2018年7月14日、イリノイ州シカゴのサウスショア地区で起こった警官による無実の住民銃殺事件の詳細を、公開された警官のボディカメラと近隣の監視カメラの映像により再現した、アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門ノミネート作品。
2018年の夏、シカゴの街は、2014年に無実のラクアン・マクドナルド少年を16発もの発砲で殺害した警察官ジェイソン・ヴァン・ダイクの裁判の行方に注目していた。
そんな中、サウスショア地区では、地元の商店主たちがギャングの活動や店舗前での公然の薬物取引を監視するため、警察のパトロール強化を要請しており、2018年7月14日、5人の警察官が歩道でパトロールを行っていた。
5人のうち、ディラン・ハリー、メーガン・フレミング、ダニー・タンの白人3人は、まだ1年目の見習い警官で、残るジョーンズとコールマンは黒人警官。
その時、37歳の理容師ハリス"スヌープ"オーガスタスが仕事を終え、彼らの前を歩き去る。
しばらくしてまた戻って来て、ハリー、フレミング、タンの前を通り過ぎると、3人は彼のシャツの下に銃の所持を見つけ、前方のジョーンズ警官に連絡。
(注)イリノイ州では、銃器所持証明書(FOID)という許可証を持っていれば銃を隠し持つことは認められている。
ジョーンズは、オーガスタスに「あなたは警備員ですか?」と尋ねる。
オーガスタスはそれに答えず歩き続けるが、すぐに立ち止まり、FOIDを見せようと手に取る。
すると、突然、フレミングとタンが彼を拘束しようとし、とっさの反応で彼は振り切って通りに逃げる。
そこで、ハリーが後ろから5発発砲し、オーガスタスは倒れ、息絶えてしまう。
その状況を目撃していた住民の黒人たちが声を上げはじめると、興奮状態のハリーをフレミング(女性)が落ち着かせながら「ここにいては危険」として、パトカーでその場を離れてしまう。
車内で泣き出すハリーを「彼は銃を向けた。あなたは正しいことをした。ああしなければ我々が撃たれていた。」となだめるフレミング。
といった、生々しい複数の映像が同一画面内に構成された作品。
当時5歳の娘さんがいた、地域に愛された理容師の命をあっけなく奪い去ったハリーは、ボディカメラを適時作動していなかったことで?わずか2日間!の停職処分。
フレミングは、正当な理由のない容疑者の停止、正当な理由のない身体接触、容疑者の拘束の失敗、他の関係警官との事件詳細の話し合い、ボディカメラの適時作動の失敗により、こちらもわずか60日間の停職処分。
という、当事者でなくても、怒り収まらない結果。。。
終わりの見えない、白人警官による、罪のない黒人への残虐行為。
いつ警官に殺されるか分からない黒人の方々の日常が、トランプ政権下で改善されるはずもない現実が重すぎます。
The New Yorker
https://youtu.be/oW65ChIjur4