ノーベル生理学・医学賞

ノーベル賞の授賞部門のひとつ

ノーベル生理学・医学賞(ノーベルせいりがく・いがくしょう、スウェーデン語: Nobelpriset i fysiologi eller medicin)は、ノーベル賞の部門の一つ[1]

ノーベル生理学・医学賞
受賞対象生理学医学
会場ストックホルム
 スウェーデン
主催カロリンスカ研究所
初回1901年
最新回2024年
最新受賞者ヴィクター・アンブロス
ゲイリー・ラヴカン
公式サイトhttps://www.nobelprize.org/

概要

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ノーベル生理学・医学賞のメダルを披露するスバンテ・ペーボ(2023年2月1日、東京都千代田区にて)

生理学および医学の分野で最も重要な発見を行った」人物に与えられる。選考はカロリンスカ研究所ノーベル委員会が行う。

ノーベル生理学・医学賞のメダルは、表面にはアルフレッド・ノーベルの横顔(各賞共通)、裏面には膝の上に本を広げつつ、病気の少女のために岩から流れる水を汲んでいる医者の姿がデザインされている[2]

歴代受賞者

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1900年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1901年   エミール・アドルフ・フォン・ベーリング   ドイツ帝国 血清療法の研究[注釈 1]、特にジフテリアに対するものによって、医学の新しい分野を切り開き、生理学者の手に疾病や死に勝利しうる手段を提供したこと。
1902年   ロナルド・ロス
Ronald Ross
  イギリス マラリアの研究によってその感染経路を示し[注釈 2]、疾病やそれに対抗する手段に関する研究の基礎を築いたこと
1903年   ニールス・フィンセン
Niels Ryberg Finsen
  デンマーク 疾病の治療法への寄与、特に尋常性狼瘡への光線治療法によって、医学の新しい領域を開拓したこと
1904年   イワン・パブロフ
Ivan Petrovich Pavlov
  ロシア帝国 消化生理の研究により、その性質に関する知見を転換し拡張したこと[注釈 3]
1905年   ロベルト・コッホ
Robert Koch
  ドイツ帝国 結核に関する研究と発見[注釈 4]
1906年   カミッロ・ゴルジ
Camillo Golgi
  イタリア王国 神経系の構造研究[注釈 5]
  サンティアゴ・ラモン・イ・カハール
Santiago Ramón y Cajal
  スペイン王国
1907年   シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴラン
Charles Louis Alphonse Laveran
  フランス共和国 疾病発生における原虫類の役割に関する研究[注釈 6]
1908年   イリヤ・メチニコフ
Ilya Ilyich Mechnikov
  ロシア帝国 免疫の研究[注釈 7]
  パウル・エールリヒ
Paul Ehrlich
  ドイツ帝国
1909年   エーミール・コッハー
Emil Theodor Kocher
  スイス 甲状腺の生理学、病理学および外科学的研究[注釈 8]

1910年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1910年   アルブレヒト・コッセル
Albrecht Kossel
  ドイツ帝国 核酸物質[注釈 9] を含む、タンパク質に関する研究による細胞化学の知見への寄与
1911年   アルヴァル・グルストランド
Allvar Gullstrand
  スウェーデン 屈折機能に関する研究
1912年   アレクシス・カレル
Alexis Carrel
  フランス共和国 血管縫合および臓器の移植に関する研究[注釈 10]
1913年   シャルル・ロベール・リシェ
Charles Robert Richet
  フランス共和国 アナフィラキシーの研究[注釈 11]
1914年   ローベルト・バーラーニ
Róbert Bárány
  オーストリア=ハンガリー帝国 内耳系の生理学および病理学に関する研究[注釈 12]
1915年 受賞者なし
1916年
1917年
1918年
1919年   ジュール・ボルデ
Jules Bordet
  ベルギー 免疫に関する諸発見[注釈 13]

1920年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1920年   アウグスト・クローグ
Schack August Steenberg Krogh
  デンマーク 毛細血管運動に関する調整機構の発見
1921年 受賞者なし
1922年   アーチボルド・ヒル
Archibald Vivian Hill
  イギリス 筋肉中の生成に関する発見
  オットー・マイヤーホフ
Otto Fritz Meyerhof
  ドイツ国 筋肉における乳酸生成と酸素消費の固定的関連の発見
1923年   フレデリック・バンティング
Frederick Grant Banting
  カナダ インスリンの発見
  ジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド
John James Rickard Macleod
  イギリス
1924年   ウィレム・アイントホーフェン
Willem Einthoven
  オランダ 心電図の機構の発見
1925年 受賞者なし
1926年   ヨハネス・フィビゲル
Johannes Andreas Grib Fibiger
  デンマーク 寄生虫発がん説に関する研究
1927年   ユリウス・ワーグナー=ヤウレック
Julius Wagner-Jauregg
  オーストリア 麻痺性痴呆に対するマラリア接種の治療効果の発見
1928年   シャルル・ジュール・アンリ・ニコル
Charles Jules Henri Nicolle
  フランス共和国 チフスに関する研究
1929年   クリスティアーン・エイクマン
Christiaan Eijkman
  オランダ 神経炎ビタミン[注釈 14] の発見
  フレデリック・ホプキンズ
Frederick Gowland Hopkins
  イギリス 成長促進ビタミン[注釈 15] の発見

1930年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1930年   カール・ラントシュタイナー
Karl Landsteiner
  オーストリア ヒト血液型の発見
1931年   オットー・ワールブルク
Otto Heinrich Warburg
  ドイツ国 呼吸酵素の特性および作用機構の発見
1932年   チャールズ・シェリントン
Charles Scott Sherrington
  イギリス 神経細胞の機能に関する発見
  エドガー・エイドリアン
Edgar Douglas Adrian
  イギリス
1933年   トーマス・ハント・モーガン
Thomas Hunt Morgan
  アメリカ合衆国 遺伝における染色体の役割に関する発見
1934年   ジョージ・H・ウィップル
George Hoyt Whipple
  アメリカ合衆国 貧血に対する肝臓療法に関する発見
  ジョージ・リチャーズ・マイノット
George Richards Minot
  アメリカ合衆国
  ウィリアム・P・マーフィ
William Parry Murphy
  アメリカ合衆国
1935年   ハンス・シュペーマン
Hans Spemann
  ドイツ国 胚発生における誘導作用の発見
1936年   ヘンリー・ハレット・デール
Henry Hallett Dale
  イギリス 神経刺激の化学的伝達に関する発見
  オットー・レーヴィ
Otto Loewi
  アメリカ合衆国
  ドイツ  オーストリア出身)
1937年   アルベルト・セント=ジェルジ
Albert Szent-Györgyi de Nagyrápolt
  ハンガリー王国 生物学的燃焼過程、特にビタミンCおよびフマル酸触媒作用に関する発見
1938年   コルネイユ・ハイマンス
Corneille Jean François Heymans
  ベルギー 呼吸調節における静脈洞大動脈機構の役割の発見
1939年   ゲルハルト・ドーマク
Gerhard Domagk
  ドイツ国 プロントジルの抗菌効果の発見

1940年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1940年 受賞者なし
1941年
1942年
1943年   カール・ピーター・ヘンリク・ダム
Henrik Carl Peter Dam
  デンマーク ビタミンKの発見
  エドワード・アダルバート・ドイジー
Edward Adelbert Doisy
  アメリカ合衆国 ビタミンKの化学的性質の発見
1944年   ジョセフ・アーランガー
Joseph Erlanger
  アメリカ合衆国 個々の神経繊維の高度に分化された機能に関する諸発見
  ハーバート・ガッサー
Herbert Spencer Gasser
  アメリカ合衆国
1945年   アレクサンダー・フレミング
Alexander Fleming
  イギリス ペニシリンの発見、および種々の伝染病に対するその治療効果の発見
  エルンスト・ボリス・チェーン
Ernst Boris Chain
  イギリス
  ハワード・フローリー
Howard Walter Florey
  オーストラリア
1946年   ハーマン・J・マラー
Hermann Joseph Muller
  アメリカ合衆国 X線照射による突然変異体発生の発見
1947年   カール・コリ
Carl Ferdinand Cori
  アメリカ合衆国
  チェコスロバキア出身)
グリコーゲン触媒的分解経路の発見
  ゲルティー・コリ
Gerty Theresa Cori
  アメリカ合衆国
  チェコスロバキア出身)
  バーナード・ウッセイ
Bernardo Alberto Houssay
  アルゼンチン 脳下垂体前葉ホルモンの糖代謝における役割の発見
1948年   パウル・ヘルマン・ミュラー
Paul Hermann Müller
  スイス 多数の節足動物に対するDDTの接触毒としての強力な作用の発見
1949年   ヴァルター・ルドルフ・ヘス
Walter Rudolf Hess
  スイス 内臓の活動を統合する間脳の機能組織の発見
  アントニオ・エガス・モニス
António Egas Moniz
  ポルトガル ある種の精神病に対する前額部大脳神経切断の治癒的価値の発見

1950年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1950年   エドワード・カルビン・ケンダル
Edward Calvin Kendall
  アメリカ合衆国 諸種の副腎皮質ホルモンの発見およびその構造と生物学的作用の発見
  タデウシュ・ライヒスタイン
Tadeusz Reichstein
  スイス
  ポーランド出身)
  フィリップ・ショウォルター・ヘンチ
Philip Showalter Hench
  アメリカ合衆国
1951年   マックス・タイラー
Max Theiler
  南アフリカ連邦 黄熱およびその治療法に関する発見
1952年   セルマン・ワクスマン
Selman Waksman
  アメリカ合衆国
  ウクライナ出身)
結核に有効な初の抗生物質であるストレプトマイシンの発見
1953年   ハンス・クレブス
Hans Adolf Krebs
  イギリス
  ドイツ出身)
クエン酸回路の発見
  フリッツ・アルベルト・リップマン
Fritz Albert Lipmann
  アメリカ合衆国
  ドイツ出身)
コエンザイムAおよびその中間代謝における重要性の発見
1954年 ジョン・フランクリン・エンダース
John Franklin Enders
  アメリカ合衆国 種々の組織培地におけるポリオウイルスの生育能の発見
トーマス・ハックル・ウェーラー
Thomas Huckle Weller
  アメリカ合衆国
  フレデリック・チャップマン・ロビンス
Frederick Chapman Robbins
  アメリカ合衆国
1955年   ヒューゴ・テオレル
Hugo Theorell
  スウェーデン 酸化酵素の性質および作用機序の発見
1956年   アンドレ・フレデリック・クルナン
André Frédéric Cournand
  アメリカ合衆国 心臓カテーテル法、および循環器系に生ずる病理学上の変化に関する発見
ディキソン・W・リチャーズ
Dickinson W. Richards
  アメリカ合衆国
  ヴェルナー・フォルスマン
Werner Forssmann
  西ドイツ
1957年   ダニエル・ボベット
Daniel Bovet
  イタリア
  スイス出身)
ある種の体内物質の作用を阻害する合成化合物、特に血管系および骨格筋に関するものの発見
1958年 ジョージ・ウェルズ・ビードル
George Wells Beadle
  アメリカ合衆国 遺伝子が厳密に化学過程の調節によって働くことの発見
  エドワード・ローリー・タータム
Edward Lawrie Tatum
  アメリカ合衆国
  ジョシュア・レダーバーグ
Joshua Lederberg
  アメリカ合衆国 遺伝子組換えおよび細菌の遺伝物質に関する発見
1959年   セベロ・オチョア
Severo Ochoa de Albornoz
  アメリカ合衆国
  スペイン出身)
リボ核酸およびデオキシリボ核酸生合成機構の発見
  アーサー・コーンバーグ
Arthur Kornberg
  アメリカ合衆国

1960年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1960年   フランク・マクファーレン・バーネット
Frank Macfarlane Burnet
  オーストラリア 後天的免疫寛容の発見
  ピーター・メダワー
Peter Medawar
  イギリス
  ブラジル出身)
1961年   ゲオルク・フォン・ベーケーシ
Georg von Békésy
  アメリカ合衆国
  ハンガリー王国出身)
内耳蝸牛における刺激の物理的機構の発見
1962年   ジェームズ・ワトソン
James Dewey Watson
  アメリカ合衆国 核酸の分子構造および生体の情報伝達におけるその重要性の発見
  フランシス・クリック
Francis Harry Compton Crick
  イギリス
  モーリス・ウィルキンス
Maurice Hugh Frederick Wilkins
  イギリス
  ニュージーランド
1963年   ジョン・C・エックルス
John Carew Eccles
  オーストラリア 神経細胞膜の末梢および中枢部における興奮と抑制に関するイオン機構の発見
  アラン・ロイド・ホジキン
Alan Lloyd Hodgkin
  イギリス
  アンドリュー・フィールディング・ハクスリー
Andrew Huxley
  イギリス
1964年   コンラート・ブロッホ
Konrad Emil Bloch
  アメリカ合衆国
  ドイツ出身)
コレステロールおよび脂肪酸代謝の機構と調節に関する発見
  フェオドル・リュネン
Feodor Felix Konrad Lynen
  西ドイツ
1965年   フランソワ・ジャコブ
François Jacob
  フランス 酵素およびウイルス合成の遺伝的制御に関する発見
  アンドレ・ルウォフ
André Michel Lwoff
  フランス
  ジャック・モノー
Jacques Monod
  フランス
1966年 ペイトン・ラウス
Francis Peyton Rous
  アメリカ合衆国 腫瘍ウイルスの発見
  チャールズ・ハギンズ
Charles Brenton Huggins
  アメリカ合衆国
  カナダ出身)
前立腺がんホルモン療法に関する発見
1967年   ラグナー・グラニト
Ragnar Granit
  スウェーデン
  フィンランド出身)
視覚の化学的、生理学的基礎過程に関する発見
  ハルダン・ケファー・ハートライン
Haldan Keffer Hartline
  アメリカ合衆国
  ジョージ・ワルド
George Wald
  アメリカ合衆国
1968年   ロバート・W・ホリー
Robert W. Holley
  アメリカ合衆国 遺伝暗号とそのタンパク質合成における機能の解明
  ハー・ゴビンド・コラナ
Har Gobind Khorana
  アメリカ合衆国
  イギリス領インド帝国出身)
  マーシャル・ニーレンバーグ
Marshall Warren Nirenberg
  アメリカ合衆国
1969年   マックス・デルブリュック
Max Delbrück
  アメリカ合衆国
  ドイツ出身)
ウイルスの複製機構と遺伝的構造に関する発見
  アルフレッド・ハーシー
Alfred Hershey
  アメリカ合衆国
  サルバドール・エドワード・ルリア
Salvador Luria
  アメリカ合衆国
  イタリア出身)

1970年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1970年 ベルンハルト・カッツ
Bernard Katz
  イギリス
  ドイツ出身)
神経末梢部における液性伝達物質、およびその貯蔵、解離、不活化の機構に関する発見
  ウルフ・スファンテ・フォン・オイラー
Ulf von Euler
  スウェーデン
  ジュリアス・アクセルロッド
Julius Axelrod
  アメリカ合衆国
1971年   エール・サザランド
Earl Wilbur Sutherland Jr.
  アメリカ合衆国 ホルモンの作用機作に関する発見
1972年   ジェラルド・モーリス・エデルマン
Gerald Edelman
  アメリカ合衆国 抗体の化学構造に関する発見
  ロドニー・ロバート・ポーター
Rodney Robert Porter
  イギリス
1973年   コンラート・ローレンツ
Konrad Lorenz
  オーストリア 個体的および社会的行動様式の組織化と誘発に関する発見
  カール・フォン・フリッシュ
Karl von Frisch
  ドイツ
  オーストリア出身)
  ニコ・ティンバーゲン
Nikolaas Tinbergen
  イギリス
  オランダ出身)
1974年   アルベルト・クラウデ
Albert Claude
  ベルギー 細胞の構造的機能的組織に関する発見
  クリスチャン・ド・デューブ
Christian de Duve
  ベルギー
  イギリス出身)
  ジョージ・エミール・パラーデ
George Emil Palade
  アメリカ合衆国
  ルーマニア出身)
1975年   レナート・ドゥルベッコ
Renato Dulbecco
  アメリカ合衆国
  イタリア出身)
腫瘍ウイルスと細胞内の遺伝物質との相互作用に関する発見
  ハワード・マーティン・テミン
Howard Martin Temin
  アメリカ合衆国
  デビッド・ボルティモア
David Baltimore
  アメリカ合衆国
1976年   バルチ・ブランバーグ
Baruch Samuel Blumberg
  アメリカ合衆国 感染症の起源および伝播の新たな機構に関する発見
  ダニエル・カールトン・ガジュセック
Daniel Carleton Gajdusek
  アメリカ合衆国
1977年   ロジェ・ギルマン
Roger Guillemin
  アメリカ合衆国
  フランス出身)
ペプチドホルモン産生に関する発見
  アンドリュー・シャリー
Andrew Schally
  アメリカ合衆国
  ポーランド出身)
  ロサリン・ヤロー
Rosalyn Sussman Yalow
  アメリカ合衆国 ペプチドホルモンのラジオイムノアッセイ法の開発
1978年 ダニエル・ネーサンズ
Daniel Nathans
  アメリカ合衆国 制限酵素の発見と分子遺伝学への応用
  ハミルトン・スミス
Hamilton O. Smith
  アメリカ合衆国
  ヴェルナー・アーバー
Werner Arber
  スイス
1979年   ゴッドフリー・ハウンズフィールド
Godfrey Hounsfield
  イギリス コンピュータ断層撮影の開発
アラン・コーマック
Allan McLeod Cormack
  アメリカ合衆国
  南アフリカ共和国出身)


1980年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1980年   バルフ・ベナセラフ
Baruj Benacerraf
  アメリカ合衆国 細胞表面において免疫反応を調節する、遺伝的に決定された構造に関する発見
  ジャン・ドーセ
Jean Dausset
  フランス
ジョージ・スネル
George Davis Snell
  アメリカ合衆国
1981年   ロジャー・スペリー
Roger Wolcott Sperry
  アメリカ合衆国 大脳半球の機能分化に関する発見
  デイヴィッド・ヒューベル
David H. Hubel
  アメリカ合衆国
  カナダ出身)
視覚系における情報処理に関する発見
  トルステン・ウィーセル
Torsten Wiesel
  スウェーデン
1982年   スネ・ベリストローム
Sune Bergström
  スウェーデン プロスタグランジンおよびそれに関わる生物学的活性物質の発見
  ベンクト・サミュエルソン
Bengt I. Samuelsson
  スウェーデン
  ジョン・ベーン
John Robert Vane
  イギリス
1983年   バーバラ・マクリントック
Barbara McClintock
  アメリカ合衆国 可動遺伝因子の発見
1984年   ニールス・イェルネ
Niels Kaj Jerne
  デンマーク
  イギリス出身)
免疫系の発達と制御における選択性に関する諸理論、およびモノクローナル抗体の作成原理の発見
  ジョルジュ・J・F・ケーラー
Georges J. F. Köhler
  ドイツ
  セーサル・ミルスタイン
César Milstein
  アルゼンチン
  イギリス
1985年   マイケル・ブラウン
Michael Stuart Brown
  アメリカ合衆国 コレステロール代謝の調節に関する発見
  ヨセフ・ゴールドスタイン
Joseph L. Goldstein
  アメリカ合衆国
1986年   リータ・レーヴィ=モンタルチーニ
Rita Levi-Montalcini
  イタリア
  アメリカ合衆国
成長因子の発見
  スタンリー・コーエン
Stanley Cohen
  アメリカ合衆国
1987年   利根川進
Susumu Tonegawa
  日本 抗体の多様性に関する遺伝的原理の発見
1988年   ジェームス・ブラック
James W. Black
  イギリス 薬物療法における重要な原理の発見
  ガートルード・エリオン
Gertrude B. Elion
  アメリカ合衆国
  ジョージ・ヒッチングス
George H. Hitchings
  アメリカ合衆国
1989年   J・マイケル・ビショップ
J. Michael Bishop
  アメリカ合衆国 レトロウイルスがん遺伝子が細胞起源であることの発見
  ハロルド・ヴァーマス
Harold E. Varmus
  アメリカ合衆国

1990年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
1990年 ヨセフ・マレー
Joseph E. Murray
  アメリカ合衆国 ヒトの疾患治療における臓器および細胞移植に関する発見
  エドワード・ドナル・トーマス
E. Donnall Thomas
  アメリカ合衆国
1991年   エルヴィン・ネーアー
Erwin Neher
  ドイツ 細胞における単独のイオンチャネルの機能に関する発見
  ベルト・ザクマン
Bert Sakmann
  ドイツ
1992年   エドモンド・フィッシャー
Edmond H. Fischer
  スイス
  アメリカ合衆国
生体制御機構としての可逆的タンパク質リン酸化の発見
エドヴィン・クレープス
Edwin G. Krebs
  アメリカ合衆国
1993年   リチャード・ロバーツ
Richard J. Roberts
  イギリス 分断された遺伝子の発見
  フィリップ・シャープ
Phillip Allen Sharp
  アメリカ合衆国
1994年   アルフレッド・ギルマン
Alfred G. Gilman
  アメリカ合衆国 Gタンパク質およびそれらの細胞内情報伝達における役割の発見
  マーティン・ロッドベル
Martin Rodbell
  アメリカ合衆国
1995年   エドワード・ルイス
Edward B. Lewis
  アメリカ合衆国 初期胚発生における遺伝的制御に関する発見
  クリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルト
Christiane Nüsslein-Volhard
  ドイツ
  エリック・ヴィーシャウス
Eric F. Wieschaus
  アメリカ合衆国
1996年   ピーター・ドハーティー
Peter C. Doherty
  オーストラリア 細胞性免疫防御の特異性に関する研究
  ロルフ・ツィンカーナーゲル
Rolf M. Zinkernagel
  スイス
1997年   スタンリー・B・プルシナー
Stanley B. Prusiner
  アメリカ合衆国 プリオン - 感染症の新たな生物学的原理 - の発見
1998年   ロバート・ファーチゴット
Robert F. Furchgott
  アメリカ合衆国 循環器系における情報伝達物質としての一酸化窒素に関する発見
  ルイ・イグナロ
Louis J. Ignarro
  アメリカ合衆国
  フェリド・ムラド
Ferid Murad
  アメリカ合衆国
1999年   ギュンター・ブローベル
Günter Blobel
  アメリカ合衆国 タンパク質が細胞内での輸送と局在化を司る信号を内在していることの発見

2000年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
2000年   アービド・カールソン
Arvid Carlsson
  スウェーデン 神経系における情報伝達に関する発見
  ポール・グリーンガード
Paul Greengard
  アメリカ合衆国
  エリック・カンデル
Eric R. Kandel
  アメリカ合衆国
2001年 リーランド・ハートウェル
Leland H. Hartwell
  アメリカ合衆国 細胞周期における主要な制御因子の発見
  ティム・ハント
Tim Hunt
  イギリス
  ポール・ナース
Paul M. Nurse
  イギリス
2002年   シドニー・ブレナー
Sydney Brenner
  イギリス 器官発生とプログラム細胞死の遺伝制御に関する発見
ロバート・ホロビッツ
H. Robert Horvitz
  アメリカ合衆国
  ジョン・サルストン
John E. Sulston
  イギリス
2003年 ポール・ラウターバー
Paul Lauterbur
  アメリカ合衆国 核磁気共鳴画像法に関する発見
  ピーター・マンスフィールド
Peter Mansfield
  イギリス
2004年   リチャード・アクセル
Richard Axel
  アメリカ合衆国 嗅覚受容体および嗅覚系組織の発見
  リンダ・バック
Linda B. Buck
  アメリカ合衆国
2005年   バリー・マーシャル
Barry Marshall
  オーストラリア ヘリコバクター・ピロリおよびその胃炎胃潰瘍における役割の発見
  ロビン・ウォレン
Robin Warren
  オーストラリア
2006年   アンドリュー・ファイアー
Andrew Fire
  アメリカ合衆国 RNA干渉-二重鎖RNAによる遺伝子サイレンシング-の発見
  クレイグ・メロー
Craig Mello
  アメリカ合衆国
2007年   マリオ・カペッキ
Mario Capecchi
  アメリカ合衆国 胚性幹細胞を用いての、マウスへの特異的な遺伝子改変の導入のための諸発見
  マーティン・エヴァンズ
Martin Evans
  イギリス
  オリヴァー・スミティーズ
Oliver Smithies
  アメリカ合衆国
2008年   ハラルド・ツア・ハウゼン
Harald zur Hausen
  ドイツ 子宮頸癌を引き起こすヒトパピローマウイルスの発見
  フランソワーズ・バレ=シヌシ
Françoise Barré-Sinoussi
  フランス ヒト免疫不全ウイルスの発見
  リュック・モンタニエ
Luc Montagnier
  フランス
2009年   エリザベス・H・ブラックバーン
Elizabeth H. Blackburn
  アメリカ合衆国
  オーストラリア
テロメアテロメラーゼ酵素染色体を保護する機序の発見
  キャロル・W・グライダー
Carol W. Greider
  アメリカ合衆国
  ジャック・W・ショスタク
Jack W. Szostak
  アメリカ合衆国
  イギリス出身)

2010年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
2010年   ロバート・G・エドワーズ
Robert G. Edwards
  イギリス 体外受精技術の開発
2011年   ブルース・ボイトラー
Bruce Beutler
  アメリカ合衆国 自然免疫の活性化に関する発見
  ジュール・ホフマン
Jules A. Hoffmann
  フランス
  ルクセンブルク出身)
  ラルフ・スタインマン
Ralph M. Steinman
  カナダ 樹状細胞と、獲得免疫におけるその役割の発見
2012年   ジョン・ガードン
John Gurdon
  イギリス 成熟した細胞に対してリプログラミングにより多能性(分化万能性)を持たせられることの発見[3]
  山中伸弥
Shinya Yamanaka
  日本
2013年   ランディ・シェクマン
Randy Schekman
  アメリカ合衆国 細胞内で生成されたタンパク質細胞核などの目的の場所まで運ぶ仕組み(小胞輸送)の解明[4]
  ジェームズ・ロスマン
James Rothman
  アメリカ合衆国
  トーマス・スードフ
Thomas C. Südhof
  アメリカ合衆国
  ドイツ出身)
2014年   ジョン・オキーフ
John O'Keefe
  アメリカ合衆国
  イギリス
脳内の空間認知システムを構成する細胞の発見
  マイブリット・モーセル
May-Britt Moser
  ノルウェー
  エドバルド・モーセル
Edvard I. Moser
  ノルウェー
2015年   ウィリアム・C・キャンベル
William C. Campbell
  アイルランド
  アメリカ合衆国
線虫寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見[5]
  大村智
Satoshi Ōmura
  日本
  屠呦呦
Tu Youyou
  中国 マラリアに対する新たな治療法に関する発見[5]
2016年   大隅良典
Yoshinori Ohsumi
  日本 オートファジーの仕組みの解明[6]
2017年   ジェフリー・ホール
Jeffrey C. Hall
  アメリカ合衆国 概日リズムを制御する分子メカニズムの発見[7]
  マイケル・ロスバッシュ
Michael Rosbash
  アメリカ合衆国
  マイケル・ヤング
Michael W. Young
  アメリカ合衆国
2018年   ジェームズ・P・アリソン
James P. Allison
  アメリカ合衆国 免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用
  本庶佑
Tasuku Honjo
  日本
2019年   ウィリアム・ケリン
William Kaelin Jr.
  アメリカ合衆国 細胞による酸素量の感知とその適応機序の解明
  ピーター・ラトクリフ
Peter J. Ratcliffe
  イギリス
  グレッグ・セメンザ
Gregg L. Semenza
  アメリカ合衆国

2020年代

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年度 受賞者名 国籍 受賞理由
2020年   ハーベイ・オルター
Harvey J. Alter
  アメリカ合衆国 C型肝炎ウイルスの発見
  マイケル・ホートン
Michael Houghton
  イギリス
  チャールズ・ライス
Charles M. Rice
  アメリカ合衆国
2021年   デヴィッド・ジュリアス
David Julius
  アメリカ合衆国 温感と触覚受容体の発見
  アーデム・パタプティアン
Ardem Patapoutian
  アメリカ合衆国
  レバノン出身)
2022年   スバンテ・ペーボ
Svante Pääbo
  スウェーデン 絶滅したヒト族のゲノムと人類の進化に関する発見
2023年   カリコー・カタリン
Katalin Karikó
  ハンガリー
  アメリカ合衆国
新型コロナウイルス感染症に対する効果的なmRNAワクチンの開発を可能にしたヌクレオシド塩基修飾に関する発見
  ドリュー・ワイスマン
Drew Weissman
  アメリカ合衆国
2024年   ヴィクター・アンブロス
Victor Ambros
  アメリカ合衆国 miRNA転写後の遺伝子発現の調節におけるその役割の発見[8]
  ゲイリー・ラヴカン
Gary Ruvkun
  アメリカ合衆国

脚注

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注釈

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  1. ^ 血清療法はベーリングと北里柴三郎により開発された。
  2. ^ マラリア原虫ハマダラカの体内にいることを実証した。
  3. ^ 唾液腺の研究から派生したのがパブロフの犬の実験であり、受賞講演でもパブロフは消化腺の話題より条件反射の話題を取り上げている。
  4. ^ 結核菌を発見し、その病原性を実証した。
  5. ^ カハールが神経のニューロン説を提唱し、ゴルジが開発したゴルジ染色の手法によりそれが実証された。
  6. ^ マラリア原虫を発見した。
  7. ^ メチニコフは白血球食作用を提唱、エールリヒは抗原抗体反応側鎖説を提唱した。
  8. ^ 甲状腺腫瘍について研究を行い、最初の全切除に成功している。
  9. ^ 核酸塩基であるアデニンシトシングアニンチミンウラシルの単離に成功している。
  10. ^ 血管吻合の術法を開発し、イヌ腎移植についての研究を行った。
  11. ^ アナフィラキシー・ショックを発見している。
  12. ^ 三半規管めまいの研究を行っている。
  13. ^ 補体結合反応を発見した。
  14. ^ 後にビタミンB1として知られる。
  15. ^ 後にビタミンAとして知られる。

出典

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  1. ^ The Nobel Prize in Physiology or Medicine” (英語). NobelPrize.org. Nobel Prize Outreach AB. 2023年10月17日閲覧。
  2. ^ ノーベル賞のメダル”. アワードプレス. 2017年10月4日閲覧。
  3. ^ The 2012 Nobel Prize in Physiology or Medicine - Press Release, Nobelprize.org, (2012-10-08), http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/medicine/laureates/2012/press.html 
  4. ^ 米3教授にノーベル医学生理学賞 細胞内の物質輸送 産経新聞 2013年10月7日閲覧
  5. ^ a b The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2015”. Nobel Foundation. 2015年10月5日閲覧。
  6. ^ The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2016” (English). Nobel Foundation. 2016年10月3日閲覧。
  7. ^ The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2017、2017年10月2日閲覧。
  8. ^ The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2024”. The Nobel Prize (2024年10月7日). 2024年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ2024年10月7日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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