『ファイナルファンタジーV』とは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)がスーパーファミコン向けに発売したゲームソフトである。略称はFF5、FFV。
ファイナルファンタジーシリーズのナンバリング5作目である。
概要
選ばれし者たちが強大な悪から世界を救うため冒険する…という、物語としては単純明快な王道RPG。
オリジナル(SFC)の販売本数は245万本と、同年9月27日に発売されたスーパーファミコン版『ドラゴンクエストV』の280万本に迫り、名実ともに2大RPGの地位を確立した。
当時のFFとしては珍しく、起動・ニューゲームorセーブファイル選択時にお馴染みのプレリュードではなく、FF5メインテーマが流れる(GBA版は起動直後に流れる新OPのみプレリュード)。ほかにも名前を変更できるのは主人公のみなどの一風変わった仕様がある。
マルチプレイ(FF4~FF6にある、バトル時のみ操作キャラを1コンと2コンに割り振るSFC作品特有の協力プレイ設定)も引き続き採用されているが、GBA・スマホ版では機種形態の都合で廃止された。
ちなみにSFCパッケージ裏にはガラフがメテオを唱えるという、通常プレイではありえない画像がある。
ゲーム性・システム
前作に引き続き「アクティブタイムバトルシステム(ATB)」を採用。今作では初めてATBゲージが登場し、次に誰がどれくらいで行動できるか分かりやすくなった。
ソフト容量が前作の2倍の16メガ(ビット)となったことで映像や音楽といった演出面の大幅向上はもちろん、FF3の「ジョブチェンジシステム」を発展させた「アビリティの習得」という要素も加わった。この「アビリティ」は一度覚えればどのジョブでも装着可能となるため、キャラクターのカスタマイズ性が極めて高くなり、同時に戦闘の自由度も非常に幅広くなっている。
装備も特殊な効果を持つ武器や防具が多く、使いこなすことで有利に進めることができる。特に、ストーリ後半で入手できる伝説の12武器は数値だけでは測れないような便利な能力を持っている。今作はレベルが比較的上がりにくくレベルアップの恩恵も少ないため、数値よりアビリティと戦略がモノをいう。
ストーリー上のボスも、正面から殴りまくるごり押しだけでは苦戦を強いられる反面、シリーズ作品に比べ固定ダメージ攻撃が揃っている、殆どのボスに何かしらのステータス異常が有効、などレベルが低くても戦い方次第でなんとかなってしまうくらいに攻略の幅が広い。さらに、ボスを倒しても経験値が入らない、本来強制戦闘になる一部ザコ戦を回避できる、など極低レベルの攻略も可能な仕様となっており、極めればほぼ初期レベル(3-2-2-2程度)ABP0でラスボスはおろか下記の2体も撃破可能。
今作より「オメガ」「しんりゅう」といった「攻略上撃破不要だがラスボスより強い」おまけボスが登場。オメガはたとえLv99かつ最強の武器でも普通の攻撃ではキズ一つつかない頑丈さと大半の属性を吸収してしまう特性を持ち、しんりゅうは対策もなく挑むと開幕タイダルウエイブでパーティ全員を超オーバーキルする破壊力を誇るなど、戦略なしでは全く太刀打ちできない強さとなっている。
余談だが、FFシリーズで唯一「半熟英雄」ネタが隠されている。FFネタがある半熟英雄が、FFで逆にパロディにされた数少ない例でもある。具体的には戦闘中に召喚獣を呼ぶランプをしつこく使い続ければ発動するが、メッセージだけで特に絵も効果もない。勿論普通の召喚魔法では出せない。
移植作品
取り消し線は、配信終了により新規購入が不可。
PS、GBA(VC版含む)は最初から2倍速で走れる。ダッシュのアビリティがあると4倍速!
PS版
FFIV、FFVIとともに移植されたデジキューブ専売品。OP・EDのCGムービー、メモファイルなどあるが、機種スペックの難点によりベタ移植なのにロード時間増加で全体的に画面切り替えがもっさりし、音も変質してしまっている。ムービーは他機種に引き継がれなかった。
GBA版
IV~VIのリメイク群のひとつ。初リメイクながら、ハード性能の制約がある中で非常によくできた作品。なお、ピクリマ版発売に伴う旧スマホ版の配信終了により、今から遊ぶなら追加要素が遊べる唯一のバージョンとなっている。
バグの多さから秘密裏に修正版が出されたGBA版FF4や、SFCの限界に無謀にも挑んだGBA版FF6と異なり、再現度が低いのは一部SE程度。新ジョブやExダンジョンなどで当時のデマや噂が再利用されたり、FF史上最強クラスの敵が追加されるなど、追加要素の評判も良い。グラフィックやBGM、オープニングもGBA用に作り直されているが原作の雰囲気を損なうことはなく(SFC版OPもバッチリ収録)、バトル背景はより豪華なものにアップグレードされている。
一方で、会話時に天野喜孝の原画風顔グラが追加されたのは不評気味。FF5自体がシリーズ史上最も天野絵とドットキャラの乖離が激しい(メニュー画面で定番のリアルな顔グラがない)作品であり、なかなか違和感がある(ただしクルルは例外とされている)。またゲーム中BGM「いつの日かきっと」がなぜか「レナのテーマ」に差し替わっている(曲自体はサウンドから再生可)。
その高評判からか、新品はおろか中古相場も未だに高止まりしている。
バーチャルコンソール
任天堂のVCではSFC版がWii・WiiU・New3DS系で、GBA版がWiiUでそれぞれ配信。
SFC版の点滅表現抑制以外はバグ技含め元のハードに忠実な完全移植で、値段も各種千円以下とお手ごろ。元の作品と仕様が同一なので、FF5で人気のある縛りプレイ・やり込みにも適している。SFC・GBA版を遊ぶならこれがベスト。
「VC中断機能」によりどんな場面でも状況を維持したまま中断できるほか、WiiUやNew3DS系なら通常セーブ以外に「まるごと保存・復元」もできて攻略にも便利。
ちなみにWiiのSFC版はマルチバトル対応の記述がある(WiiUは不明)。
iOS/Android版
ピクリマ配信開始により配信が終了した旧Ver.。購入済みユーザーの再ダウンロードも終了されるなど、メーカーの動作保証外となっている。
GBA版の絵などを新調したもの。GBA以上の追加要素はないが、一部仕様に細かい修正・変更あり。
従来機のバグ技はあらかた修正され、設定ミスで死にスキル同然だった「みねうち」がようやく日の目を見た。従来は「さいきょうそうび」「すべてはずす」の二択だった自動装備変更が、スマホ版ではアビリティが装備に影響を与えない限り自動変更されない。また「いばらのかんむり」や「エクスカリパー」などの罠アイテムは最強装備の対象外となる。
直前の行動を繰り返してバトルが高速化するオートモードは単調な稼ぎ作業が楽にできる。タッチ操作は(斜め移動追加など配慮されてるとはいえ)お世辞にも快適とは言い難く、特にダッシュは道の狭いダンジョンと相性が悪いため用途に応じた切り替えが必要。それでもお宝やイベントの存在するポイントでは自動的に噴き出しが出現する仕様のおかげで、いくらかストレスは緩和されている。
スマホ用ゲームパッドにも対応しているため、どうしても操作しづらいと感じたら素直に無線接続しよう。
グラフィックはスマホに合わせ高精細になりキャラアイコンもFF6と同じ3頭身となった。絵の制作者は原作と同じ渋谷員子なのだが、なぜか仲間のリアクションポーズは大幅に異なる(両手万歳シーンで片手…など)。またGBA版で不評だった顔グラも、より原画に忠実かつハイクオリティに、吹き出しからはみ出るくらい存在感あるビッグサイズとなった。もはやゴーグルのないタイクーン王に違和感を覚えるレベルである。offにする機能は今回もないぞ。
ちなみに、グラフィック面の雰囲気は『FFレジェンズ 光と闇の戦士』と似通ったものとなっている。
BGMはSFC版の録音をそのまま使用しているのだが、SFCなどと違って戦闘後は毎回曲の頭から再生し直されてしまう。SEは全て新規作成しており、SFC版を忠実に再現しようと頑張っているもの(例:バイオの音)もあるのだが、エフェクト変更で完全に別物へ作り替えたものも多く、原作ファンからは賛否両論である。これはSFC版そのままのものを使用するとアニメーションにズレが生じてしまうからとのこと。
ピクセルリマスター
2D時代のFF作品を現代のスマートフォン用に作り直すプロジェクトの一環として、ドット絵などを書き直したバージョン。SFCがベースなので、新ジョブなどGBAの追加要素は含まれない。
見た目の評判がいまいちだった旧スマホVer.に比べ、SFCに極力近づけた絵柄になったことで絵の評価は概ね回復。
しかし、今度は肝心のゲーム部分で配信直後から普通のプレイでも無視できないほど大量のバグを起こし、従来ファンを含む多くのユーザーの不評を買ってしまう。そのあまりにひどい状態はネット上で反響を呼び、発売を控えていたピクリマ最終作のFF6にまで影響を与え「慎重な調整、入念なデバッグを行うため」発売延期したほど。その後、本作の不具合は数回のアップデートにより致命的なものはほぼ改善した模様。
主なキャラクター
パーティーキャラクター
敵キャラクター
その他キャラクター
ジョブ・アビリティ
今作の中核を形成するシステム。普通にプレイすると余り使われないジョブやアビリティでも、使い方次第で物凄く強かったり低レベルプレイ時に重要な役目を果たしたりする。「!」マークつきのアビリティは戦闘用のコマンドアビリティで、それ以外はつけるだけで効果があるアビリティ。
- ナイト
- けんのあつかいと まもりにたけている せんし
ジョブ特性は瀕死の味方を「かばう」。防具は重装備可能で、ナイトの優れた武具を装備できる各アビリティ「(たて・よろい・けん)そうび」を覚えるなど、紹介通り物理防御面で特に秀でる。
攻撃面は特定武器威力2倍の「りょうてもち」が簡単習得な割りに強力なので早期に入手したい。
攻守バランスいいが、装備がないと立場が危うい。装備にギルがかかり、強力な装備の登場も遅く専用武器の騎士剣はほぼ後半にしか登場しないなど、物語半ばに火力不足に陥りがち。物足りなさを感じたらジョブを乗り換えるか、物理攻撃を完全に防ぐ「まもり」などの守備的アビリティを活用したい。
低レベル攻略やギルガメ戦などでは、他の味方をわざと瀕死にして自身は「まもり」を使うことでパーティ全体を敵の物理攻撃から完全に「かばう」という戦法もある。
- モンク
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- みずからの こぶしをぶきに たたかう かくとうか
シリーズおなじみの素手で攻撃するジョブ。ジョブ特性は「カウンター」と「かくとう」。
オリジナルコマンド「けり」はアビリティとして覚えられないモンク専用技。
FF1やFF3のような反則的攻撃力こそないが、武器なしでなかなか高い攻撃力を発揮する。序盤は装備にギルがかからないのがうれしいが、後半は他職の強力な装備に太刀打ちできない。
素手は手に何か装備しない限り両手で2回攻撃。刀ほど高確率ではないがまれにクリティカルも出る。他のジョブでもこの素手攻撃力になる「かくとう」も早い段階で習得可能。
HP・毒・暗闇回復の「チャクラ」や攻撃力2倍の「ためる」、「HP〇%アップ」など役立つアビリティは少なめだが、全ジョブ中最高のHPと力を持つので是非マスターしたい。
尚、レベル依存部分が多く、割と力押しのため低レベル攻略ではあまり使用されない模様。
- シーフ
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- すばやさときようさを かねそなえた ぬすみのたつじん
ジョブ特性は「けいかい」「かくしつうろ」「ダッシュ」で、快適なダンジョン探索には特に重要なジョブ。SFC版は「ダッシュ」がないと倍速移動ができない(例外:カルナック城脱出イベント)。
武器は短剣と投擲武器のみと貧弱で攻撃面は期待できないが、素早さが全ジョブ最高でスピーディな行動が可能なため、豊富なサポート能力と手数を最大限に活用しよう。
覚えるアビリティは役立つものが多い。「とんずら」は逃走可能な戦闘なら確実に逃げられる。FF5では高性能なアイテムを盗める敵が多いため「ぬすむ」「ぶんどる」も重要。素早さをシーフと同じにする「ちょこまかうごく」は一見よい効果だが、使い道は限られる。
- 竜騎士
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- くうちゅうでの こうげきがとくいな せんし
専用武器は槍。ジョブ特性なし、能力も弱くはない…が、アビリティ含め全体的に微妙。
「ジャンプ」は必中・槍で威力2倍・後列可・飛行中は攻撃を受けないなど守備面が優秀。今回はFF4と異なり、敵の超攻撃を100%回避するという使用法がメインだろうか。なおマシンヘッドのみジャンプへのカウンターに「迎撃ロケット」で100%撃墜してくる。またジャンプの発動待機中にゾンビになると、ジャンプした後フリーズするバグがある。
HP・MP吸収の「りゅうけん」は魔道士に超便利。むしろ竜剣さえ覚えればジョブマスター不要。
余談だが、シナリオライター竜騎士07の名前の由来は竜騎士のレナなんだとか。
- 忍者
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- あらゆるにんじゅつを つかいこなす しのびのせんし
ジョブ特性は先制攻撃率が上がる「せんせいこうげき」と、両手に一本ずつ武器を持つ「にとうりゅう」。二刀流は、後半ダメージが頭打ちしやすい「りょうてもち」と違って終盤にもダメージ限界に引っかかりにくいが、武器二本分必要でお金がかかり、習得もジョブマスター時と遅いのが欠点。
シーフに次ぐ素早さを持ち、「なげる」は序盤なら各種術、終盤はしゅりけん系が強烈。
「けむりだま」はとんずらと同じだが、煙エフェクト分余計に時間がかかる。
「ぶんしん」はブリンクと同じ効果があり、物理攻撃対策としては非常に優秀。
- 侍
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- かたなをあやつる ぶしどうを きわめたけんごう
ジョブ特性は物理攻撃を30%程度の確率で回避する「しらはどり」。
防具は重装備可能で、専用武器の刀は魔法剣がかからない代わりに素手や一部弓を除けば唯一クリティカルが出る(特効とは性質が異なる。また購入できる刀は発生率が素手と大差ない)。
アビリティは長時間ためて敵全体を即死させる「いあいぬき」や「かたなそうび」を覚えるが、何よりレベルを上げてギルで殴る「ぜになげ」が凶悪。レベルと金さえあれば硬い敵以外は簡単に消し飛ぶ。「みねうち」は内部設定ミスなのか麻痺が発動しなかったが、スマホ版でようやく修正。
- バーサーカー
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- すぐれたちからで たたかいつづける きょうせんし
力は強いが、ジョブ特性の永久バーサクで操作が一切できない困ったジョブ。ディスペルなどでも解除不可。必然的にコマンドアビリティは戦闘で使えない。つけるならサポート系アビリティを。このジョブ特性はすっぴん・ものまねし特性の例外で引き継ぎ対象外なのでマスターしても大丈夫。
戦略的なFF5のシステムとは相反するため、普通は真っ先に敬遠されるジョブ。覚えるアビリティも「バーサク」「おのそうび(ハンマー含む)」のみと寂しく使い道も微妙。
一応専用武器の斧は相手の防御力を1/4で計算し基本威力も高いが、かなりダメージがばらつく。
その特異性から各種バグがあり、魔力0未満にして魔力を参照する攻撃を行うとオーバーフローで超威力になったり、全員バーサクで逃走不能(逃走入力も受け付けない)のままチキンナイフの「とんずら」が出ると矛盾が生じ敵味方攻撃が当たらなくなる(どちらもSFC版のみ。スマホ版は逃走入力可)。
恐ろしいことに、これでGBA追加版含む全ボスを撃破可能らしい(いわゆるバーサーカー縛り)。
- 狩人
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- とくいのゆみで えものをねらう ハンター
弓は両手武器(まふうじ除く)だが後列でも威力が落ちないため、比較的安全に敵と戦える。
ランダムで色々な効果の「どうぶつ」、時間はかかるが暗闇時以外は必中の「ねらう」など覚える。
物理防御無視・必中・1/2ダメージ4回攻撃の「みだれうち」が強力だが、追加効果がでなくなるため、ロッドなど一部武器ではすべてミスになるなど不向き。また習得にはジョブマスターが必要。後にDS版FF3にも逆輸入された。
- 魔法剣士
- まほうとけんじゅつを ゆうごうさせた けんし
忍者並みのすばやさを誇り、ジョブ特性は瀕死時に自動シェルがかかる「まほうバリア」。
覚えるアビリティはそれ以外すべて「まほうけん」。効果は剣に属性を付加し弱点を突く、ST異常・追加効果付加、攻撃力を跳ね上げる(フレア)などで、主にボス戦で活躍する。ST異常は魔法回避が高い敵でも、無耐性なら攻撃命中で確実に付与可能。ガ系やホーリーなどの最高レベルの属性付与は、弱点かつ即死耐性なしなら一発で倒せる。
- 白魔道士
- ひとびとをいやす しろまほうを とくいとする まどうし
最初から最後まで役立つ白魔法の使い手。回復役の代表格で、ケアル、プロテス、レイズ、ホーリーといったお馴染みの魔法が揃っている。今作から一部補助系は時魔法に移った。回復魔法はアンデッドだと効果反転(攻撃)でき、賢者の杖+ホーリーはフレアより強い。
覚えるアビリティは、ジョブマスター時以外「しろまほう」のみ。ジョブマスターで「MP10%アップ」を覚えるが、使う機会はほぼないだろう。
- 黒魔道士
- てきを こうげきする くろまほうを えとくした まどうし
強力安定ダメージな黒魔法の使い手。各種属性魔法は弱点を突けば抜群の破壊力を誇り、加えて今作はドレインやアスピルも強力。今作から一部補助魔法が時魔法に移った。
属性強化効果のある各種ロッドが序盤で手に入るため、火力の底上げも容易。特に12の武器の一つであるウィザードロッドは炎・氷・雷・毒・地・風属性を強化する万能さ。今回は吸収効果のある防具も多いので、味方にぶっ放して回復なんて芸当もしやすい。
覚えるアビリティは、ジョブマスター時以外すべて「くろまほう」。マスター時の「MP30%アップ」は白魔よりは割合が多いが、縛りでもない限り素直にMP回復したほうが…。
- 時魔道士
- じかんと くうかんを あやつる まどうし
今作初登場の「じくう」で補助する魔道士。スロウ、ストップ、ヘイスト、クイック等、時空の名の通りATBに影響を与える魔法が多い。時空は魔力依存魔法が少なく誰でも使いやすいが、一方で本当にどうしようもない魔法スピードも。また補助中心ゆえ魔力補正も決して高くはなく、攻撃は割合ダメージのグラビデやランダム4連射のメテオなどかなり限られるため、攻撃面はあまり得意ではない。
習得アビリティはやはりマスター以外「じくう」のみ。ジョブマスター時の「ロッドそうび」は杖も装備できるようになるが、通常プレイでは利点が少ないだろう。
- 召喚士
- げんかいから しょうかんじゅうを よびだす まどうし
全ジョブ中最大の魔力とMPを誇る(GBA版は予言士が上回る)。
召喚で敵全体に強力な魔法攻撃するほか、ゴーレムやフェニックスなどの補助系も優秀。MP効率なら風強化シルドラ、水弱点にはリヴァイアサン、高魔防にはバハムートが最強とされる。しかし序盤の召喚魔法がしょぼい、召喚獣を倒さないと魔法を覚えない、MP消費が激しいという欠点も。
アビリティは「しょうかん」のほか、ジョブマスターするとMP消費せず今いる召喚からランダムに「よびだす」アビリティも覚える。
- 青魔道士
- モンスターのわざを しゅうとくできる まほうせんし
ジョブ特性は敵の一部技を受けると覚える「ラーニング」。覚えた技は「あおまほう」で使える。
今作より登場した異端の魔道士。剣や盾を装備できるが、力は低く肝心の魔力補正もそれなり。覚えるアビリティの「しらべる」「みやぶる」も白魔法LV1のライブラで代用できてしまう。
青魔法も癖が強くラーニングが面倒だが、使いこなせば攻撃に補助に回復と万能で超強力。特に縛りの禁止候補筆頭なレベル5デス、覚えにくいが補助最強なマイティガードなどは青魔の評価を一変させる。ラーニングの積極活用次第で評価が大きく変わるといえる、やりこみ向けジョブ。
- 赤魔道士
- しろとくろの まほうを つかいこなす まほうせんし
白と黒の魔法をLv3まで使えるが、FF3と違い弓や盾が装備できないなど、ジョブ自体は中途半端。ステータス補正も低めで、特に耐久面は紙。中盤以降は万能どころか何もかも頼りない。一応素早さは高めなので、魔法系アビリティをつけて後列で補助役にするとよい。トード&ミニマムは敵の耐性を把握していれば補助に使えなくもないが、無理は禁物。
最大の利点は最後に999ABPで習得する「れんぞくま」。青魔法以外は最強の切り札となる。
- 魔獣使い
- モンスターを おもいどおりに あやつる ちょうきょうし
モンスターを操ったり捕らえたりして戦う特殊ジョブ。青魔法のラーニングと相性がいい。
戦士としては力も平凡でほかの能力も低いため、普通にプレイするとあまり強い印象はない。
アビリティも魔獣系を「なだめる」、威力が今一つの「むちそうび」など少々頼りないが、「あやつる」で強敵を無力化、「とらえる」「はなつ」で超強力な技が出る、専用武器の鞭にマヒの追加効果があるなど、極低レベルプレイをする際は非常に重要なジョブである。
- 薬師
- アイテムのこうかを たかめる くすりのスペシャリスト
ジョブ特性「くすりのちしき」でアイテム効果を倍増でき、特殊な薬を「のむ」ことができる。
アビリティはST異常回復の「ちゆ」、全員をノーコストで生き返らす「そせい」などを覚える。
しかし、最もヤバいのは2種類のアイテムを混ぜて特殊効果を出す「ちょうごう」で、その効果は超アレイズ、安価なMP全快、各種属性耐性付加、レベルの上下操作など非常に強力。使い方次第ではバーサクやチャームがラスボスにすら効いてしまうため、存在自体がバグと言われる(修正前)。
なおバッツ以外を全員薬師にしてラスボスを倒すと、エンディングで本当にバグらせてくれる。
ひらがな表記は「くすりし」。一般的な読みの「くすし」や「やくし」ではない。
- 風水師
- だいしぜんのちからを じざいにあやつる のうりょくしゃ
ジョブ特性は「おとしあなかいひ」「ダメージゆか」で、シーフ同様ダンジョン攻略の要。
能力は魔力以外しょぼいが、MP消費なしの「ちけい」で攻撃し、場所次第では全体即死も狙える。
ちけいはレベルにより出る技が増える。また魔力依存のため魔法系ジョブにも相性◎。
ジョブマスターまでの必要ABPは、吟遊詩人と並び全ジョブ中最小。
専用装備のベルはギヤマンのかね以外すべてレア。また短剣同様「ベルそうび」はない。何故?
- 吟遊詩人
- うたごえで きくものの こころをいやす おんがくか
特殊な効果の「うた」を使うジョブ。「かくれる」などFF4のギルバートの名残もある。
FF3・FF4と続けて弱かったジョブで、今作も能力的に普通の戦闘は強くないのだが、その竪琴は全ての者の心に等しく届き(割合ダメージ)、その愛の歌は心無い機械にすら響く(音波という隠しカテゴリで、機械類は大体弱点)…という浮世離れした性質を持つため、使いこなせばものすごい。
対アンデッドに脅威的なレクイエム、アンデッド&ドラゴンに8倍特効な伝説の武器も存在する。
- 踊り子
- かれいなおどりで みるものをまどわす ダンサー
能力値が低く強くないが、「おどる」でつるぎのまいが出れば必中4倍の強烈なダメージ。
専用の「リボンそうび」(マンイーター、レインボードレス、あかいくつ、リボン)も強力で、装備でみわくのタンゴをつるぎのまいに置き換えれば50%発動でだいぶ実用的になる。
なお「おどる」は全4種類だが、半数が吸収攻撃という特性上アンデッドとは相性が悪い。
アビリティ「いろめ」は簡単に覚える代わりに少々ネタっぽい技。
特殊ジョブ
ものまねし・すっぴんは、それ単体だと能力補正もアビリティもなく非常に弱いが「マスターしたすべてのジョブのジョブ特性」と「一番高いステータス」を引き継ぐという、ほかのジョブにはない究極の特性を持つ(ジョブ特性はバーサーカーのバーサク、ネクロマンサーのアンデッド、すっぴんの全装備、は特殊すぎるためか例外)。
極論「モンク、シーフ、召喚士(GBA版は予言士)」の3つをマスターすれば全能力が最も高くなることを意味する。ジョブマスターが多ければ、基本的に最終ジョブはこの二択となるだろう。
- ものまね士
- きょういの ものまねマスター
話の進行上必ず手に入る他のジョブとは違い、ものまねしゴゴが守る隠しジョブ。直前の味方の行動を「ものまね」する。覚えるアビリティも「ものまね」のみだが、必要ABPは999と膨大。
「たたかう」「アイテム」すらカスタム可能で、アビリティを3つまでつけることができる。
ものまね対象はカウンターやまほうバリアなどの自動行動も含まれる。MPやアイテムが必要な行動をものまねした場合は消費なしで発動できる。
武器はジョブ専用装備を除く短剣・杖・ロッド・投擲だけだが、防具は「リボンそうび」以外なら重装備含め全て装備可能。
装備制限とアビリティ枠数から、魔法役の最終ジョブはこっちがいいかも。
見た目はマントつけたすっぴん。ガラフは加入時期の都合でジョブチェンジできない。
- すっぴん
- クリスタルに みちびかれた ぼうけんしゃ
何のジョブにも就いていない素の状態。その性質上無職やニートなどとよくネタにされる。
全ての武器防具が装備可能だが素の能力では生かせず、アビリティに至っては何も覚えない。本領発揮は他のジョブが育ってから。アビリティを2つつけられるため最終ジョブの筆頭となる。
- ちなみに、ものまねし(GBA版は追加ジョブも)含む他の全てのジョブをマスターするとすっぴんにも自動的に★★★がつくが、ただの記念なので何か強化されるわけではない。
GBA追加ジョブ
第三世界で石版を4つ集めると新規イベントが発生し、出現した追加ダンジョンから入手できる。
場所は蜃気楼の町からやや左下の海中。ネクロマンサーはさらにエヌオー撃破が条件。
ものまねし同様、クリアには必要なくガラフはジョブチェンジできない。引き継げるジョブ特性もない。
- 予言士
- みらいをよちする ちからをもった のうりょくしゃ
召喚士を超える魔力とMPを誇り、きわめてトリッキーで扱いの難しい技を持つジョブ。
時限発動する特殊技「せんこく」や、使用時のMPの下一桁で効果が変わる「よげん」を使うが、しっかり性質を見極めないと味方への事故が多発する。
ほかに「てきよけ」「ABPアップ」…と、稼ぎに非常に便利なアビリティを覚える。
- 砲撃士
- たいほうによる せんじゅつをとくいとする せんし
大砲で攻撃する「ほうげき」や「EXPアップ」を習得できるが、能力補正はすべて低い。
「ごうせい」は砲弾とアイテムを組み合わせることで敵全体に様々な効果とダメージを与える技で、性質はくすりしに近いが、追加効果は補助魔法程度。その分かなりの威力がある。
- 剣闘士
- たたかいの ごくいを きわめた せんし
騎士剣・剣・短剣・槍・斧(ハンマー除く)・弓・盾が装備可能という、物理戦特化のジョブ。さらにモンクと同じ力、忍者並みの素早さ、と能力的にどことなく前作パラディンを思わせる。防具も重装備可能だが、HPが微妙なため耐久性は今一つ。
後列でも威力が変わらない「こうれつぎり」や、「ぜんぎり」「てきよせ」を習得できる。
「ひっさつ」はクリティカル、9999固定のエレメントアタック、ミスからランダム発動。エレメンタルアタックの属性は対応クリスタルと同じでバッツ風、レナ水、ファリス火、クルル大地。またエレメンタルアタックはジョブレベルで発動率最大50%まで上がるほか、弱点属性だと即死技になる。
- ネクロマンサー
- あんこくまほうをつかう やみのまどうし
ジョブ特性「アンデッド」はアンデッドと非常によく似た特性で、アビリティとしても習得可能。なおすっぴんやものまねしに引き継がれないのでジョブマスターしても大丈夫。
能力値はすべてプラスで力と素早さ以外は全部高めと、総合値だけは普通のジョブを凌駕する。特に魔道士系にしてはHPが異様に高くやたらと耐えるため、わりと安心して戦える。
アビリティは、特定のモンスターを「はなつ」時と同じ効果を発揮する「めいやく」と、単体全体こそ選べないもののガ系魔法以上の強力な効果を持つ「あんこく」を使用できる。
その性能以上に、入手時期が異常なまでに遅いことが有名。「かけらに眠る暗黒の力」
niconicoでのFF5
発売からすでに四半世紀たつが、キャラの高いカスタマイズ性や、殆どのボスキャラに何かしらのステータス異常が効く仕様などから、いわゆる縛りプレイ動画が多く、「その発想は無かった」と言うような戦術が多数飛び出す。
そしてストーリー中盤からギルガメッシュという、敵側ながら憎めず強烈な印象を与えるキャラクターならびにテーマソング(ビッグブリッヂの死闘)が主人公以上に人気を博し、以降のシリーズやリメイク作品等でたまに登場している。また、ニコニコ動画でもギルガメッシュの派生動画が多く上げられている。
なお今作は一部効果音が異常にうるさいため、隕石落下(ハンバーグ)、地震等のシーンでは音量注意。
基本的にはSFC版(またはそのVC)が多く使われている。
関連動画
関連項目
外部リンク