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いまを生きるのTPのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
3.4
★1990年に続き2回目の鑑賞★

 一応主役は英語教師キーティングを演じたロビンなのだが、話の中心は学生たちが如何に自由に自分の意思を外に発散していくかという精神の成長なので、キーティングの奇抜な授業風景は描かれるものの、彼の人間性の深掘りが浅く、いまいち影響を与えた教師側の印象が薄くなってしまっているし、唯一彼を理解していただろうもう一人の教師との関係性も曖昧。
 一方で、中心的に描かれる学生7人はそれぞれ個性的に、丁寧に描かれており、青春群像としての出来は良い。

 私のように1970,80年代に義務教育を受けてきた世代には、舞台となった厳格な全寮制学院の厳しさは理解しやすいが、その後のゆとり教育とかハラスメントへの権利だとかで教育の在り方が変わる中で育った世代には、そもそもこの作品の舞台となった学生生活自体がピンとこないだろうと思う。
 1950年代の学生を中心に描かれていて、若い頃の評価と歳をとってからの評価は変わるし、世の中の流れの中でも立ち位置が変わってしまう典型ともいえる作品で、初見時は4.5だった評点は、今の歳になっては、また、現代の感覚では落ちてしまう。
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     中学生以来の映画好き。好きな映画は、ドラマ系、芸術系寄りのエンタテインメントです。血に弱いのでホラーは全く見ません。  他の趣味に割く時間も必要なので、観る必要のない作品は観ません。厳選するので、…

     中学生以来の映画好き。好きな映画は、ドラマ系、芸術系寄りのエンタテインメントです。血に弱いのでホラーは全く見ません。  他の趣味に割く時間も必要なので、観る必要のない作品は観ません。厳選するので、基本、評価は3.5以上です。(でも批評は辛口です) ★評点基準★ 5 棺桶に一緒に入れてほしい名作 4.5 繰り返し観たい名作 4 繰り返すほどではないがなかなか良い 3.5 観ている時間は楽しい 3 普通。観なくても良かったかな 2.5 最後まで観れるが色々納得いかない 2 早く終わらないかな。。。 1.5 苦痛を感じながら、なんとか鑑賞 1 途中で鑑賞中止