電報とは、電信を用いた文書配達サービスである。
概要
郵便を利用するよりも高速に文書を届けられるので、電話が普及するまで緊急の用事を伝える時などに重宝された。伝達手段は、かつてはモールス信号で多くの電報局を人手による解読で中継する方式から、自動交換機を経由する自動中継、ISDN回線伝送による配達委託先への直接伝送へと変化している。
現在は電話・電子メールの発達により、電報を緊急の用事を伝える用途として利用するのは減少したが、冠婚葬祭での祝電や弔電用としては今も盛んに使われている。
電報文体
かつて、電報に使用できる文字はカタカナと一部の記号等に限られ、かつ電報料は濁点・半濁点・空白・句読点を含めた字数で課金されるため、丁寧ながらも簡潔な文語体の文章をカナ化しかつ濁点・半濁点を省略するのが一般的だった。また単語そのものを略語とした電報略号も存在し、これは今も鉄道ファンを中心にファン同士の会話で使われている。
主な電報文体の例
- チチキトクスグカエレ
父親が危篤状態に陥った。すぐに実家へ帰ってこい - ヘンシンコウ・レンラクコウ
返信をお願いします・連絡をお願いします - ヒゼウ
非常 - アトフミ
詳細は後ほど手紙で - サクラサク
大学に合格した - サクラチル
大学入試に落ちた。
ちなみに、サクラサク・サクラチルの言い回しは早稲田大学が発祥で、大学ごとに個別の文体が存在した。(千葉大学であればナノハナサキミダレキミヲマツ・ナリタクウコウキリフカシという具合。逆に長いじゃねーかというツッコミはなしで。) - 20ヒのゼ10ジニ、ササヅカエキデマツ
20日の午前10時に笹塚駅で待っています。
ちなみに、午後は「ゴ」と表現した。
通話表
戦前、日本国内へ電報を送る際は、聞き間違いを防ぐため通話表を使って送信していた。
例えば「ケモノフレンズ」を電報で送る際は
「景色のケ、もみじのモ、野原のノ、富士山のフ、れんげのレ、おしまいのン、スズメのスに濁点」
と送る。
関連動画
関連項目
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