【ブリュッセル=辻隆史】欧州連合(EU)は日本と韓国とそれぞれ安全保障・防衛産業分野で新たなパートナーシップ関係を結ぶ検討に入った。日本とは年内の合意をめざす。防衛産業の振興を目的に、装備品の共同研究開発を視野に入れる。ロシアと北朝鮮は19日、有事の相互軍事支援を含む「包括的戦略パートナーシップ条約」締結で合意した。欧州委員会高官は日本経済新聞に「欧州とアジアの安保環境は大きく変わる。日本や韓
航空自衛隊の地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」=福岡県春日市の陸上自衛隊福岡駐屯地で2020年9月、平川昌範撮影 米企業ライセンスで国内生産 政府は、米国企業のライセンスに基づき国内で生産している地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC2、PAC3)を、米国に輸出する方針を固めた。政府が22日にも見直す防衛装備移転三原則とその運用指針に基づく措置。2014年の三原則の制定以降、直接的に人の殺傷や物の破壊を目的とする武器の完成品を輸出するのは初めてとなる。近く国家安全保障会議(NSC)を開き、方針を承認する見通し。関係者が19日、明らかにした。 現行の三原則の下で、装備品の完成品の輸出は、フィリピンへの防空レーダーのみで、装備移転政策の大きな転換となる。
防衛産業、基盤強化に本腰 相次ぐ撤退に危機感―政府 2022年05月05日07時11分 海上自衛隊の新型護衛艦「くまの」=4月10日、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地 自衛隊の装備品を生産する防衛産業から企業の撤退が相次いでいる。背景には、低い利益率や調達数の減少があるが、これらの企業は有事に際しても装備品の維持・整備を担うため、撤退は日本の防衛力低下に直結する。政府は防衛産業を「防衛力の一部」と位置付け、対策に本腰を入れ始めた。 〔写真特集〕陸自「戦闘糧食」 この数年だけでも、防衛省から直接受注する主要企業の撤退が目立つ。2021年には三井E&S造船が艦艇建造をやめたほか、住友重機械工業は新型の機関銃事業から手を引いた。20年にもダイセルが航空機パイロットの緊急脱出装置の生産停止を決めた。 撤退の理由の一つは、利益率の低さにある。現在、防衛省が発注する装備品は原価に7%程度の利益が
開発に成功すれば、世界のどこにもない最強の戦闘機となるはずだが、コトはそれほど単純ではない。国際協力の言葉からわかる通り、残念ながらわが国には戦闘機を独自開発する能力がなく、米国など航空機先進国の支援が欠かせないからだ。 それでも時の政権さえしっかりしていれば、国際協力の壁を乗り越えられるかもしれないが、その、時の政権の舵取りが危ういのだ。そもそも次期戦闘機の開発は良好な対米関係の維持を最優先とする安倍晋三前首相によって遅延を強いられてきた。 トランプ米大統領の「バイ・アメリカン」に応じてきたが… 次期戦闘機は現在、航空自衛隊が92機保有するF2戦闘機の後継機にあたる。F2は2030年ごろから退役が始まるため、防衛省は2017年から次期戦闘機の検討を始めていた。 ところが、2018年12月、当時の安倍内閣はF35戦闘機の追加購入を閣議了解で決め、次期戦闘機の前にF35が割り込む形となった。
日本学術会議の問題が連日、世を賑わせている。 任命を拒否された6人の学者はいずれも、安全保障関連法や特定秘密保護法など菅内閣が引き継ぐ安倍前内閣の政策に反対してきた。さらには、6人のうち3人が日本共産党とのつながりが深い民主主義科学者協会(民科)法律部会の元幹部だ。 ●少数意見を尊重するのが民主主義官邸としては、こうした自らの政策に反する左派系の学者を日本学術会議から排除したかったとみられる。しかし、民主主義社会というのは、たとえどんなに意見が違っていても、少数意見を尊重すべきものだ。異論や反対意見は時に政策を研ぎ澄ます。その意味で、官邸があたかも問答無用の説明なしで、任命を拒否したのはいただけない。 ただし、2017年に軍事技術の研究に否定的な声明を出した日本学術会議に対し、官邸が苛立ちや憤りを募らせるのはよく理解できる。なぜなら、客観的に見ても、国民の生命と財産を守るべきはずの日本の防
日本が、日米共同で製造したF-2戦闘機の後継機となる次世代戦闘機を具体的に形作っていくことは非常に難しい状況になっている。 そこで、次世代戦闘機の姿について、「F-4」および「F-15」の搭乗資格を持っていた元航空自衛隊戦闘機操縦者であり、航空自衛隊すべての戦闘機の運用を担う航空総隊幕僚長であった岩切の考えを中心として、わがチームが検討したことを述べる。 1.日本自慢の戦闘機 まず、日本と米国が開発し、今、現役で活動しているF-2はどのようなものなのか。岩切元パイロットは、F-2の搭乗資格を保有してはいなかったが、F-2の後席に乗り体験飛行を経験したことがある。 彼は、F-4およびF-15のパイロットの経験とF-2の体験搭乗を通じて、日本の戦闘機技術の素晴らしさを痛感した。 軽快な飛行感覚と全周が見渡せる良好な視界が印象的であり、「操縦性抜群の戦闘機だ」という印象が強いと述べる。 また、異
[東京 23日 ロイター] - 米レイセオンRTN.Nと三菱電機6503.T、米ロッキード・マーチンLMT.Nと富士通6702.Tの2陣営がそれぞれ、弾道ミサイル防衛の要であるイージスシステムのレーダーの共同開発を検討していることがわかった。両陣営とも日本の高性能半導体を使い、探知性能を向上させることが狙い。 5月23日、米レイセオンと三菱電機、米ロッキード・マーチンと富士通の2陣営がそれぞれ、弾道ミサイル防衛の要であるイージスシステムのレーダーの共同開発を検討していることがわかった。写真はルーマニア・デべセル空軍基地に配置されている陸上配備型イージス。提供写真(2017年 ロイター) 日米の複数の政府・業界関係者が明らかにした。日本が建造中のイージス艦、さらに導入を検討中の陸上配備型イージスも、いずれかのレーダーを積む可能性がある。 レイセオン、ロッキードとも、三菱電機と富士通がそれぞれ
[ワシントン 4日 ロイター] - 米軍にとって重要度の高い物資の供給において中国が「重大かつ高まりつつあるリスク」になっていると考えられていることが、米国防総省が主導してまとめた報告書によって明らかになった。ロイターが4日に報告書の内容を確認した。 150ページ近くにわたる報告書は5日に正式に公表される。報告書は、米軍に必要不可欠な材料・部品に影響を与え得る脆弱性が300近くあると結論付けている。
当面の焦点は航空自衛隊の戦闘機F2の後継機開発だ。運用中の約90機が2030年頃から退役するのを見越し、三菱重工業やIHIは09年度からステルス機能など先進技術を搭載した実証機X2の開発に取り組んだ。後継機につなげる考えだったが、今年に入って防衛省が高コストを理由に国産を断念したとの報道が相次いだ。 三菱重工業の阿部直彦執行役員は先月5日の事業戦略説明会で、F2後継機について「国内産業が持続していくため、わが国主導の開発は必要ではないか」と訴えた。16年にはX2の飛行実験にも成功し、国産で「十分やれる力はある」と強調した。 調達を担当する防衛装備庁は、国内開発・生産基盤の維持・強化を掲げているが、日米共同で開発したF2の後継機を巡る姿勢は定まっていない。小野寺五典防衛相は「国産開発を断念したという事実はない」と話している。朝日新聞は、国際共同開発を軸に同省で検討を進めるが、米国製の戦闘機F
【本記事は「プレミアム会員」限定記事ですが、特別無料公開中です。プレミアム会員にご登録いただくとJBpressのほぼすべての過去記事をお読みいただけます。この機会にぜひご登録ください。】 1月26日、航空自衛隊がアメリカから調達を開始したF-35Aステルス戦闘攻撃機の一番機が空自三沢基地に配備された。小野寺五典防衛相は「優れた能力を持つF-35の配備は安全保障上極めて大きな意義がある」と語っている。だが、どれほど日本の国益に利すのであろうか? 146億円に「ディスカウント成功」 日本国防当局は、現時点において42機のアメリカ空軍仕様のF-35Aを調達しようとしている。アメリカからの主要兵器輸入を強く推し進める日本政府は、さらにアメリカ海兵隊仕様のF-35Bを追加調達するとの噂も流れている。 いずれにしても、アメリカがF-35のような主要高額兵器を外国に輸出する場合、「FMS」(対外有償軍事
10月12日、北朝鮮の脅威と中国の海洋進出に直面する日本は、限られた時間と予算の中で効率的に防衛力を整備する必要性に迫られている。写真は防衛省が開発を進めている国産ステルス戦闘機の試験機。愛知県豊山町にある三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所で1月撮影(2016年 ロイター/Kiyoshi Takenaka) [東京 12日 ロイター] - 北朝鮮の脅威と中国の海洋進出に直面する日本は、限られた時間と予算の中で効率的に防衛力を整備する必要性に迫られている。防衛装備庁が検討中の次期戦闘機も、高性能だが巨額の費用がかかる機体を調達するのか、性能は標準的だが手ごろなコストの機体を調達するのか、選択を求められている。 開発と維持整備を合わせた総事業費が4兆円といわれるこの巨大プロジェクトの行方には、世界の防衛産業が注目。12日から東京・台場で始まった国際航空宇宙産業展に参加する企業関係者の間で
「一民間企業の経営ミス」では済まされない 日本の防衛産業で異変が起こっている。 その一つが、昨年秋に実施された2020年に竣工予定の新型イージス艦(1番艦)の入札で本命視されていた三菱重工業がジャパンマリンユナイテッド(JMU)に敗れたのに続き、今夏に行われた2番艦(21年竣工予定)の入札でも同様に三菱重工がJMUに負けたことだ。 現在6隻就役しているイージス艦のうち5隻を三菱重工が建造している。残り1隻はIHI(石川島播磨重工業)製。JMUとは、IHI(石川島播磨重工業)、住友重機械工業、日立造船、旧日本鋼管の造船部門が統合して発足した造船会社である。 日本の防衛産業で圧倒的な存在感を誇ってきた三菱重工の凋落は、「異変」の大きな要因だ。 2015年度の防衛装備庁の「中央調達実績額」によると、三菱重工は、川崎重工に追い抜かれて2位に転落した。ちなみに川崎重工に対する調達額は2,778億円、
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