チーズの健康効果は骨粗しょう症予防だけじゃない 認知症にも期待
心血管疾患、がんとの関連も
原田寧々=日経Gooday
チーズには様々な健康効果があることが近年分かってきた。前編では骨粗しょう症やサルコペニア、血圧との関係について紹介したが、実はチーズの健康効果はそれだけではない。後編は、チーズと認知症、心血管疾患、がんの関係について東海大学名誉教授の井越敬司先生の解説とともに紹介しよう。
>チーズ前編
チーズは血圧が上がりやすい食品? 太りやすいって本当?
ひとくちにチーズと言っても分類は多岐にわたる。まずナチュラルチーズと、ナチュラルチーズから作られるプロセスチーズがあり、ナチュラルチーズは、ハードタイプ、セミハードタイプ、白カビタイプ、青カビタイプ、フレッシュタイプに分かれる。さらに、以下の表のように細かく分類されるのだ。
ナチュラルチーズ | セミハードタイプ | ゴーダ、エダム、チェダー |
ハードタイプ | パルメザン、エメンタール | |
白カビタイプ | カマンベール、ブリー | |
青カビタイプ | ロックフォール、ゴルゴンゾーラ | |
フレッシュタイプ | モッツァレラ、カッテージチーズ、クリームチーズ | |
プロセスチーズ |
前編では、そんなチーズに関する様々な誤解と真実、1日の摂取目安量などについて解説した。チーズの健康効果についても触れ、高血圧の改善や骨粗しょう症予防効果に関する話をしたが、チーズに期待できる健康効果はこれだけにとどまらない。後編では、とりわけナチュラルチーズの健康効果を見ていこう。まずはカマンベールチーズと認知症との関係から紹介する。
認知症予防に期待
2023年、日本の65歳以上の1503人を対象とした研究(*1)では、チーズを食べている人は、食べていない人よりも認知症の発症リスクが低いことが報告された。
具体的には、週に1~2回以上チーズを食べている人を「チーズを食べているグループ」、全く食べていない人を「チーズを食べていないグループ」として2つに分けた。30点満点で認知機能を評価する検査(MMSE)をした結果、チーズを食べているグループはチーズを食べていないグループに比べて、有意に点数が高かった。MMSEが23点以下だと認知症の疑いがあるが、チーズを摂取している人は摂取していない人よりもMMSEが23点以下になるリスクが約60%低かった。