角川文庫とは、KADOKAWA(角川書店)が刊行している文庫レーベルである。1949年創刊。
最初はB6判で刊行されていたようだがすぐに現在のA6判(文庫判)に切り替えられた。巻末には、創業者角川源義の『角川文庫発刊に際して』が収録されている。
創刊当初は岩波文庫や新潮文庫と同様、古典の名作・名著が中心のラインナップだったが、1970年代に角川春樹が横溝正史ブームを仕掛けたのを皮切りに現役作家の推理小説やSFなどの大衆娯楽小説をどんどん収録、角川映画での映像化に合わせて大量に売りさばくというメディアミックス戦略を仕掛け、横溝正史作品だけで1000万部以上を叩き出すなど大当たりさせる。
この「角川商法」は賛否両論あったものの、「お堅い名作・名著を安価で収録するもの」という文庫のイメージを刷新し、他社も続々と文庫に参入して怒濤の文庫本ブームが巻き起こる。結果、現代の作品を刊行から数年で文庫化していくという現在の出版サイクルを出版業界全体に定着させることになった。なお、このとき角川文庫に大量に収録された推理小説・SFは、1989年の消費税導入の際にカバー掛け替えのコストに見合わないとされて大量に絶版となり、平成初期の両ジャンルにおいて、昭和の名作が一気に入手困難になる事態を生じることになる。
その後、角川春樹がコカイン密輸事件で角川書店を追われてからは、大衆向け路線をメインとしつつも、古典作品も復活させるようになった。なので、娯楽小説メインの文庫レーベルのイメージが強いが、現在も古典の名作の収録数は他社のレーベルと比べても多めである。
21世紀に入ってライトノベルが注目を集めるようになってからは、自社レーベルの角川スニーカー文庫や角川ビーンズ文庫の作品を中心に、ライトノベルを一般向けの装幀にして売り出すのに熱心。ただし売れないと1巻だけで打ち切りも珍しくない。2010年代にブームになったライト文芸に関しては独立レーベルを作らず、角川文庫内で扱っている。
角川文庫の支レーベルとして、現在は以下の6レーベルが存在している。
角川ホラー文庫、角川スニーカー文庫の作品はそれぞれ当該レーベルの記事を参照。
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最終更新:2025/01/05(日) 04:00
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