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「ホームタウン」の版間の差分

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2023年5月15日 (月) 16:18時点における版

ホームタウン: hometown)とは、JリーグB.LEAGUEなどのスポーツクラブが、本拠地としている地域のことを指す。

用法

プロ野球などでいうフランチャイズ地域保護権)とは、似ているがかなり異なる。

「フランチャイズ」は試合の開催などの興行活動を独占的に行うことのできる営業権、興行権の意味合いが強い。これに対して「ホームタウン」には興行権の意味は含まれない。「ホームタウン」はクラブチームがその地域社会と密着して活動しているという意味合いが強い。

なお、一般的には「故郷、育った町」という意味である。

Jリーグ

Jリーグでは、ホームタウンを「クラブと地域社会が一体となって実現する、スポーツが生活に溶け込み、人々が心身の健康と生活の楽しみを享受することができる町」と定義している。

プロ野球のフランチャイズは都道府県を単位としているが、Jリーグでは基本的に市町村単位でホームタウンが制定されている。参加各チームはホームタウンのスタジアムで全主催ゲームの80%を開催することが義務付けられている[1]。また、1999年からは同一都道府県の複数の市区町村をまたいだり、また本拠となる都道府県全域をホームタウンとすることができる「広域ホームタウン」が認められるようになった。ただし、鹿島アントラーズはJリーグに加盟した1992年当初から特例で広域ホームタウンが認められていた。

ちなみに、現在J3を含むJリーグ会員クラブで、全県ホームタウンとなっているのは札幌仙台秋田山形岩手福島群馬FC東京東京V新潟甲府富山金沢名古屋岐阜鳥取岡山山口徳島愛媛長崎大分琉球の23クラブで、「岩手県全県」を本拠地としている岩手、「東京都全域」を本拠地としているFC東京と東京V、「新潟県全県」を本拠地としている新潟、「山口県全県」を本拠地としている山口の5クラブを除いては、この中からのメインのホームタウン自治体を定めている。後述の参照。

なお、やむを得ない事情でホームタウンを移転する場合は、実施する1年前までにJリーグの理事会、実行委員会の承認を得ることが義務付けられている。

過去にJリーグのクラブでホームタウンを移転した例はヴェルディ川崎2001年川崎市東京都に移し、それを機にチーム名を「東京ヴェルディ1969」に変更した事例があるのみ。コンサドーレ札幌(川崎市→札幌市)、水戸ホーリーホック土浦市水戸市)、大宮アルディージャ旧・浦和市旧・大宮市=現在は合併によりさいたま市)、アビスパ福岡藤枝市福岡市)の各クラブはそれぞれJリーグ加盟前にホームタウンを移動している。

また、ホームタウンとなっている自治体全てがマッチスポンサーとなっているホームゲームがあるクラブがあれば、全てのホームゲームがホームタウンの自治体の一部分が持ち回りでマッチスポンサーを担当するクラブ[2] も存在する。

なお、2021年10月16日のスポーツニッポンの報道によると、2022年度のシーズンで「ホームタウン制度の廃止を検討している」[3] との報道があったが、Jリーグチェアマン・村井満はこのスポニチの報道は事実無根として否定した[4]

ホームタウン一覧

Jリーグ

クラブ名 所在都道府県 ホームタウン
北海道コンサドーレ札幌 北海道 札幌市を中心とする北海道全域
ヴァンラーレ八戸 青森県 八戸市十和田市五戸町三戸町田子町階上町南部町おいらせ町七戸町六戸町東北町野辺地町横浜町新郷村六ヶ所村
ブラウブリッツ秋田 秋田県 秋田市由利本荘市にかほ市男鹿市を中心とする全県
いわてグルージャ盛岡 岩手県 盛岡市北上市宮古市大船渡市花巻市久慈市遠野市一関市陸前高田市釜石市二戸市八幡平市奥州市滝沢市雫石町葛巻町岩手町紫波町矢巾町西和賀町金ケ崎町平泉町住田町大槌町山田町岩泉町田野畑村普代村軽米町野田村九戸村洋野町一戸町
ベガルタ仙台 宮城県 仙台市を中心とする全県
モンテディオ山形 山形県 山形市天童市鶴岡市を中心とする全県
福島ユナイテッドFC 福島県 福島市会津若松市を中心とする全県
いわきFC いわき市広野町楢葉町富岡町川内村大熊町双葉町浪江町葛尾村
鹿島アントラーズ 茨城県 鹿嶋市神栖市潮来市鉾田市行方市
水戸ホーリーホック 水戸市ひたちなか市笠間市那珂市小美玉市日立市高萩市北茨城市常陸大宮市常陸太田市大子町茨城町城里町大洗町東海村
栃木SC 栃木県 宇都宮市
ザスパクサツ群馬 群馬県 草津町前橋市を中心とする全県
浦和レッドダイヤモンズ 埼玉県 さいたま市
大宮アルディージャ
ジェフユナイテッド市原・千葉 千葉県 千葉市市原市
柏レイソル 柏市
FC東京 東京都 東京都
東京ヴェルディ
FC町田ゼルビア 町田市
SC相模原 神奈川県 相模原市海老名市座間市綾瀬市愛川町
川崎フロンターレ 川崎市
横浜F・マリノス 横浜市横須賀市大和市
横浜FC 横浜市
Y.S.C.C.横浜
横浜フリューゲルス 横浜市(長崎県熊本県鹿児島県[5]
湘南ベルマーレ 厚木市伊勢原市小田原市茅ヶ崎市秦野市平塚市藤沢市大磯町寒川町二宮町鎌倉市南足柄市大井町開成町中井町箱根町松田町真鶴町山北町湯河原町
アルビレックス新潟 新潟県 新潟市聖籠町阿賀野市阿賀町粟島浦村出雲崎町糸魚川市魚沼市小千谷市柏崎市刈羽村加茂市五泉市佐渡市三条市新発田市上越市関川村胎内市田上町津南町燕市十日町市長岡市見附市南魚沼市妙高市村上市弥彦村湯沢町
ヴァンフォーレ甲府 山梨県 甲府市韮崎市を中心とする全県
AC長野パルセイロ 長野県 長野市須坂市中野市飯山市千曲市坂城町小布施町高山村山ノ内町木島平村野沢温泉村信濃町飯綱町小川村栄村佐久市
松本山雅FC 松本市塩尻市山形村安曇野市大町市池田町生坂村箕輪町朝日村高森町麻績村
カターレ富山 富山県 富山市を中心とする全県
ツエーゲン金沢 石川県 金沢市野々市市かほく市津幡町内灘町を中心とする全県
アスルクラロ沼津 静岡県 沼津市
清水エスパルス 静岡市
藤枝MYFC 藤枝市焼津市島田市牧之原市吉田町川根本町
ジュビロ磐田 磐田市
名古屋グランパス 愛知県 名古屋市豊田市みよし市を中心とする全県
FC岐阜 岐阜県 岐阜市大垣市を中心とする全県
京都サンガF.C. 京都府 京都市宇治市城陽市向日市長岡京市京田辺市木津川市亀岡市南丹市京丹波町福知山市舞鶴市綾部市八幡市宮津市[6]
ガンバ大阪 大阪府 吹田市茨木市高槻市豊中市池田市摂津市箕面市
セレッソ大阪 大阪市堺市
FC大阪 東大阪市
奈良クラブ 奈良県 奈良市を中心とする全県
ヴィッセル神戸 兵庫県 神戸市
ガイナーレ鳥取 鳥取県 鳥取市倉吉市米子市境港市を中心とする全県
ファジアーノ岡山FC 岡山県 岡山市倉敷市津山市を中心とする全県
サンフレッチェ広島F.C 広島県 広島市
レノファ山口FC 山口県 山口市下関市山陽小野田市宇部市防府市周南市美祢市萩市下松市岩国市光市長門市柳井市周防大島町和木町上関町田布施町平生町阿武町
カマタマーレ讃岐 香川県 高松市丸亀市を中心とする全県
徳島ヴォルティス 徳島県 徳島市鳴門市美馬市小松島市松茂町板野町藍住町北島町吉野川市を中心とする全県
愛媛FC 愛媛県 松山市を中心とする全県
FC今治 今治市
ギラヴァンツ北九州 福岡県 北九州市
アビスパ福岡 福岡市
サガン鳥栖 佐賀県 鳥栖市
V・ファーレン長崎 長崎県 諫早市長崎市を中心とする全県
ロアッソ熊本 熊本県 熊本市
大分トリニータ 大分県 大分市別府市佐伯市を中心とする全県
テゲバジャーロ宮崎 宮崎県 宮崎市新富町西都市
鹿児島ユナイテッドFC 鹿児島県 鹿児島市
FC琉球 沖縄県 沖縄市を中心とする全県

Jリーグ百年構想クラブ

ここでは、将来的にJリーグ参戦を目指すJリーグ百年構想クラブを取り上げる。

クラブ名 所在都道府県 ホームタウン 所属
コバルトーレ女川 宮城県 女川町 東北1部
ラインメール青森FC 青森県 青森市 JFL
クリアソン新宿 東京都 新宿区
栃木シティフットボールクラブ 栃木県 栃木市 関東1部
VONDS市原 千葉県 市原市
南葛SC 東京都 葛飾区
東京23フットボールクラブ 東京都 23特別区
ヴィアティン三重 三重県 桑名市東員町いなべ市木曽岬町朝日町川越町菰野町 JFL
高知ユナイテッドSC 高知県 高知市南国市を中心とする全県
ヴェルスパ大分 大分県 別府市由布市
沖縄SV 沖縄県 うるま市 九州

B.LEAGUE

B.LEAGUEでは発足初年度となる2016-17シーズンの加盟要件としてホームタウンを定め、その地域内にホームアリーナを設置することを挙げ、B1ではホームゲームの8割、B2では6割をホームアリーナで開催することを原則としている[7]。なお、青森愛媛の2クラブは2016-17シーズンでは特定のホームタウンを定めておらず、ホームアリーナも指定していなかったが、翌2017-18シーズンからそれぞれ指定した。

クラブはホームタウンにおいて、社会貢献活動を含めて地域社会と一体となったクラブ作りを行い、スポーツの普及および振興に努めなければならないとしており、地域に密着した活動が求められている[8]。また、ホームタウンの変更は原則としてできないが、理事会の承認を受けて同一の都道府県内にある市区町村をホームタウンに追加することは可能である。やむを得ない理由により、ホームタウンを変更する場合には、変更の日の1年以上前までに理事会に申請し、その承認を得なければならない[8]

ホームタウン一覧

所属、地区は2022-23シーズンのカテゴリ[9]

B.LEAGUE

クラブ名 所在都道府県 ホームタウン 所属 地区
レバンガ北海道 北海道 札幌市 B1
青森ワッツ 青森県 青森市 B2
仙台89ERS 宮城県 仙台市 B1
秋田ノーザンハピネッツ 秋田県 秋田市 B1
パスラボ山形ワイヴァンズ 山形県 天童市 B2
福島ファイヤーボンズ 福島県 郡山市 B2
茨城ロボッツ 茨城県 水戸市 B1
宇都宮ブレックス 栃木県 宇都宮市 B1
群馬クレインサンダーズ 群馬県 太田市 B1
千葉ジェッツふなばし 千葉県 船橋市 B1
アルティーリ千葉 千葉市 B2
越谷アルファーズ 埼玉県 越谷市 B2
アースフレンズ東京Z 東京都 大田区 B2
アルバルク東京 渋谷区 B1
サンロッカーズ渋谷 B1
横浜ビー・コルセアーズ 神奈川県 横浜市 B1
川崎ブレイブサンダース 川崎市 B1
新潟アルビレックス バスケットボール 新潟県 長岡市 B1
富山グラウジーズ 富山県 富山市 B1
信州ブレイブウォリアーズ 長野県 長野市 B1
三遠ネオフェニックス 愛知県 豊橋市[10] B1
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 名古屋市 B1 西
ファイティングイーグルス名古屋 B1 西
シーホース三河 刈谷市 B1
滋賀レイクスターズ 滋賀県 大津市 B1 西
京都ハンナリーズ 京都府 京都市 B1 西
大阪エヴェッサ 大阪府 大阪市 B1 西
西宮ストークス 兵庫県 西宮市 B2
バンビシャス奈良 奈良県 奈良市 B2 西
島根スサノオマジック 島根県 松江市 B1 西
広島ドラゴンフライズ 広島県 広島市 B1 西
香川ファイブアローズ 香川県 高松市 B2 西
愛媛オレンジバイキングス 愛媛県 松山市 B2 西
ライジングゼファーフクオカ 福岡県 福岡市 B2 西
佐賀バルーナーズ 佐賀県 佐賀市 B2 西
長崎ヴェルカ 長崎県 長崎市 B2 西
熊本ヴォルターズ 熊本県 熊本市 B2 西
琉球ゴールデンキングス 沖縄県 沖縄市 B1 西

B3リーグ

ここでは、B.LEAGUEの下部リーグであるB3リーグに所属するクラブを取り上げる。

クラブ名 所在都道府県 ホームタウン B.LEAGUE
準加盟
岩手ビッグブルズ 岩手県 盛岡市
さいたまブロンコス 埼玉県 さいたま市
東京八王子ビートレインズ 東京都 八王子市 ×
しながわシティバスケットボールクラブ 品川区 ×
東京ユナイテッドバスケットボールクラブ 江東区 ×
立川ダイス 立川市 ×
横浜エクセレンス 神奈川県 横浜市
湘南ユナイテッドBC 藤沢市茅ヶ崎市寒川町 ×
金沢武士団 石川県 金沢市 ×
ベルテックス静岡 静岡県 静岡市
豊田合成スコーピオンズ 愛知県 清須市 ×
岐阜スゥープス 岐阜県 岐阜市
ヴィアティン三重 三重県 四日市市 ×
トライフープ岡山 岡山県 岡山市津山市
山口ペイトリオッツ 山口県 宇部市 ×
鹿児島レブナイズ 鹿児島県 鹿児島市

その他の種目

  • フットサルFリーグでは、クラブ数が少ないため、リーグ開始当初は3回総当りを採用しており、それぞれのホームタウンでの1回ずつにプラスし、リーグ主管によるセントラルマッチ(中立地開催)での1回総当りを加えていたが、2013-14年シーズンのみ4回総当たり(便宜上2ステージ制)となり、原則的には「ホーム・アンド・アウェー2回ずつ」になったが、従来通りリーグ主管中立開催試合(同シーズン12試合)も継続した。
  • バレーボールVリーグでは、「ホームタウン」制度として、そのクラブの練習所のある所在地を本拠地として位置づけているものがあるが、プロ野球やJリーグのような完全なホーム・アンド・アウェーではなく、中立地でのセントラル開催が多い。
  • バスケットボール女子のWリーグでは、ホームタウン制度を採用しており本拠地での試合を「ホームタウンゲーム」として行っているが、完全なホーム・アンド・アウェーとはなっていない。

脚注

注釈

出典

  1. ^ ただし2020年に関しては新型コロナウイルス感染拡大により、この規定が適用されない。
  2. ^ FC岐阜の場合は、岐阜県のマスコットキャラクターのミナモもクラブマスコットを勤めているため、この措置が採られている。この場合は、「ホームタウンデー」と呼ばれている。
  3. ^ Jリーグ 来季ホームタウン制撤廃へ 創設時の理念「地域密着」から新様式に 今月中にも正式決定(スポーツニッポン)
  4. ^ Jリーグが一部報道“ホームタウン制度撤廃”を否定「撤廃・変更の事実は一切ない」(ゲキサカ)
  5. ^ 1992~95年までは横浜市をホームタウンとしながら、当時の九州地区にはJクラブがなかった事やスポンサーが全日空であった事などを踏まえて、九州3県(長崎県、熊本県、鹿児島県)を特別活動地域に指定し、天皇杯以外の横浜F主催ゲームも含めてホームタウンと同じ権限を持って活動していた。ただ、1996年に福岡がJリーグに昇格した為に特別活動地域のカテゴリーは消滅し、チームそのものも1998年に横浜マリノス(当時)へと吸収合併された。
  6. ^ 京都サンガF.C. ホームタウン追加について Jリーグ公式ウェブサイト、2014年4月23日
  7. ^ “川淵「新リーグの略称は『JPBL』」第3回タスクフォース後のチーム説明会”. スポーツナビ. (2015年3月25日). http://sports.yahoo.co.jp/sports/basket/all/2015/columndtl/201503250002-spnavi 
  8. ^ a b Bリーグ規約(PDF) B.LEAGUE公式サイト
  9. ^ クラブ B.LEAGUE公式サイト
  10. ^ リーグの発表による。同クラブは愛知県東三河地域・岡崎市静岡県浜松市近郊・湖西市をホームタウンとしており、前身となる浜松・東三河フェニックス時代はこの地域をホームタウンとして活動していた。

関連項目