米国の景気が低迷する中、オバマ大統領の経済政策に対する不満からか、最近の世論調査では共和党のミット・ロムニー候補の支持率がオバマ大統領のそれに肉薄し、米大統領選挙はますます熱気を帯びている。 雇用・経済分野で思うように得点をあげられないオバマ大統領にとって、外交は「得点を稼げる」もしくは「失点が許されない」分野である。しかし、ここで得点を稼ごう、失点を抑えようと焦れば焦るほど、状況は悪化する。その好例がパキスタンとの関係だ。 オバマ政権は対テロ戦争の「実績」を上げるため、パキスタンに潜むアルカイダなどの武装勢力に対する攻撃を激化。誤爆をしてもオバマは謝らないからパキスタンとの関係は悪化する一方だ。反発するパキスタンにオバマ政権は無人機によるミサイル攻撃を激化させて圧力をかけるが、同国はますます非協力的になり、米軍のアフガン作戦にも深刻な影響が出ている。これ以上の関係悪化は、世界で唯一のイス