解像度とは、画像の精細さを表す数値である。
- 画像、映像において、一定の面積の中にどれだけ精細に表現できるかを密度で表したもの。
- 上記から転じて、コンピューターのディスプレイや映像などの、画面の縦横の総画素数のこと。画面解像度。
- さらに転じて、主にSNSで、物事に対する理解の深さ・正確さ・細かさを表現する慣用句として用いられる。「このweb小説はラウダのグエルに対するクソデカ感情の解像度が高い」
1は実寸に対しての像の密度であり、2は画像の全長である。この2つは違う概念であることに注意。
いずれにしても、解像度が上がることで、画面内に描かれる写真・映像・画像などの輪郭や色彩がより鮮明になる。カメラ撮影で言えば、解像度が上がれば上がるほどより自然界そのままの表現が可能になるとも言える。
もともとは1の意味が正しいが、いつからか2に対しても解像度という言葉を使い始めたために混乱を招く元となった。混同しそうな場合は、1のほうを「画素密度」や「ドットピッチ」、2のほうを「総画素数」や「画面解像度」のように呼び分けすることが望ましい。
なお、配信においてはFPS(フレーム単位の画面更新速度)やビットレートも重要となる。
1.本来の解像度
写真、映像におけるレンズやフィルムの描写性能、印刷やディスプレイの精細度を現す際に、どれだけ細かく像を再現できるかを表す言葉である。
一般で言う「表現・描写の解像度が高い」はこの意味を指す。
デジタルで解像度を表す単位はdpi(ドット・パー・インチ)やppi(ピクセル・パー・インチ)が一般的。これは1インチの中にいくつのドット(ピクセル)が並ぶかを表したものである。たとえば「100dpi」であれば、1インチの中にドットが100ドット並ぶことを意味する。dpiはプリンタなどで、ppiはモニタの解像度を表す際に使われる。
コンピューターのディスプレイは、昔は72dpi(Mac)や96dpi(Win)を基準に考えると良いとされてきた。しかし、最近ではディスプレイの性能が良くなって100dpiを超える細かい表示が可能なものも出てきており、機種によりまちまちである。そのため、同じものを閲覧しても機種によって大きさが大きく異なって見えるという弊害が生まれる。例えばweb上に縦100ドット×横100ドットの画像が表示されていたとして、72dpi表示のディスプレイでは実寸は3.5cm程度で表示されるが、100dpi表示のディスプレイでは2.5cm程度で表示されることになる。
「1920×1080(フルHD)のディスプレイを買いに行ったら、同じ画素数なのに片方は22インチで片方は27インチだった」などということが起こるのも、「総画素数」は同じだが「解像度(密度)」が違うからである。
印刷においては、カラー印刷で300dip~350dpi程度が良いとされているので印刷データを作る場合には参考にすると良い。それより高い解像度でデータを作成しても構わないが、余計にデータが重くなるだけで印刷結果にはあまり影響しない。逆に、それより低い解像度でデータを作ると、像が荒くなってしまうことになる。
印刷用の画像データを作る際は、画像制作ソフトで実寸(”A4用紙”や”○○cm×○○cm”など)と解像度(dpi)を指定すれば自動的に縦横のピクセル数を計算してくれるので、ピクセル数で画面のサイズを決定する必要は無い。
近年では後述する「画面解像度」と混同することが増えてきたので、ディスプレイのスペックを表す際に、「画素ピッチ」「ドットピッチ」(1ドットの大きさを表す)という単語が使われる場合も多くなった。
2.画面解像度
上記のとおり、密度を表す解像度と混同しないように注意したい。この記事では「画面解像度」という表記で統一する。Wikipediaでは「画面解像度」として独立した記事になっているのでこちらも参照。
TVやコンピューターディスプレイの表示サイズ、あるいはデジタルカメラの撮影サイズや、画像、映像などの横×縦のドット数のことである。かつてのデジタルカメラの高解像度化戦争の際に「総画素数が多い」ものが「高解像度」と表現され(センサーの画素数が増えればそれだけ写真の解像度は上がるのでこれは間違いではない)、ディスプレイ市場で「縦×横の総画素数」の意味で一般に定着した。現在では単に「解像度」と言われればこちらをイメージする人も多いだろう。
よく使われる画面解像度の規格にはそれぞれ、「720p」や「HD」、「VGA」等の専用の名称がついている。(下図参照)
なお、多くの方が色々なメディアでしばしば目にするであろう「HD」という単語は「ハイデフィニション(high definition)」は専らで説明する720p・1080i・1080pを意味している。
ニコニコ動画における画面解像度
現在のニコニコ動画に投稿された動画は、もとの画面解像度や動画尺に応じて複数の画面解像度にエンコードされる。
また、ニコニコ動画のプレーヤーの表示領域も変化しており、最新のQWatchでは中画面表示は640×360、大画面表示は854×480となっている。
2019年の現行で選択できる解像度は1080p(条件付き)、720p、480p、360p、それ以下の低画質に分けられている。以前は中間の560pも存在したが、途中で廃止された。
詳細は下記の表を参照。
ニコニコ動画投稿サイズの目安
投稿動画サイズの目安 | 4:3 | 16:9 | 15:9 |
---|---|---|---|
SMILEVIDEO再エンコード時のサイズ※1 | 512×384 | 640×360 | |
QWatch 中画面モード 表示サイズ | 512×384 | 640×360 | |
QWatch 中画面モード 特殊サイズ※2 | - | - | 640x384 |
QWatch 大画面モード 表示サイズ | 640×480 | 854×480 | |
dmcサーバー 低画質サイズ | 480×360 | 640×360 | |
dmcサーバー 中画質サイズ | 640×480 | 854×480 | |
dmcサーバー 中画質旧最大サイズ※3 | 720×540 | 960×540 | |
dmcサーバー 高画質サイズ | 960×720 | 1280×720 | |
dmcサーバー 1080pサイズ | 1440×1080 | 1920×1080 | |
ハーフHDサイズ | - | 1280×720 | |
フルHDサイズ | - | 1920×1080 | |
サーバーエンコード後最大サイズ | - | 1920×1080 |
※1 SMILEVIDEOの再エンコード……動画投稿の際に指定の形式内でアップロードしなかった場合、SMILEVIDEO側でも表記の画面解像度に再エンコードされる。再エンコードさせないための指定の形式については、ニコニコ動画まとめWikiなどを参照。
※2 中画面モードの特殊サイズ……中画面モードで16:9の動画を表示した際に生まれる黒縁を無くし、表示領域を最大限に使うことができる比率。ただし、サムネイルやエコノミー動画は強制的に16:9にリサイズされ、縦に潰れて見える(→参考)。また大画面モードの表示領域は16:9であるため、現在は大画面モードの表示サイズに合わせて投稿したほうが良いと思われる。
※3 dmcサーバー 中画質旧最大サイズ……2019年1月22日以前にdmcサーバー(現行の配信サーバー、詳細はDwango Media Clusterの記事を参照)でエンコードされた動画で採用されていた解像度。現在は廃止されているが、過去の動画は今なおこの解像度で再生されることがある。
動画、およびコメント表示領域のサイズ
QWatchの表示領域 | 4:3動画 | 16:9動画 | 最大動画表示領域 | コメント表示領域 |
---|---|---|---|---|
QWatch 大画面モード | 640×480 | 854×480 | 854×480 (16:9) | 898×480 |
QWatch 中画面モード | 512×384 | 640×360 | 640×384 (15:9) | 672×384 |
以前のプレーヤーの表示領域 | 4:3動画 | 16:9動画 | 最大動画表示領域 | コメント表示領域 |
---|---|---|---|---|
ZeroWatch 大画面モード | 648×486 | 864×486 | 864×486 (16:9) | 908×486 |
ZeroWatch 中画面モード | 512×384 | 640×360 | 640×384 (15:9) | 672×384 |
ZeroWatch 小画面モード | 200×150 | 267×150 | 280×150 | |
ニコプレーヤー4 16:9モード | 512×384 | 640×360 | 640×384 (15:9) | 672×384 |
ニコプレーヤー4 4:3モード | 512×384 | 512×288 | 512×384 (4:3) | 544×384 |
ニコプレーヤーVer.3以前 | 512×384 | 512×288 | 512×384 (4:3) | 544×384 |
ニコプレーヤーVer.3以前は4:3表示しか存在せず、16:9動画は横を512pxに収めるように表示されていた。
ニコプレーヤー4で実装された16:9表示では4:3動画はそのままに、16:9表示は640×360で表示される。なお、実際の動画表示領域は640×384の15:9なので、16:9動画では上下に12pxづつの黒帯が生まれてしまい、15:9で動画を表示することで領域を最大に使うことができる。この中途半端な比率は、縦のサイズを4:3表示に合わせたためであると思われる。
ZeroWatchでは4:3モードは廃止され、新たに実装された大画面モードでは4:3動画も16:9動画も縦486pxで揃えて上下いっぱいに表示されるようになっている。中画面モードはニコプレーヤー4の16:9モードと同じ表示。
QWatchでは、ZeroWatchの大画面モードのサイズが大きすぎるとの声が多かったため、大画面モードの画面が少し小さくなった。
なお、コメント表示領域は実際は縦1pxぶん画面の表示領域外にめり込んでいる。これはshitaコマンドでコメントを投稿した際、黄色の枠の下側が欠けていることで確認ができる。
よく使用される画面解像度
画質昇順。
テレビ関連
名称・規格 | 用途 | 4:3 | 16:9 |
---|---|---|---|
ワンセグ | ワンセグ | 320×240 | 320×180 |
480i / D1 / NTSC (SD) | DVD アナログ放送 |
720×480 640×480※1 29.97fps(30フレーム) |
720×480 852×480※1 29.97fps(30フレーム) |
480p / D2 (SD) | 640×480 59.94fps(60フレーム) |
852×480 59.94fps(60フレーム) |
|
720p / D4 (ハーフHD) | - | 1280×720 59.94fps(60フレーム) |
|
1080i / D3 (フルHD) | デジタル放送 | 1440×1080※2 | 1920×1080 29.97fps(30フレーム) |
1080p / D5 (フルHD) | ブルーレイ | - | 1920×1080 59.94fps(60フレーム) |
※1…埋め込まれたアス比情報を元に上記サイズに変換して表示される。 ※2…地上波デジタル放送では1440×1080(4:3)の元データを1920×1080(16:9)に変換(ピクセルアスペクト比を1:1の正方形ではなく4:3で描画)して表示している。 |
コンピュータ関連
名称 | 画面解像度 | 比※ | 備考 |
---|---|---|---|
QVGA | 320×240 | 4:3 | 2000年代前半頃の携帯電話の主流。 |
WQVGA | 400×240 | 15:9 | 2000年代後半頃の携帯電話の主流。 |
HVGA | 480×320 | 3:2 | VGAの1/2サイズ。iPhone 3/3G/3GS。 |
DCGA | 640×400 | 16:10 | PC-9801の画面モード。 |
VGA | 640×480 | 4:3 | DOS/V標準。セーフモードやBIOS画面でお世話になる。 |
WVGA | 800×480 | 16:10 | 初期のスマートフォンや低価格タブレットPCに多い。 |
FWVGA | 854×480 | 16:9 | 2010年頃の携帯電話の高級機。一部のスマートフォンにも採用されている。 |
SVGA | 800×600 | 4:3 | 大昔のノートPCでよくあった。 |
QHD | 960×540 | 16:9 | フルHD(1920×1080)の1/4サイズ。2010年頃のハイエンドスマートフォン(SH-12C等)で採用。尚、PlayStation VITAは960×544ドットの有機EL画面を搭載する。 |
XGA+ | 1152×864 | 4:3 | マイナーだがリモートデスクトップではお世話になるモード。 |
WSVGA | 1024×600 | ほぼ 16:10 |
ネットブックやUSBモニタでよく使われる。 |
XGA | 1024×768 | 4:3 | 15インチくらいのスクウェア型モニタは大抵これ。iPad / iPad2 |
WXGA | 1280×800 | 16:10 | 2000年代前半のノートPCの主流。 |
SXGA | 1280×1024 | 5:4 | スクウェア型液晶ディスプレイの主流。 |
FWXGA | 1366×768 | ほぼ 16:9 |
最近の低価格ノートPCの主流。 |
SXGA+ | 1400×1050 | 4:3 | 2005年頃のビジネス向けノートPCの主流。 |
WXGA+ | 1440×900 | 16:10 | 一部のノートPCや小型ワイド液晶。 |
WXGA++ | 1600×900 | 16:9 | 2000年代後半頃のモバイルノートPCの高級機に多い。 |
WSXGA+ | 1680×1050 | 16:10 | 2000年代後半頃の20~22インチのワイド液晶の主流。 |
UXGA | 1600×1200 | 4:3 | 20インチ級スクウェア型液晶の主流。17インチCRTの上限。 |
FHD | 1920×1080 | 16:9 | フルHD。20~23インチくらいのワイド液晶の主流。 |
WUXGA | 1920×1200 | 16:10 | Single-LinkのDVIで出力できる上限。クリエイター向けのワイド液晶に多い。 |
QWXGA | 2048×1152 | 16:9 | 一部のワイド液晶に採用例あり。 |
QXGA | 2048×1536 | 4:3 | 21インチCRTの標準解像度。アナログD-Subケーブルで出力できる上限。iPad(第三世代)。 |
WQHD | 2560×1440 | 16:9 | 27インチ級の大型液晶モニタの主流。これ以上はSingle-LinkのDVIやD-Subケーブルでは出力できない。 |
UWFHD | 2560×1080 | 約21:9 | 29インチシネマスコープ。AV志向の高級液晶で採用されることがある。 |
WQXGA | 2560×1600 | 16:10 | 30インチ級のクリエイター向け高級液晶で採用。 |
QWXGA+ | 2880×1800 | 16:10 | MacBook Proの一部モデルで採用。(ただし表示解像度は1440×900) |
QFHD(4k2k) | 3840×2160 | 16:9 | クリエイター向けディスプレイ、または液晶テレビの高級機。MacBook Proの一部モデルで採用(ただし表示解像度は1920×1080)。 60Hzフルカラーでの出力にはHDMI2.0またはDisplayPort1.2以降が必要。HDMI1.4でも不完全だが出力対応する場合あり。 |
関連項目
外部リンク
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