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★★★★☆ (評者)池田信夫 労働市場改革の経済学 著者:八代 尚宏 販売元:東洋経済新報社 (2009-11-20) 販売元:Amazon.co.jp 非正社員などの「格差」の原因や改革の方向についての本書の考え方は、私が『希望を捨てる勇気』で書いたのとほとんど同じである。日本的な長期雇用システムは、高度成長期のように一つの会社に一生をささげることによって最終的に全員が利益を得られる時代には機能したが、その利益が枯渇すると中高年の正社員の既得権を守るために若年労働者を労働市場から排除する、不公正で非効率なシステムになる。非正社員の70%以上が女性であり、非正社員の問題は女性の労働条件の問題でもある。 もう一つの問題は、少子高齢化にともなう労働人口の減少だが、これを子ども手当で防ぐことはできない。OECDも指摘するように、日本では高学歴の女性が専業主婦になり、子供が手を離れてから就業すると
政府が「デフレ宣言」を出し、それに押されるように日銀がデフレ対策を取るなど、デフレが悪の元凶のように思われている。しかし日本のデフレは1~2%程度のゆるやかなもので、デフレスパイラルに陥る心配はない。90年代以降、世界的に起こっているdisinflationの最大の原因は新興国の世界市場への参入による相対価格の変化であり、これは先進国の購買力を増す。歴史的にも、デフレと不況に必然的な関係ない。 他方、インフレ(特にハイパーインフレ)で経済が破綻した例は数え切れない。これは貨幣が「人々がその価値を信じているがゆえに価値がある」という同語反復的な存在であることによる。人々が貨幣の価値を疑った瞬間にその価値は失われ、その信用を取り戻すことはできないのだ。特に近代以降は、中央銀行が貨幣を発行するようになったため、その価値は国家の権威と結びつき、インフレによって国家が崩壊することも珍しくない。 最初
2010年03月03日01:55 カテゴリITメディア 電子出版はすでに始まっている 3月1日付で「株式会社アゴラブックス」を設立し、私が代表取締役に就任した。役員兼社員5人の超零細企業だが、4月から電子書籍の刊行を始める予定だ――といっても、設備は何もない。インフラはGoogle Appsで1人年間6000円。システム管理もすべてアウトソースするので、固定費はゼロ。失敗した場合のリスクもほとんどない。 iPadは今月下旬に日本でも発売されるが、それを使って読む電子書籍が日本にはほとんどない。このまま放置すると、日本は音楽流通や映像流通のように欧米に大きく引き離され、中国にも抜かれるおそれが強い。しかし日本の業界の実態を知っている人ほど、ビジネスを始めようとしない。電子書籍は、これまで挫折に次ぐ挫折の連続だったからだ。その原因はいろいろあるが、大きくいって次の3つだろう:紙の本に匹敵する見
2009年11月12日12:32 カテゴリ法/政治 事業仕分けという人民裁判 きのうから行政刷新会議の始めた「事業仕分け」の実態は、ネット中継やツイッター中継までされたが、予想以上に混乱した会議の状況を見て唖然とした。こんな乱暴な人民裁判を続けるのは、民主党政権の恥だ。 まず問題なのは、仕分けの対象になったのは概算要求に出ている約3000の国の事業のうち15%足らずの447事業にすぎないということだ。残りの85%は仕分けの対象にならないので、勝負はこの段階でついている。これを選んだのは、実質的には財務省の主計局である。予算書というのは細かい数字の並ぶ膨大な書類で、素人が読んでもわからない。 しかも対象になった事業をみると、大竹文雄氏も指摘するように、期限付きの事業で来年度からやめることが容易なものが多い。こういう事業には恒久的な要員がついていないため廃止しても人件費は減らないので、官公労も
2009年10月10日15:00 カテゴリ書評/画評/品評Value 2.0 リバタリアンの希望と勇気 - 書評 - 希望を捨てる勇気 著者より献本御礼。 希望を捨てる勇気 池田信夫 本書は、リバタリアンというものを理解する上で、日本語で書かれた最も(優|易)しい一冊なのではあるまいか。 本書を読めば、よくわかる。 なぜリバタリアンは正しいかが。 そしてなぜリバタリアンは不人気なのかが。 本書「希望を捨てる勇気」は、リバタリアンとしてネットで最有力の論客である著者が、池田信夫 blogにおけるこれまでの論考をまとめたもの。 目次 - 「本」の検索と購入より はじめに 第1章 格差の正体 1 何が格差を生み出したのか 2 新しい身分社会 3 事後の正義 コラム 情報の非対称性 第2章 ノンワーキング・リッチ 1 社内失業する中高年 2 働きアリの末路 コラム 補完性 第3章 終身雇用の神話
昔、経済学史のワークショップに出たことがある。学説の解説ばかりで退屈したので「経済学はself-interestを扱うのに、なぜ経済学者だけは私利私欲なしに真理を探究するすることになっているのか。実際には、みんな学界で出世するのが目的じゃないのか」と質問したら発表者が絶句してしまい、根岸隆氏が「おっしゃる通り経済学者もself-interestでやってるんだが、それを論じると社会学になってしまう」と助け船を出した。 昨今の経済危機について経済学者が何もいえないのも、こうしたバイアスが影響している、とSteven Levittは書いている:In my opinion, the fundamental problem is this: from a modern academic perspective, the sorts of skills that accompany having a
資本主義の本質を鞘取りに求めるブローデルの思想は、明らかにマルクスの剰余価値の概念を継承するものです。『資本論』の分析対象が資本主義ではなく市民社会だという話は、私の学生時代に盛り上がったのですが、そこでは逆に不等価交換としての資本主義(資本家的生産様式)が軽視されがちでした。 『資本論』の主要なテーマは、市民社会そのものではなく、ほんらい自由・平等な市民社会からなぜ不平等な資本主義(資本家的生産様式)が立ち上がってくるのか、という問題です。こう書くとネガティブに見えますが、これはすべての利潤が消滅する市場の中でいかにして付加価値を生み出すか、というイノベーションの問題でもあります。 マルクスはこれを「貨幣の資本への転化」として説明しました。そのコアにある論理は、労働力の商品化です。資本家は労働力の価値に等しい賃金を労働者に払って、その労働の生産物を売る。したがって労働によって創造される価
厚生労働省は、来年4月に施行される予定の薬事法の改正にともなう省令で、薬のネット販売を原則禁止する方針だ。これに対して楽天やYahoo!ショッピングで、規制反対の署名運動が始まった。それによれば、今度の規制で「風邪薬、胃腸薬、育毛剤、痔の薬、妊娠検査薬がインターネットで購入できなくなる」という。 何のためのネット規制か まず不可解なのは、何のために規制するのかということだ。厚労省の説明によれば、改正薬事法では一般用医薬品をリスクによって3つに分類し、1類と2類については対面販売による説明を義務づける。このうちネット販売を認めるのは、ビタミン剤などの3類だけにする予定だ。3類は全体の3割程度で、便秘薬や水虫の薬も2類になる。 もっともリスクが高いとされる1類には、胃腸薬「ガスター10」が含まれている。私もガスターは買ったことがあるが、薬局で説明を受けたことはない。用法は箱に書いてあるので、そ
総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(デジコン委員会)」は9月26日、地上デジタル放送のB-CASを見直すことを決めた。6月にまとめられた第5次答申では「消費者や権利者の立場からB-CASについてさまざまな指摘が行なわれた」ことを理由に廃止の方向を打ち出している。放送局も反対していないので、B-CASの廃止が事実上決まった。 B-CASがなくなると、ダビング10の信号は受信機で無視できるようになるので、これをどうするかが焦点だ。デジコン委員会の村井純主査(慶應義塾大学教授)は「技術と契約」で対応する方針を示した。しかし、法律で強制しない限り、ダビング10に対応するかどうかは受信機メーカーの自由だ。国内メーカーが(放送局の圧力を恐れて)ダビング10を採用しても、海外メーカーが「ダビング10なし」を売り物にして乗り込んでくる。ダビング10も実質的に廃止(任意の規格)に
サイバーリバタリアン 第36回 光ファイバーは本当に必要なのか? (ASCII.jp 9/30) 地デジ本来の魅力を阻害するB-CASは廃止すべし(日経ITpro9/11) なぜ日本に検索エンジンがないのか?(週刊東洋経済 9/1) 赤字企業になぜ1.6兆円の価値がつくのか?(週刊東洋経済 9/1) 小幡績『すべての経済はバブルに通じる』 書評(週刊ダイヤモンド) NTTの「2010年問題」とNGN(ドラフト) 株主資本主義がIT産業を変える(ドラフト) 「平成19 年度電波の利用状況調査」についての意見(山田肇氏との共著) 「ハイエクとインターネット――自律分散の思想」(『春秋』5月号) NTTの2010年問題:完全民営化で「普通の会社」になれ(日経ITpro 4/7) 『情報通信革命と日本企業』(NTT出版 1997)ccライセンス PDF 800KB (電気通信普及財団テレコム社会
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