炎色反応とは、アルカリ金属やアルカリ土類金属などを炎の中に入れて熱すると、それぞれの元素特有の光を発して燃えることである。
概要
熱せられて気化した金属原子は、外殻電子がエネルギーを受け取り、普段の基底状態よりエネルギー準位の高い軌道へと移動する。移動した電子は不安定な状態で、元の軌道に戻ろうとする。このとき、2つの状態のエネルギーの差に相当するエネルギーが電磁波として放出され、その波長が可視領域にあるとき、炎色反応を示す。
元素ごとに光の色が違うのは、電子軌道や軌道間のエネルギー差が元素ごとに異なるからである。ルビジウム、セシウム、インジウム、タリウムは発見時に観測された炎色反応(正確にいえば発光スペクトル)の色にちなんで命名されている。
銅、ストロンチウムなどは花火の発色に用いられる。ただし、日本でこれらが用いられ始めたのは明治時代になってからであり、江戸時代までの花火はほとんど赤やオレンジ以外に色がなかったことは覚えておいた方がいい。
覚え方(7色)
金属-色の対応を語呂合わせで覚えようとする人もおり、その覚え方としては例えば以下のようなものがある(コピペ+形状変化)
「リアカー無きケイ村、動力借りようとするも、貸してくれない。馬力でやろう」
「リアカー無きケイ村、動力借りようとするも、貸してくれない。馬力でやろう」
リ(Li)アカ(赤)ー無(Na)き(黄)ケイ(K)村(紫)、動(銅)力(緑)借(Ca)りようと(橙)する(Sr)も、 貸してく れない(紅)。馬(Ba)力(りき=緑黄)でやろう.
リチウム(Li赤)、ナトリウム(Na黄)、カリウム(K紫)、銅(Cu緑)、カルシウム(Ca橙)、ストロンチウム(Sr紅)、バリウム(Ba黄緑)
Li赤 Na黄 K紫、 銅緑 Caりよう橙 Srも貸して紅。 Ba緑黄でやろう。
Liあかー Naき K村 銅力 Caりようと Srもかしてくれない Baりきでやろう。
■■■■■■■…赤 黄 紫 緑 橙 紅 黄緑 Li Na K Cu Ca Sr Ba
・よく見るとバリウムの「黄緑」が「り(緑)き(黄)」になっているが気にしてはいけない。
・元素記号が銅の「Cu」のみ発音に使われていない点に注目したい。
ところで、なぜ、特定の職業に就くでもしない限り日常生活でそれほど利用機会が多いとも思われない「炎色反応の金属-色の対応」について、このように複数の語呂合わせが広まるほどに暗記しようとしている人が多いのだろうか?
実は、こういった炎色反応については中学校の理科や高校の化学で教えられる。そして、炎色反応の金属-色の対応が試験で問われることもあり、ひいては進学の際の入学試験で出題されることもありうるのだ。そのため、学生らは上記のような語呂合わせを用いて暗記せざるを得なくなるのである。
炎色反応の一覧
炎色反応 |
元素 | |
Li Na K Ca Ba Ra Cu B In Tl P |
■黄 ■暗赤 ■黄緑 ■洋紅 ■黄緑 ■青 ■藍 ■淡緑 ■淡青 ■淡青 ■淡青 |
インジウム タリウム |
・色の見え方と例え方は個人差や出典によって若干の差がある。
・コバルトガラス(コバルトを含有する青色のガラス)を通して見た場合も異なる。これは不純物として含まれるNaイオンの影響をなくすとより正確な定性分析が可能となるため。(不純物として含まれるナトリウムに由来する 589nm の輝線を吸収する)
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関連項目
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