概要
熊本駅と人吉駅間を鹿児島本線・肥薩線経由で運行する観光列車であり、JR九州で当時としては最も新しいD&S列車(観光列車)である。2017年3月4日に運行を開始した。
2022年9月以降は後述の通り、熊本駅と宮地駅間を豊肥本線経由で運行している。
肥薩線の特急として、「九州横断特急」と「くまがわ」が運行されていたが、2016年のダイヤ改正により「くまがわ」は廃止、「九州横断特急」は熊本駅まで区間短縮され、肥薩線の特急は一時期消滅した。
その後、「かわせみ やませみ」の登場と「いさぶろう・しんぺい」の特急格上げにより、わずか1年で肥薩線の特急が復活した。
列車名の由来は球磨川流域に生息する野鳥「カワセミ」、「ヤマセミ」である。観光列車であるが、1号と2号には自由席が設定されており、熊本~人吉間のライナー列車的な役割も担っている。
使用車両は水戸岡鋭治氏による改造が施されたキハ47形2両。1号車は「かわせみ」、2号車は「やませみ」の愛称がつけられており、外装、内装ともにそれぞれのイメージカラー(濃青、濃緑)を基調にデザインされている。
内装には沿線の住民との協力で人吉、球磨産の杉やヒノキ、八代産のい草がふんだんに使用されている。
座席は普通のリクライニングシートのほか、テーブル付きのソファシートや、車窓が眺められるカウンター席が設けられている。2号車にはビュッフェが設置されており、自分好みの座席で球磨焼酎を嗜みながら車窓を楽しむことができる。
ちなみに設置理由がよくわからない迷座席が存在する。1号車14番A席はカウンター席で窓向きに椅子が設置されているが、ドア横の座席であるので窓がなく、代わりにかわせみの彫刻が目の前に置かれている座席であるため、車窓が全く楽しめない座席である。1号車16番CD席はソファ席であるが、14番と同じくドア横にあるため窓がなく、その上ドアの方向に向いている座席である。つまり、車窓が楽しめない上に、停車の度にドアから外の風を直に浴びることになり、さらに乗降客の視線も浴びてしまうという座席である。これらを含む一部の座席は窓口でのみ販売しており、この迷座席が実際に販売されているかは不明である。
なお、「かわせみ やませみ」車両の1両が検査で運用できないときは「いさぶろう・しんぺい」の予備車が連結される。また、繁忙期には「かわせみ やませみ」車両に「いさぶろう・しんぺい」予備車を連結して3両編成で運行されることもある。「かわせみ やませみ」車両は青や緑を基調とした明るい車内であるが、予備車は「いさぶろう・しんぺい」に合わせた落ち着いた雰囲気の車内であるので、切符を購入するときには注意が必要。
さらに予備車も検査に入った場合はキハ40系の一般車を連結することもある。2017年11月3日に事故により予備車が検査入りした際、翌日からキハ147形の一般車を連結して運行を行った[1]。この時一般車は快速扱いで特急券無しで乗車可能であった。
2020年7月3日の豪雨の影響で肥薩線が不通となったため、2021年現在は「いさぶろう・しんぺい」と連結して鹿児島本線・門司港駅〜博多駅間を運行している。
2022年9月23日ダイヤ改正により、運行区間を豊肥本線・熊本〜宮地間に変更し、熊本県内での運行を再開した。
「かわせみ やませみ」データ
鹿児島本線・肥薩線時代
- 会社:JR九州
- 運用線区:鹿児島本線・肥薩線
- 運転区間:熊本駅~人吉駅(3往復)
- 車両:キハ47形
- 編成図
- 停車駅
●は全列車停車、-は通過。
駅名 熊
本
駅松
橋
駅新
八
代
駅八
代
駅坂
本
駅球
泉
洞
駅一
勝
地
駅渡
駅人
吉
駅かわせみ やませみ
[熊本~人吉]● - ● ● ● - ● ● ●
豊肥本線時代
- 会社:JR九州
- 運用線区:豊肥本線
- 運転区間:熊本駅〜宮地駅(1往復)
- 車両:キハ47形
- 停車駅
●は全列車停車、-は通過。
駅名 熊
本
駅新
水
前
寺
駅水
前
寺
駅武
蔵
塚
駅光
の
森
駅肥
後
大
津
駅立
野
駅赤
水
駅阿
蘇
駅宮
地
駅かわせみ やませみ
[熊本~宮地]● - - - - ● ● - ● ●
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関連項目
外部リンク
脚注
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