天下りとは、
- 天から神がおりてくること
- 1から転じて、数理系において論理的に導いたわけではないが、所与のものとして与えられる定義や数値、またそれらを使う方法(例)天下り的に
- 1から転じて官僚や政治家などが所属する組織の影響力を持って関連する傘下の組織へと移る事
本項目では(3)について説明する。
概要
大抵は「便宜を図ってくれた政治家などを、企業・組織が見返りに高給・好待遇で採用する」パターン。
地位・特権を悪用した不正行為のため、良い意味で使われる事はまずない。
一般的な転職とは異なり、基本的に天下り先では何の役にも立っていない場合もある。
簡単な一例
大手建設会社A「不景気で仕事が少なくて困るなぁ…」(汗)
政治家「退職後に天下りさせてくれるなら、お前んトコにどでかい公共事業とか、定期的に仕事あげるよ」
大手メーカーB「不景気で製品が売れなくて困るなぁ…」(汗)
政治家「退職後に天下りさせてくれるなら、公共事業や巨大施設内で使用する備品等を、君の企業から全部購入してあげるよ」
A・B「分かりました!それをしてくれるなら…
何もしなくても毎月50万円以上、数年後の満了退職金は1000万円以上ほど用意します!ただ無人では示しがつかないんで、形だけでも出勤してタイムカードを押していただければ、後は寝てても遊んでてもネトゲやっててもエロサイト三昧していても全然構いません!」
そして政治家は将来的に大金を手に入れ、建設会社も大きな利益になり、お互いwin-winな関係になった。
※待遇・金額は一例で、退職金はこれ以上、億単位の場合もある。
問題点
ただし、これをやってしまうと「金のある企業・組織が好き勝手できてしまう」ため
その他のまじめにやっている企業が割を食う羽目になる。入札談合など。
結果的に癒着した企業のために、国民の税金をドバドバ使われている場合も珍しくない。
顧問や相談役といった適当な肩書だけで、何の役にも立っていない置物同然である場合も多い。
もちろん雇った企業・組織内にも「なんだあのオッサン、何もせず偉そうに金だけ貰いやがって」という反発も出てくる。日本では年功序列な企業がまだ多いため、利益が反映されず安月給の若手社員などの反発や、やる気が失せるといった問題もある。
政治家が地元の大企業と結託するパターンも多く、多額の献金でなく選挙の「票」が一種のカネ代わりという場合もある。大企業であれば家族も含めかなりの人数になり、任期満了後の再当選の確率もグッと上がる。
もちろん日本の大企業全部がそんな事をやっている訳ではない。
…とはいえ、天下りによってその政治家本人が採用され、何もせずコスパの悪い高給・好待遇でいるならクロの可能性が非常に高い。かといってどうにもできない訳だが。
比較的短期間に天下りと退職を繰り返す人間は比喩的に「渡り鳥」とも呼ばれる。
※もちろん、短期間しか居なくとも非常に高額な退職金が満額で支払われる。まさに金の亡者。
規制
国家公務員の再就職に関する規制についてiinnkaisetsumei.pdf (cao.go.jp)
「政治家が関連企業に天下りするのはズルいよね!」
…ということで、離職後5年間は密接な関係にあった企業に再就職できない。
だがそれは、裏を返せば「5年後に就職すれば良くね?」というわけだし、日頃からの高給を貯金しておけば5年くらい無給でも特に問題ない。むしろ5年間の長期休暇のようなもの。自分達に都合の良いよう法律に穴を開けておくのは基本である。
そして政治家さんは5年後に、関連企業に堂々と再就職するのであった。(合法)
類するもの
類するもので、そちらは日頃から多額の政治献金などを行い
「企業・組織団体が有利になるよう法律・ルールごと変えてしまう」のは
レントシーキング と呼ぶ。(当該記事を参照)
法律ごと変えてしまえば、いかに卑怯なルールであっても(法律上は)合法である。
関連項目
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