通常、書籍の売れ行きは大都市圏に偏りがちだが、本書は地方からの注文も多いのだとか。「武士道」を書いた新渡戸稲造との交流の様子も書かれており、100年前に生きた偉人の人柄をうかがい知ることができる。価格は1680円(画像クリックで拡大) 梅雨の前には、村で協力しあって井戸の掃除。お盆には送り火をたいてナスとキュウリの牛馬を備え、学校の帰り道ではイナゴを捕まえておかずにする……。そんな、古き農村の暮らしに生きる少女を描いた物語『一〇〇年前の女の子』が、今人気を集めている。 著者の船曳由美さんが、自身の母であり、2009年に100歳を迎えた船曳テイ(旧姓:寺崎テイ)さんの思い出話をもとに書いた本だ。かつて全国各地の伝統行事を取材し、現在もフリーの編集者である著者ならではの農村の詳細な生活描写は、当時の生活を伺う資料として興味深く読むことができる。信仰と生活が地続きになった、「古き良き日本」を感じ
バリ滞在中に友人の成瀬さんから借りた本がある。その1冊が船曳由美『100年前の女の子』(講談社 2010年)。驚くほど地味な装丁で、もし書店で目にしてもまず買わなかっただろう。ちょっと今の本とは思えないが、昨年6月刊である。日本で探してあらためて買ったら、すでに昨年12月に7刷とある。売れているのだ。 この本は、平凡社「太陽」に創刊から参加した編集者(のちフリー)船曳由美が、彼女の祖母の話を再構成したドキュメント的作品である。主人公の寺崎テイは、明治42(1909)年に、栃木県足利郡筑波村大字高松に生まれ、2009年に百歳を迎えた女性。生まれてすぐに生母と別れ、やがて養女に行き、再び寺崎家に戻る。が、父の後妻の実家が、彼女に家を継がせないことを条件に嫁入りを許していたため、彼女は足利高等女学校卒業後、東京に出て、働きながら製図学校に通い、自立する。 本書は、彼女が過ごした農村の暮らし、養女
【栃木】児童書などを点訳する市民グループ大平町点字の会「どんぐり」の清水泰子代表(59)=大平町蔵井=が、野間読書推進賞の奨励賞を受賞した。点訳本を市大平図書館や日本点字図書館に寄贈したことや、児童・生徒に点訳指導してきたことが評価された。清水さんは「必要としている人の手元に点訳本を届けられるように今後も活動を続けたい」と話している。 野間読書推進賞(読書推進運動協議会主催)は、読書推進活動に功績を残した全国の団体や個人を表彰する。ことしの県内の受賞者は清水さんのみだった。 清水さんが点訳を始めたのは2001年。通信教育で点字の基礎を学んだ後、友人の紹介で市内の点字ボランティアグループ「すみれ」に入った。小学校の教科書の点訳などで経験を積み、メンバーと技術や知識を身につけてきた。 04年、点訳グループ大平町点字の会「どんぐり」を設立。児童書を中心にこれまで約140作品の点訳本を作り、ほとん
東京電力福島第一原発事故の影響で、東京都多摩市に全校避難している全寮制の中高一貫男子校「那須高原海城中学・高校」(栃木県那須町)が今後、生徒を募集しないことを決めた。校舎の周辺は放射線量が比較的高く、生徒を集めるのが難しいという。在校生の卒業を見届けて廃校になる。 (石井紀代美) 校舎は、国が汚染状況の重点調査地域に指定する那須町の農村地帯にある。福島第一からは百キロ弱。正門から校舎を見ると、柱や壁に亀裂が入るなど、東日本大震災の爪痕はいまだに生々しい。 先月下旬、正門前の公道でNPOに放射線量を計測してもらったところ、地上一メートルで重点調査の基準値の毎時〇・二三マイクロシーベルトを上回る〇・五マイクロシーベルト台。地表の芝生上では〇・七~〇・八マイクロシーベルトになった。
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