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Developers Summit 2024 KANSAI セッションレポート

アジャイル開発の推進において、必ずしも"すごい人"は必要ない──現場のエンジニアがDevOps推進で実現する組織改革

【A-5】5年のアジャイル推進で見つけた、壁の乗り越え方 -現場から変革にチャレンジ-

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 エンジニアの働き方改革や開発者体験の向上が叫ばれる現代においては、多くの企業が新たな開発手法の導入に苦心している。とくに旧来のウォーターフォール手法からアジャイル・スクラム体制への切り替えは、組織がそれまで培ってきた風土文化をスクラップ&ビルドすることにもつながる。こうした高いハードルを越えて、アジャイル開発を浸透させようとしているのが関電システムズだ。同社におけるアジャイル開発推進の5年間の取り組みと、現場からの組織変革のアプローチについて、株式会社関電システムズのソリューション本部・テクニカルラボに所属する西内 慶子氏が語った。

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安全最優先ゆえの新技術導入に慎重な体質

 関電システムズは関西電力100%出資の子会社として、関西電力向けシステム開発を専門とする機能子会社だ。2019年4月より関西電力と関電システムズの合同でDevOps推進が始まったが、当時の関電システムズと関西電力の関係は、IT部門再編に伴い役割分担が大きく見直された直後であったこともあり、西内氏が「完全なる親子関係」と振り返るほど強い上下関係だったという。

株式会社関電システムズ テクニカルラボ DevOps推進グループ テクノロジスト(プロフェッショナル)西内 慶子氏
株式会社関電システムズ テクニカルラボ DevOps推進グループ テクノロジスト(プロフェッショナル)西内 慶子氏

 そのため関電システムズの開発体制は決められたことを計画どおり進めていくウォーターフォール型が基本方針であり、技術面では「枯れた技術」の使用が推奨されているなど、新技術の導入にあまり積極的ではなかった。

 こうした体質は以前から課題認識されており、関電システムズではDevOpsの推進前にもアジャイル開発に取り組んだ経験があった。ただ、ガイドラインも制定されていたものの、企業体質が仇となり、プロジェクトごとに立ち上がっては解散を繰り返す状態で、ガイドラインも既存の仕事の進め方を大きく変えない形に終わってしまった。

「今度こそ」アジャイルを定着させたいという背景があった
「今度こそ」アジャイルを定着させたいという背景があった

 DevOps推進時にも、当初は「アジャイルは一部のキラキラした企業だけがやっているものだ」という否定的な反応が多かったという。そうした中、西内氏は「このままでは関西電力の変革スピードについていけず、全体の足を引っ張ることになるのではないか」と焦りを募らせていた。

 こうした状況からスタートしたDevOpsは、長期推進計画と推進体制の構築からスタートした。閉塞的な状況は一朝一夕で改善するものではないため、西内氏は経営陣に対して1~2年では大きな効果が出にくいことを明示。そのうえで、「何年かけてでも、必ずDevOpsをやりきりたい。そのために、今は下地を作らせてほしい」と要望したのだ。

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アジャイル体制についていけないエンジニアが続出

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この記事の著者

中島 佑馬(ナカシマ ユウマ)

 立命館大学卒業後、日刊工業新聞社にて経済記者として勤務。その後テクニカルライターを経て、2021年にフリーランスライターとして独立。Webメディアを中心に活動しており、広くビジネス領域での取材記事やニュース記事、SEO記事の作成などを行う。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

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岩本 隆之(イワモト タカユキ)

 1986年 兵庫県神崎郡出身 2009年 関西大学卒業 学生時代より写真・映像制作を行う。 写真撮影スタジオ勤務ののち、2020年独立。 現在は大阪市在住。 広告写真を中心としながら、ジャンルを問わず活動中。 HP Instagram

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