亘とは、人名である。
架空のキャラクター
漢字として
亘は、二つの異なる漢字に対応している。亘と亙の新字体の亘とである。もともと別の字だが混用される。ここでは亙・亘、亘の順で説明する。
亘・亙(コウ)
- 意味
- 亘の旧字体は亙。亙は互とは別の字。
- 終わる、極まる、連なる、(時間的、空間的に)わたる、あまねく、尽きる、という意味がある。〔説文解字〕の本字は㮓で〔説文・巻六〕に「竟(きわ)まるなり」とある。亙(𠄣)はその古文として〔説文〕に載っている。
- 字形
- 二の間に月のある形。
- 〔説文小徐本〕や〔段注〕は、両岸の間に舟がある象形としているが、卜文や金文ではニの間に月がある形。金文では人名に使われる。恒の初文。
- 音訓
- 音読みはコウ(漢音、呉音)、訓読みは、わたる。
- 規格・区分
- 亘は人名用漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 亙は人名用漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 亙が1951年に人名用漢字に採用され、その後1981年に字体が亘に変更された。亙は2004年に参考字体から格上げで再び人名用漢字となった。
- 声符
- 亘(亙)を声符とする漢字には、姮、恒(恆)、䱍などがある。
- 語彙
- 亘隔・亘古・亘舒・亘代・亘帯・亘地・亘天・亘屏
異体字
- 㮓は、〔説文〕の本字。形声で声符は恆。
- 𣘰は、〔康煕字典〕が㮓の〔説文〕における本字とする字。
- 𠄣は、亙の異体。
- 𣍭は、〔集韻〕にある㮓の古文。
- 𦚹は、𣍭の異体。
- 𢗶は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
- 𦵕は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
亘(カン、セン)
- 意味
- 周りをめぐる、という意味がある。〔説文解字〕の本字は𠄢で〔説文・巻十三(段注本)〕に「求めて回るなり」とある。(桓と通じて)あちこち歩き回る、(宣に通じて)述べる、(亙・恒と通じて)常に、という意味がある。
- 字形
- 諸説ある。
- 〔説文〕に「二に從ひ囘に從ふ。囘は、古文の回なり。亘(かき)の回る形に象る。上下は、物を求むる所なり」とあり、二+囘(回)の会意で、上下の二線の間をめぐって物を求める意とある。ほかに、全体で回らせた垣などの平面形の象形とする説(〔句読〕、〔文源〕など)、真ん中は雲気の巻く象形でそれによる指事とする説などがある。
- 音訓
- 音読みはセン、カン(漢音)、ゼン、ガン(呉音)、訓読みは、めぐる、のべる。
- 規格・区分
- 人名用漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 声符
- 亘を声符とする漢字には、垣、宣、𡘍、洹、狟、桓、絙、貆、䚙、𧻚などがある。
異体字
関連項目