マカオで祀られている神様というと、まず第一に航海の女神である媽祖(天后)、商売繁盛の関帝(関羽)、魔と戦う少年武神・哪吒、そして地域の守り神として親しまれる土地神などが代表的だ。 しかし他にも、マカオで広く信仰されている「ある神様」がいる。しかも自分の知る限り、中国本土や華僑の多いマレー半島で見かけた記憶はあまりなく、マカオでだけ異様に目撃頻度が高いのだ。 それこそが北宋の大臣で、名裁判官と名高い「包拯(包公)」である。 日本ではイマイチ知名度が高くないが、中国では公平無私な名裁判官として有名かつ人気のある人物で、伝統演劇や小説の題材になったり現代でも何度かドラマ化されている。 彼の活躍は日本にも伝わり、かの大岡越前の「大岡裁き」の元ネタにも包拯のエピソードが使われていたりする。さらに冥府の裁判官になった小野篁の伝説とも共通点があり(関連性については不明だが)、よく考えてみると日本とも色々