良」の都市名の由来となったのではないかとする説が有力である。

現在の漢字表記は「奈良」だが、古文書などの中では「那羅」「寧楽」「平城」とも表記されている。

気候

瀬戸内海式気候内陸性気候を併せ持つ。 市街は盆地に位置するため、夏と冬、そして1日の気温差が大きい。 同じく盆地の京都から約40km南に位置するものの標高が高く(京都地方気象台:標高41m、奈良地方気象台:標高102m)、冬季の気温は京都より低い。

  • 気温 - 最高39.3℃(1994年(平成6年)8月8日)、最低−7.8℃(1977年(昭和52年)2月16日
  • 最大降水量 - 196.5ミリ(2017年(平成29年)10月22日
  • 最大瞬間風速 - 47.2メートル(1979年(昭和54年)9月30日
  • 最深積雪 - 21センチ(1990年(平成2年)2月1日
  • 夏日最多日数 - 153日(1994年(平成6年)、2019年(令和元年)、2022年(令和4年))
  • 真夏日最多日数 - 90日(2023年(令和5年))
  • 猛暑日最多日数 - 30日(2010年(平成22年))
  • 熱帯夜最多日数 - 33日(2018年(平成30年))
  • 冬日最多日数 - 90日(1984年(昭和59年))


奈良市(奈良地方気象台)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 18.9
(66)
23.9
(75)
26.4
(79.5)
30.5
(86.9)
33.6
(92.5)
36.5
(97.7)
38.1
(100.6)
39.3
(102.7)
36.9
(98.4)
32.0
(89.6)
27.5
(81.5)
24.9
(76.8)
39.3
(102.7)
平均最高気温 °C°F 9.0
(48.2)
10.0
(50)
14.0
(57.2)
20.0
(68)
24.7
(76.5)
27.4
(81.3)
31.3
(88.3)
33.0
(91.4)
28.5
(83.3)
22.6
(72.7)
16.8
(62.2)
11.4
(52.5)
20.7
(69.3)
日平均気温 °C°F 4.2
(39.6)
4.7
(40.5)
8.0
(46.4)
13.5
(56.3)
18.5
(65.3)
22.2
(72)
26.2
(79.2)
27.3
(81.1)
23.2
(73.8)
17.2
(63)
11.4
(52.5)
6.4
(43.5)
15.2
(59.4)
平均最低気温 °C°F 0.1
(32.2)
0.1
(32.2)
2.7
(36.9)
7.7
(45.9)
13.0
(55.4)
17.9
(64.2)
22.2
(72)
23.0
(73.4)
19.1
(66.4)
12.8
(55)
6.8
(44.2)
2.2
(36)
10.6
(51.1)
最低気温記録 °C°F −7.0
(19.4)
−7.8
(18)
−5.0
(23)
−2.4
(27.7)
1.4
(34.5)
7.3
(45.1)
12.2
(54)
12.8
(55)
7.7
(45.9)
2.3
(36.1)
−2.6
(27.3)
−6.6
(20.1)
−7.8
(18)
降水量 mm (inch) 52.4
(2.063)
63.1
(2.484)
105.1
(4.138)
98.9
(3.894)
138.5
(5.453)
184.1
(7.248)
173.5
(6.831)
127.9
(5.035)
159.0
(6.26)
134.7
(5.303)
71.2
(2.803)
56.8
(2.236)
1,365.1
(53.744)
降雪量 cm (inch) 1
(0.4)
3
(1.2)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
5
(2)
平均降水日数 (≥0.5mm) 7.6 8.2 11.2 10.6 10.8 13.0 12.2 9.0 11.4 10.1 8.1 7.9 120.1
平均降雪日数 (≥0cm) 11.5 11.8 4.7 0.2 0 0 0 0 0 0 0.1 5.5 33.9
湿度 70 69 67 65 68 75 76 73 76 77 76 73 72
平均月間日照時間 115.2 116.8 156.4 179.0 189.5 136.6 158.8 204.4 152.8 152.1 135.1 124.4 1,821.1
出典:気象庁(平均値:1991年 - 2020年、気温極値:1953年 - 現在)[6][7]


針(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 16.1
(61)
18.3
(64.9)
24.3
(75.7)
27.4
(81.3)
30.8
(87.4)
34.2
(93.6)
35.7
(96.3)
36.0
(96.8)
33.8
(92.8)
29.4
(84.9)
24.4
(75.9)
22.2
(72)
36.0
(96.8)
平均最高気温 °C°F 5.4
(41.7)
6.4
(43.5)
10.7
(51.3)
16.7
(62.1)
21.7
(71.1)
24.5
(76.1)
28.4
(83.1)
29.9
(85.8)
25.6
(78.1)
19.7
(67.5)
14.0
(57.2)
8.2
(46.8)
17.6
(63.7)
日平均気温 °C°F 1.3
(34.3)
1.7
(35.1)
5.1
(41.2)
10.6
(51.1)
15.7
(60.3)
19.5
(67.1)
23.5
(74.3)
24.3
(75.7)
20.4
(68.7)
14.4
(57.9)
8.6
(47.5)
3.5
(38.3)
12.4
(54.3)
平均最低気温 °C°F −2.6
(27.3)
−2.7
(27.1)
−0.3
(31.5)
4.4
(39.9)
10.0
(50)
15.3
(59.5)
19.7
(67.5)
20.1
(68.2)
16.2
(61.2)
9.7
(49.5)
3.5
(38.3)
−0.8
(30.6)
7.7
(45.9)
最低気温記録 °C°F −11.8
(10.8)
−12.2
(10)
−7.9
(17.8)
−5.8
(21.6)
−0.8
(30.6)
3.7
(38.7)
10.6
(51.1)
10.6
(51.1)
4.0
(39.2)
−2.0
(28.4)
−5.9
(21.4)
−8.9
(16)
−12.2
(10)
降水量 mm (inch) 61.8
(2.433)
67.2
(2.646)
116.0
(4.567)
110.6
(4.354)
149.6
(5.89)
208.6
(8.213)
209.7
(8.256)
143.1
(5.634)
189.5
(7.461)
163.9
(6.453)
85.8
(3.378)
62.9
(2.476)
1,566.3
(61.665)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 8.4 8.7 11.5 10.5 10.9 13.2 12.5 9.5 11.3 10.4 8.5 8.3 123.7
平均月間日照時間 103.9 111.3 149.0 178.6 192.1 139.6 165.4 197.1 141.2 147.3 137.4 121.0 1,783.2
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[8]

歴史

平城京の復元模型(奈良市役所の展示物)
東大寺
薬師寺
興福寺
柳生一族の墓
芳徳寺柳生一族墓所)
氷室神社
氷室神社

※市制施行以前の市域の歴史については、奈良も参照

古代

奈良市街地の西にはウワナベ古墳など5世紀の巨大古墳が築かれ、佐紀盾列古墳群を形成している。『和名抄』に見える大和国添上郡山村郷、楊生郷、八島郷、大岡郷、春日郷及び添下郡佐紀郷、鳥貝郷の地であった。

現在の市域周辺が日本史の舞台に登場するのは、710年藤原京から平城京に遷ってからのことである。その後、何度か短期間の遷都があったものの長岡京に遷る784年まで、この地が日本の中心となっていた。長岡京への遷都後も、東大寺薬師寺興福寺などの仏教寺院勢力がこの地域に残り、南都と呼ばれた。

中世

中世になってからも、興福寺が大和守護職に任じられるなど広大な荘園を有する仏教寺院勢力は依然として影響力を保持していた。むしろ大寺院の勢力は戦乱の時代においてこそ影響力が大きく、そのために何度か戦火に見舞われた。2度の大仏焼失事件(南都焼討東大寺大仏殿の戦い)などはその象徴的な出来事といえる。 しかし、室町時代から戦国時代にかけて、他国および近在の所領も含めて在地の大和武士団が実効的な支配を行うようになったために大寺院の勢力は衰えた。

近世

17世紀初頭の奈良町絵図

江戸時代には江戸幕府奈良奉行が設置されて天領として徳川家の直接支配地になった。江戸時代寺町の雰囲気を残すのが奈良町(ならまち)である。また、現在の市域の南部は伊勢国津藩の飛び地(古市町付近が藤堂家の領地)であった。同じく奈良市域の北東部は柳生藩の領地となっていた。

近代

太平洋戦争中は同じ宗教都市である京都市と共に大規模な空襲は受けなかったため、21世紀令和現在も多くの文化遺産が残されている。

明治
  • 1889年明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、添上郡奈良町[注釈 1]・奈良坂村・般若寺村・川上村・雑司村・水門村・春日野村・紀寺村・高畑村・京終村・肘塚村・木辻村・城戸村・油坂村・杉ヶ村・三条村・芝辻村・畠中村の区域をもって奈良町が発足。
  • 1898年(明治31年)2月1日 - 添上郡奈良町が市制施行して奈良市となる。
  • 1903年(明治36年)5月5日 - 市章を制定[9]
大正

近現代

昭和(戦前)
奈良觀光市街地圖、1936年(昭和11年)
昭和(戦後)

現代

平成
令和

市域の変遷

明治
22年
明治
29年
明治
31年
大正
12年
昭和
2年
昭和
15年
昭和
25年
昭和
26年
昭和
28年
昭和
30年
昭和
32年
昭和
43年
平成
3年
平成
17年
現在
奈良県
添上郡 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市
奈良町
佐保村
添下郡 生駒郡
都跡村
添上郡
大安寺村
東市村
添下郡 生駒郡
伏見村 伏見町
富雄村 富雄町
添上郡
帯解村 帯解町
明治村
五ヶ谷村
辰市村
平和村
田原村
大柳生村
柳生村
東里村
狭川村
月瀬村 月ヶ瀬村
山辺郡
針ヶ別所村 都祁村* 都祁村*
都介野村
  • 都祁村は平成3年に改称(平成3年までは「祁」の示偏が「示」、平成3年以降は示偏が「ネ」)

行政

市長

歴代市長

氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 安元彦助 1898年(明治31年)2月1日 1898年(明治31年)4月22日
2 桐島祥陽 1898年(明治31年)4月23日 1898年(明治31年)7月18日
3 大森吉兵衛 1898年(明治31年)9月2日 1902年(明治35年)1月13日
4 李田登太 1902年(明治35年)4月9日 1905年(明治38年)3月16日
5 松井元淳 1905年(明治38年)4月29日 1908年(明治41年)2月20日
6 木本源吉 1908年(明治41年)4月2日 1911年(明治44年)10月13日
7 西庄久和 1911年(明治44年)11月22日 1919年(大正8年)5月26日
8 佐川福太郎 1919年(大正8年)7月22日 1925年(大正14年)3月10日
9 大国弘吉 1925年(大正14年)8月12日 1929年(昭和4年)8月11日
10 森田宇三郎 1929年(昭和4年)8月29日 1933年(昭和8年)8月28日
11 石原善三郎 1933年(昭和8年)9月25日 1937年(昭和12年)9月24日
12 松井貞太郎 1937年(昭和12年)10月8日 1939年(昭和14年)10月9日
13 瀧清麻吉 1939年(昭和14年)10月14日 1945年(昭和20年)12月10日 助役経験者
14 石川清蔵 1946年(昭和21年)6月24日 1946年(昭和21年)11月16日 助役経験者
15 片岡安太郎 1947年(昭和22年)4月6日 1951年(昭和26年)4月5日 助役経験者
16 高椋正次 1951年(昭和26年)4月24日 1967年(昭和42年)4月30日
17 鍵田忠三郎 1967年(昭和42年)5月1日 1980年(昭和55年)9月6日
18 木山弘 1980年(昭和55年)9月28日 1984年(昭和59年)9月27日 収入役・助役経験者。三重県出身。
19 西田栄三 1984年(昭和59年)9月28日 1992年(平成4年)9月27日 助役経験者
20 大川靖則 1992年(平成4年)9月28日 2004年(平成16年)9月27日 収入役・助役経験者
21 鍵田忠兵衛 2004年(平成16年)9月28日 2005年(平成17年)7月13日
22 藤原昭 2005年(平成17年)7月31日 2009年(平成21年)7月30日
23 仲川元庸 2009年(平成21年)7月31日 現職

市庁

1889年(明治22年) 町村制施行により奈良町が発足、役場が東寺林町の柳生藩邸跡に置かれた[12]市制施行以降も1977年(昭和52年)まで同地に庁舎があった。同年2月11日に二条大路南1丁目の現庁舎へ移転した[13]。奈良市では市役所を「奈良市庁」と称する。

議会

市議会

奈良県議会

  • 選挙区:奈良市・山辺郡選挙区
  • 定数:11人

衆議院

奈良県第1区
  • 選挙区:奈良1区(奈良市(旧都祁村域を除く)、生駒市
  • 投票日:2021年10月31日
  • 当日有権者数:395,066人
  • 投票率:61.30%
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
馬淵澄夫 61 立憲民主党 93,050票
比当 小林茂樹 57 自由民主党 83,718票
比当 前川清成 58 日本維新の会 62,000票
奈良県第2区
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
高市早苗 60 自由民主党 141,858票
猪奥美里 41 立憲民主党 54,326票
宮本次郎 46 日本共産党 23,285票

姉妹都市・提携都市

国内

姉妹都市
その他
  • 日本の旗全国門前町サミット - 全国の神社仏閣を中心に発展してきた門前町を有する自治体・観光協会・商業関係者などが集まり地域活性、街作り推進のため開催する会議。

国外


経済

奈良市は県庁所在地であるため国の機関や各種金融機関、大企業の支店が集積し、多くは近鉄奈良駅新大宮駅の周辺に集中している。奈良市に本社を置く企業には南都銀行や、県内でバス事業を展開する奈良交通がある。また、奈良県一円に鉄道網や百貨店、不動産などの関連事業を展開する近畿日本鉄道(近鉄)及び近鉄グループも奈良市の経済に大きな影響力を持ち、グループ企業である奈良交通とともに観光産業と密接な関係を持っている。

年間観光客数は約1400万人に及ぶが、近年の奈良観光は修学旅行を含め京都市や大阪市の宿泊先から日帰りで行われることが多く、宿泊施設は部屋数・稼働率とも全国的にみて低い。

大規模商業施設はならファミリー近鉄百貨店)、パラディミ・ナーラがあり、高の原駅前、学研奈良登美ヶ丘駅前ではイオンモールが営業している。また、大和郡山市には、奈良市との市境に接する形で営業しているショッピングモールが存在する。市内の商店街に東向商店街、もちいどのセンター街、小西さくら通り商店街などがある。飲食店などは近鉄奈良駅JR奈良駅周辺、三条通り、新大宮駅周辺に多く、学園前や押熊の幹線道路沿いにも各種店舗が立地している。

筆・墨などの伝統地場産業が存続しているが、経済的な規模は大きくない。市内南部に大和ハウス工業積水化学工業スケーター、第一化工などハウスメーカーやプラスチック製品企業の大型工場が稼働している。

郊外住宅地の開発は戦前から行われていたが、1950年以降、学園前駅を中心とした平城宮跡以西の地域において、近鉄グループを中心とした民間企業主導の宅地開発が本格化した。1972年には市北端の 平城山丘陵にて、日本住宅公団 が関西で初期に手掛けた大規模ニュータウンである 平城・相楽ニュータウンへの入居が始まった。その後も市の郊外一円で宅地開発が進み、特に近鉄奈良線近鉄けいはんな線近鉄京都線沿線は大阪市のベッドタウンとなっているため大阪市への通勤・通学者(いわゆる奈良府民)が多い。

2010年に開催された平城遷都1300年祭を機にJR奈良駅周辺連続立体交差事業が行われ、市内の景観は1988年のなら・シルクロード博覧会以降大きく変化した。同時期に平城宮跡第一次大極殿の復原、薬師寺や興福寺における伽藍復元などの文化財整備も行われた。その後も、2020年東京オリンピック2025年大阪・関西万博、2037年に予定されるリニア中央新幹線全線開業などに伴う観光需要の増加を見込み、市内各地で宿泊施設の整備が進んでいる。

本社を置く主要企業

国家機関

奈良地方裁判所

地域

人口

2000年の国勢調査で37万4944人を記録して以降は減少傾向となっている。

奈良市と全国の年齢別人口分布(2005年) 奈良市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 奈良市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
奈良市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 215,642人
1975年(昭和50年) 265,040人
1980年(昭和55年) 305,614人
1985年(昭和60年) 335,468人
1990年(平成2年) 357,178人
1995年(平成7年) 368,039人
2000年(平成12年) 374,944人
2005年(平成17年) 370,102人
2010年(平成22年) 366,591人
2015年(平成27年) 360,310人
2020年(令和2年) 354,630人
総務省統計局 国勢調査より

奈良市の人口

  • データ出典 奈良県統計課の調査による各年10月1日の人口。2005年に月ヶ瀬村と都祁村を編入し市域が拡大した。

県の機関

教育

奈良女子大学旧本館

大学・短期大学

国立
県立
私立

高等学校

県立
市立
その他公立
私立
廃校・統合(平成以降のみ)

中等教育学校

中学校

国立
県立
市立
私立

小学校

国立
市立
私立

通信

電話

  • 奈良市の電話番号の市外局番は奈良第1MAである「0742」で、都祁地区および月ヶ瀬地区は奈良第2MAである「0743」を使用しているが、奈良第1MAと奈良第2MAは同一市内扱いとなっているため、市内料金が適用される。旧奈良市域は1982年に市外局番が統一された。
  • 上記のほかの奈良第2MAの地域は、大和郡山市天理市生駒市山添村および京都府相楽郡笠置町南山城村大阪府四條畷市田原台地区であり、奈良第2MAからは市外局番なしで通話可能、また奈良第1MAからも市外局番が必要であるが市内料金で通話できる。

郵便

以上は集配局 ※奈良市内の郵便番号は以下の通り。

  • 630-80xx」「630-81xx」「630-82xx」「630-83xx」「630-84xx」=奈良市中心部・青山・尼ヶ辻・西の京・神殿・古市・帯解地区など。奈良中央局の集配担当。
  • 631-00xx」「631-08xx」=西大寺・あやめ池・学園前・富雄・登美ヶ丘・高の原地区など。奈良西局の集配担当。
  • 630-11xx」=須川・狭川地区など。須川局の集配担当。
  • 630-12xx」=柳生地区など。柳生局の集配担当。
  • 630-21xx」=水間・田原地区など。茗荷局の集配担当。
  • 630-23xx」=旧添上郡月ヶ瀬村域。波多野局(山添村)の集配担当。
  • 632-01xx」=旧山辺郡都祁村域、おおむね名阪国道より北側の地域。針ケ別所局の集配担当。
  • 632-02xx」=旧都祁村域、おおむね名阪国道より南側の地域。染田局(宇陀市)の集配担当。

交通

近鉄奈良駅
JR奈良駅
若草山・東大寺を背景に平城宮跡を通る近鉄特急

鉄道では、JR西日本が収める地域は少なく、西部の住宅地の通勤需要は専ら近鉄が担っている。市内の道路は交通量に比べて狭い道路が数多く見られ、休日には慢性的に渋滞が発生する。 47都道府県庁所在都市で唯一高速自動車国道がないが、一般有料道路(第二阪奈道路)で大阪都心部に接続する。また、長年ルート策定が難航していた市内を通る京奈和自動車道一般国道24号バイパス)の工事が2019年に着手された。

鉄道

JTB時刻表によると、中心駅はJR奈良駅とされているが、近鉄奈良駅の方が奈良公園などの主要な観光地に近く、乗降人員も近鉄奈良駅の方が多い。両駅は直線距離で約900m離れている。
  • 市役所の最寄駅:新大宮駅
  • 近畿地方の都道府県庁所在地では津市とともに路面電車が一度も存在しなかった都市である。ただし、かつて近鉄奈良線は油阪駅(現在は廃止)から近鉄奈良駅までの800mが併用軌道だった。

西日本旅客鉄道(JR西日本)

上記に加えて、木津駅京都府木津川市)を終点とする奈良線も同駅へ乗り入れる全列車が関西本線を経由して奈良駅へ乗り入れる。

※通常ダイヤにおいて、特急などの乗車券の他に別料金が必要な優等列車が走っていない。特に奈良県はJRの鉄道路線がある46都道府県で「JRの特急列車(旅客列車/定期列車)が1本も走らない」唯一の都道府県[注釈 2]でもあり、さらに2006年3月18日のダイヤ改正で急行「かすが」が廃止されると同じく46都道府県で「JRの優等列車(同上)が1本も走らない」唯一の都道府県となったが[注釈 3][注釈 4]2024年3月より平日限定で特急「らくラクやまと」が運転を開始したことにより、18年ぶりにJRの定期特急・急行列車が復活したほか[注釈 5]、民営化後では初のJR定期特急となった。また同じく急行「かすが」の廃止以降は奈良県内のJR線では気動車による旅客列車(定期列車)が1本も走っていない[注釈 6]

近畿日本鉄道

近鉄特急が市内から大阪、京都、橿原、伊勢志摩の各方面を結んでおり、特に東海道新幹線との連絡輸送を担う京都行きの特急は高頻度で運行されている。

バス

高速バス

  • 太字は奈良市内の停車地
  • 長期運休中の路線は除く
愛称名 運行会社 運行区間 昼/夜行
シルクライナー 日本中央バス 前橋市高崎市藤岡市 - JR奈良駅 夜行
グランドリーム 西日本JRバス
JRバス関東
TDL・東京(東京駅八重洲南口・バスタ新宿) - JR奈良駅 夜行
青春エコドリーム 東京(東京駅八重洲南口・バスタ新宿) - JR奈良駅 夜行
ドリームスリーパー東京・大阪奈良号 奈良交通
関東バス
東京(バスタ新宿) - 大和西大寺駅・JR奈良駅 夜行
ナイトライナー 東京富士交通 東京(バスタ新宿・BT東京八重洲)・横浜市YCAT) - JR奈良駅 夜行
やまと号 奈良交通 東京(バスタ新宿) - 大和高原都祁 夜行
(愛称名なし) 奈良交通 名古屋市名鉄BC) - 大和高原都祁・近鉄奈良駅・JR奈良駅 昼行
(愛称名なし) 奈良交通 関西国際空港 - 大和西大寺駅・奈良県コンベンションセンター・JR奈良駅 昼行
(愛称名なし) 奈良交通 大阪国際空港 - 大和西大寺駅・奈良県コンベンションセンター・新大宮駅・近鉄奈良駅・JR奈良駅 昼行

道路

奈良市内を通過する第二阪奈有料道路名阪国道、事業中の京奈和自動車道はいずれも高速自動車国道ではなく一般国道自動車専用道路であり、奈良市内には47都道府県庁所在都市で唯一高速自動車国道が存在しない。周辺には西名阪自動車道郡山IC天理ICがある。

一般国道

奈良市内の国道369号線

主要県道

一般県道

幹線市道

民間有料道路

空港

観光

奈良公園の鹿
唐招提寺金堂
西大寺本堂

旧跡

名勝

[14]

神社

寺院

その他の宗教施設

磨崖仏

地獄谷石窟仏

古道

祭・行事

平城宮朱雀門若草山の山焼き(2009年1月24日)
  • 春日大社万燈籠
    春日大社万燈籠
    若草山山焼き(1月)
  • 大安寺光仁会(1月)
  • 春日大社万燈籠 (2月、8月)
  • 東大寺修二会お水取り)(3月)
  • 西大寺大茶盛式(4月)
  • 平城遷都祭(4月)
  • 薪御能(5月)
  • 唐招提寺うちわまき(5月)
  • 率川神社三枝祭-ゆり祭-(6月)
  • 大安寺竹供養(6月)
  • なら燈花会(8月)
  • 大文字送り火(8月)
  • バサラ祭り(8月)
  • 芝能(9月)
  • 采女祭(9月)
  • 鹿の角きり(10月)
  • 奈良市内旧村地域の秋祭り(10月)
    • 10月10日前後に郊外部、10月17日前後に市街地部で布団太鼓(太鼓台)や地車などの練り歩きがある。
  • 正倉院展
    • 正倉院展の開催時には奈良市及びその周辺の多くの寺社が秘仏の特別開扉や特別展示などを行う。
  • 奈良マラソン(12月)
  • 春日若宮おん祭(12月)

土産物

施設

博物館

奈良国立博物館
旧奈良監獄(重要文化財)
旧奈良監獄(重要文化財)
奈良市総合観光案内所(旧駅舎)
奈良市総合観光案内所(旧駅舎)

文化施設

奈良県立図書情報館

スポーツ施設

奈良市鴻ノ池陸上競技場

娯楽施設

閉館・閉園した施設

スポーツチーム

サッカー
バスケットボール
バレーボール
ホッケー
自転車ロードレース

奈良市を舞台とした作品

関連人物

歴史上の人物

奈良市出身の著名人

政官界

学術

芸術

芸能

マスコミ

スポーツ選手

名誉市民

市民栄誉賞

奈良市在住の有名人

奈良市ゆかりの人物

学術

脚注

注釈

  1. ^ この時点では興善院町、東ノ阪町、北御門町、今在家町、今小路町、手貝町、東包永町、東笹鉾町、中御門町、押上町、川久保町、登大路町、油留木町、南半田東町、北半田東町、紀寺町、福智院町、公納堂町、毘沙門町、鵲町、芝突抜町、中院町、鶴福院町、不審ヶ辻子町、納院町、築地ノ内町、川上突抜町、十輪院町、川之上町、十輪院畑町、薬師堂町、木辻町、三棟町、京終町、中辻町、脇戸町、高御門町、陰陽町、勝南院町、元興寺町、西新屋町、芝新屋町、下御門町、中新屋町、阿字万字町、北風呂町、馬場町、北室町、南城戸町、南中町、南風呂町、小太郎町、南袋町、南新町、鳴川町、瓦堂町、花園町、井上町、京終地方東側町、京終地方西側町、柳町、西寺林町、光明院町、餅飯殿町、西城戸町、小川町、南市町、東寺林町、今御門町、池之町、元林院町、樽井町、橋本町、東城戸町、椿井町、南魚屋町、寺町、奥子守町、北向町、高天町、漢国町、林小路町、角振町、角振新屋町、上三条町、下三条町、本子守町、今辻子町、油阪地方町、西之阪町、百万ヶ辻子町、高天市町、坂新屋町、奥芝町、北市町、菖蒲池町、東新在家町、西新在家町、西新在家号所、船橋町、坊屋敷町、宿院町、鍋屋町、大豆山町、南法蓮町、内侍原町、北小路町、南半田中町、半田横町、北半田西町、大豆山突抜町、北半田中町、北魚屋東町、多門町、西包永町、北袋町、西笹鉾町、北川端町、北魚屋西町、後藤町、押小路町、半田突抜町、西御門町、小西町、東向南町、東向中町、東向北町、花芝町、中筋町が存在。
  2. ^ 新幹線を除けば岩手県栃木県広島県もこれに該当する。2020年3月13日まで宮城県もこれに該当していた。
  3. ^ 新幹線を除けば岩手県栃木県広島県もこれに該当する。2020年3月13日まで宮城県もこれに該当していた。
  4. ^ 臨時列車を含めた場合は、特急「まほろば」が運行されているため、優等列車が走っている県になる。
  5. ^ 特急列車に限ると国鉄時代の1967年に廃止された「あすか」以来、約57年ぶりの復活となった。
  6. ^ その他東京都神奈川県静岡県もこれに該当する。JRが全線電化されている愛知県石川県滋賀県大阪府には気動車定期旅客列車が存在する
  7. ^ 閉館によって奈良市は2012年に全国で唯一の「映画館のない都道府県庁所在地」となったが[16]、同年に山口県の県庁所在地である山口市でも唯一の映画館「山口スカラ座」が閉館した[17][18]

出典

  1. ^ 奈良市旗の制定 昭和52年2月10日告示第47号
  2. ^ 市徽章ノ件 明治36年5月5日告示第22号
  3. ^ 奈良市の事務所の位置を変更する条例
  4. ^ 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典内言及, 精選版. “南都(なんと)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年4月9日閲覧。
  5. ^ hyoukou-ichiran”. 11 Feb 2023閲覧。
  6. ^ 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2023年6月5日閲覧。
  7. ^ 観測史上1 - 10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2023年11月8日閲覧。
  8. ^ 針 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月16日閲覧。
  9. ^ 小学館辞典編集部 編『図典 日本の市町村章』(初版第1刷)小学館、2007年1月10日、163頁。ISBN 4095263113 
  10. ^ この当たりから青山住宅地や学園前住宅などの住宅の整備が始まった。 奈良市旗の制定
  11. ^ 奈良市副市長に西谷氏(毎日新聞奈良版、2018年9月22日)
  12. ^ 大久保信治・奈良市史編集審議会(編) 『奈良市史 通史四』 第二章 奈良市の成立 第一節 近代都市への胎動 奈良市 2018年9月26日閲覧
  13. ^ 奈良のあゆみ-昭和(1926~1989)- 奈良市 2018年9月26日閲覧
  14. ^ 国指定 史跡・名勝・天然記念物一覧 奈良市. 2014年11月10日閲覧
  15. ^ 【東洋民俗博物館】ウフフ わしゃピンクや朝日新聞、2012年2月9日
  16. ^ “奈良市に映画館なし…「日本唯一の県都」の事情”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2011年7月19日). オリジナルの2011年8月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110809195647/http://sankei.jp.msn.com/life/news/110719/art11071913160006-n1.htm 
  17. ^ 「さよなら、県都の銀幕 『山口スカラ座』来月1日閉館」『朝日新聞』2012年10月26日付朝刊、山口・1地方、第29面
  18. ^ “山口スカラ座、半世紀の歴史に幕 シネコン、DVDレンタル店に押され”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2012年10月26日). オリジナルの2012年10月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121030094314/http://sankei.jp.msn.com/region/news/121026/ymc12102602060000-n1.htm 
  19. ^ 大相撲令和2年1月場所幕内最高優勝力士 德勝龍関優勝祝賀パレード及び奈良市民栄誉賞の授与について 奈良市 (2020年2月19日) 2020年2月26日閲覧

関連項目

外部リンク

行政
観光