因果とは、
である。ここでは4.について記載する。
人間のみに宿る“性”の源泉「エロス」をテーマにしたオムニバス短編集『エロスの種子』の一巻に収録されている、もんでんあきこのショート漫画。同作の一話でもある。
居候先の大学教授の妻に惹かれた純情な主人公が、因果の渦に巻き込まれる様を描く。
実家の経済状況が悪化して仕送りが滞るようになった大学生の蒼井孝太郎は、それを見かねた大学教授の日下部の「キミはどこか若い頃の私に似ている」という好意により、書生として彼の家に住まうことを決める。
初日、花に水をやる、親子ほど年の離れた日下部の妻・珠子を見た孝太郎は、教授の「戸籍上では私の妻」という紹介にどこか引っかかりを覚えるも、自分の中で彼女を異性として捉えたことを自覚する。
夏の夜。珠子と二人きりになった孝太郎は、雷雨に怯える彼女と肉体関係に発展。その最中、日下部が帰宅するが、彼は二人を咎めることなく、それどころか「珠子は処女のままこの家に嫁いできて、未だに穢れを知らない」「自分は故あって珠子を抱くことはできないので、若い君が珠子を女として満足させてあげてほしい」と、このまま行為を続けることをお願いしてきた。
性の快楽に囚われた孝太郎は、それから毎日のように珠子と、日下部の前でセックスにふけるが、そんな環境では当然学業に身が入るわけもなく、成績は落ちる一方。
孝太郎は留年を目前にして日下部の家を引き払い、それを機に大学を辞め、実家に戻り家業を継ぐ。
孝太郎には商才と博才があったらしく、家業を立て直し相場で財を成すことに成功。
あれから二十年経った今となっては、長者番付の末席に名を連ねるまでになった。
そんなある日、「私の身内の者が近いうちにキミの元を訪ねるが、よろしく迎えてやってほしい」という、疎遠になっていた日下部からの手紙が届く。
後日、透子という名の、20歳になる珠子の娘が訪れて来た。
珠子の生き写しのような透子を見た際、孝太郎は、日下部は不能だったわけではなく、実の娘を抱くわけにはいかなかったから手を出さなかったのだと理解する。
そして、自分がしたのと同じことを孝太郎にもさせようとしていることも。
「素敵なお方…」と真っ直ぐに見つめる透子の眼差しを受けた孝太郎は彼女を抱きしめ、「私も自分によく似た若者を探さねばなるまい」と心に誓う。
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最終更新:2024/12/24(火) 17:00
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