マイケル・サンデルというハーバードの先生の哲学の講義が面白いというので話題になり、TV番組化されて日本でも中継されたり、サンデル先生自身が日本の東京大学で模擬授業を行って喝采を浴びたりしているようです。本当はこうした現象は70年代の後半ぐらいからスタートしていれば良かったのですが、遅いから無意味とは思えません。今からでも遅くないので、日本でも高等教育の指導法としてこうした抽象的な論議の訓練ということを導入すべきだと思います。 まず、誤解を解きたいのは、このサンデル先生の講義というのは、私がビデオクリップで見た範囲では、サンデル先生の専売特許でも、ハーバードの特殊な優位性を表しているものでも何でもありません。確かに日常的な問題から抽象的な原理原則の話に気づかせるとか、学生の反応に当意即妙なレスポンスができるという意味では、教育者として優秀な資質を持った先生だと思いますが、アメリカの大学教育の
法的にも除外は不当 子どもの権利条約、憲法にも違反 4月からの実施に向けた「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案」(高校無償化法案)の審議が国会でされている。民主党は教育政策の集大成としている「日本国教育基本法案」で「何人にも『学ぶ権利』を保障」するとしているが、政府内では朝鮮を敵視する中井洽拉致問題担当相などの一部閣僚らが同制度から朝鮮学校を除外しようとする動きを見せている。「朝鮮学校はずし」が内外の批判を招いている。朝鮮学校除外の問題点をQ&Aでみた。 Q そもそも朝鮮学校は対象外なのか。 A 文部科学省が昨年10月に提出した2010年度の予算概算要求には朝鮮学校が対象として含まれている。 1月29日に閣議決定された高校無償化法案の目的は、教育にかかる経済的負担を軽減し、教育の機会を均等に寄与すること。また、対象となる学校種のひとつに各種学校(高
http://www.asahi.com/politics/update/0316/TKY201003160257.html 民主党に限らず、朝鮮学校を対象から外すことがはっきりしているこの法案に賛成した全ての党を非難したいが、さりとて賛成しなかった党もこの「除外」に反対しているわけではあるまい。 選挙になったら、悪い中でのましな方を選択せざるをえないのは、本当につらい。 だがそのことについてよく考えるためにも、いまは今回の対象外しがどのようにひどいのかを、あらためて確認しておく必要がある。 もちろん、もっとも重大なことは、そもそも朝鮮学校が無償化の対象から除外されることが「検討」されるようになった時点から、朝鮮学校に通う子どもたち、生徒たちがいわば公式に一般社会の外部の存在であるかのように扱われ、日本の社会に長く存在していて今新たな形で吹き荒れつつある差別の現実のなかに、あらためてさらさ
全国学力テストは、43年ぶりの復活から3年目を迎えた。しかし、「全員調査」の是非や結果公表のあり方をめぐって議論が絶えず、政権交代となった場合には、どのような形で継続するのかも不透明だ。 ■選挙後は制度変更? 衆院選を優位に戦う民主党は、政権獲得の際には全国学力テストを現在の「全員調査」から、対象を一部の学校に絞る「抽出方式」へと見直す方針とされる。「全員調査は競争をあおる」とする日教組などの意見を反映したものだが、文部科学省は「一人一人が自分の学力を把握し、課題を見いだすには全員調査が必要」としている。今後「全員か抽出か」が焦点の一つとなりそうだ。 文科省は今回の調査で、大阪など過去2回の成績下位から脱する自治体が出てきたことについて、「学力テストを契機に、教師の独力だけでなく学校、教育委員会レベルで学力向上に取り組む流れができてきた」と評価。「全員調査であることが各校の取り組みのモチベ
閲覧者の方も増えたみたいなので、まとめて書いてみます。長いので、前・後編に分けます。 日教組を叩きたがる人たち - さだまさとの日記 http://d.hatena.ne.jp/sadamasato/20090913/1252865485 私的には自明なことだし、完全横入りなのであまり書きたくないが - 国士無双の名前負け日記 十三向聴くらい http://d.hatena.ne.jp/thirteen_orphans/20090914/1252874358 トラバをいただいた日記は、上記の2つです。 議論を行う上での基本 まず、真面目に議論を行う場合の基本から。 (1)批判・反論(criticism)に対しての対応がきちんとできること(反論、抗弁、受け入れた上での自己論理の改善) (2)違う意見に対して並立を良しとせず、妥協点を模索するか問題点の追及に勤める →妥協点の模索を行う場合は、
ああ、嫌なものを読んだ。 クラス全員、欠席させない――。千葉県立一宮商業高(一宮町)から県立勝浦若潮高(勝浦市新官)に1日付で赴任した鈴木幹男教諭(36)のモットーだ。一宮商で一昨年度担任した3年生、昨年度の1年生と2年続けてクラス全員1年間欠席ゼロを達成。勝浦若潮高でも「学校を休むな」と指導するという。 「社会に出ると、少しぐらい体調が悪くても仕事を休めない。学校で休まないことを身につけさせたい」 http://www.asahi.com/edu/news/TKY200904200295.html まず思い出したのは夫のことだ。うつ病をやみ、数ヶ月の通院加療の後、どうしても耐えがたくなった夫はある日意を決して上司に相談した。うつ病のことを打ち明け、病気休暇を取り、自宅で療養したいといった。少なくともわたしは彼からそう聞いている。上司はいった「なあ、もうちょっと頑張れんか」。 一週間後に
価値の判断基準が自分の外にある人間は表現者になれない - 発声練習 http://d.hatena.ne.jp/next49/20090222/p2 たいていの大学の先生は似たようなこと思って学生に接してるはず。でも、はじめから自分で物事考えられる人なんていないんですよ。大学でもたぶん卒論書く直前までは、勉強ってのは基本的に自分で考えるんじゃなくて答えを出すことなわけで、自分でものを考えることなんてやったことない。テストで悪い点数をとることはあったけど、答えを出すまでやり直しになったことがある訳じゃなくて、あー、今回は成績悪かったね。次は正しい答えを出せるようにがんばる、で終了なんですよ。レポートも同じ。少なくとも私はそうだった。だからこんなこと言われても困る。 だから、自分の主張をとりあえず述べて、相手の反論が正しいと思えてから自分は間違っていたと考えれば良いんだよ。 とか言われても、も
卒業していく君へ。 卒業おめでとう。本当は面と向かって言ったほうが良いのだけど先生という立場だと私の発言が思った以上に重くなってしまうので直接君にはいえない。でも、君への言葉を一度形にしておかないと私の頭に一生こびりつきそうなのでここに書かせてもらうよ。 今年、君は卒論に苦しんだね。君が卒論に苦しんだ理由は自分でも分かっていると思うけど、常に外部に正解を求めたことにあるんだ。私が「どうして、それが正しいと思うの?その理由を教えて。」と聞くと、いつも君は表情を凍らせて黙ってしまったね。何度も何度も「研究には正解とか不正解とかない。誰も答えを知らないから研究になっているんだ。だから、自分の主張をとりあえず述べて、相手の反論が正しいと思えてから自分は間違っていたと考えれば良いんだよ。」と伝えたのだけど、最期最後まで君は自分の主張の正しさを自分の言葉で言えず、常に私の保証を求めたね。はっきり言って
教育予算が益々減り、一方でアカポスの減少・不安定さから院卒・オーバードクターが余ってたり講師で食いつなぐ人が多い日本なわけだが、 特別教科講師として院卒・ODを、小中高に配置する という政策を提言したい。 「教員免許更新制」はハッキリ言って百害あって一利無しの愚策であり廃止されるのが妥当だが(根拠はググれ)残念ながら現在の教師の育成システムでは保護者から「教育への信頼」を取り戻すのが難しいのは事実で、だから教育改革は必至。ただし予算はカツカツ。そこで上の政策。余っている頭脳を、必要な所へ。「研究の最前線」で活躍している人が小中高と連携する。スーパーサイエンスとかそういう政策よりも遥かに実になる現実的なプランで、しかも予算は安くて済む。そして、準アカデミーポストの人が教育の最前線に関わることにより、教育への信頼は復活する。 この政策のミソは、身分が「教諭」とか「常勤講師」でなく「特別教科講師
もやもやとしてまとまらなく、そしてこういう話題は自分の人格のありようを問われるので、無意識に差別意識が露呈するんじゃないかと怖くもあるのだが、しかしあまり寝付けずに夜が明けてしまったくらいもやもやしているので、思い切って言葉にしてみる。「書きとめること。考えている途中をメモするということ。 - もっこもこっ」に励まされた感あり。 お題はふたつ。愛媛県の高校入試について家族会から要望があったという話、そうして知的障害者の性欲という話。まとまらないので、提言も批判もなにもなく、ただ垂れ流すだけになるのでお目汚しをあらかじめお詫び申し上げる。 愛媛県の高校入試について家族会が知的障害者への配慮を申し入れる 報道があるのを知って、実は最近まで等閑に付していた。 http://mytown.asahi.com/ehime/news.php?k_id=39000000901160002 公平性・客観性
中学生「なぜ、わざわざ学校で国語を学ばないといけないの?」 1 名前: だいこん(京都府) 投稿日:2008/11/15(土) 19:05:09.14 ID:YQOgFC9F ?PLT なぜ、わざわざ学校で国語を学ばなくてはいけないか 中学校の国語教師が時々聞かれて困る質問があると教えてくれた。それは「何のために国語を学校でわざわざ教えてもらわなくてはいけないの?」という質問なのだという。 数学は「計算ができなくては買い物もできない」「なんとなく仕事で将来使うだろう」というような印象があるため、生徒も学校で数学を学ぶ意義は理解して いるという。そして、英語、理科、社会は先生に教えてもらわなくてはその知識が得られない ことが分かっているため、学校でわざわざ教えてもらう意義を理解している。 だが、生徒からすると国語は「普段からマンガや本を読んでいるので、日本語には接して いる。友達や家族とも日
わたしは うんこと なかよくやってます。たくさんの うんこ。いろんな うんこ。ひとは たべたら、うんこが でます。 黙って他人のうんこの臭いを嗅ぐのも重労働 - いちヘルパーの小規模な日常 ケア労働について ブログを かかれておられる id:sugitasyunsukeさんの記事です。 青い芝の有名な言葉に「寝たっきりの重症者がオムツを変えて貰う時、腰をうかせようと一生懸命やることがその人にとって即ち重労働としてみられるべきなのです」というのがあるけど、介助者にとっては時に「黙って他人のうんこの臭いを嗅ぐのも重労働」かもしれないのだ。そういうことを、すこし、思い出してみるのもいい。 そうですねー。わたしなどは、はなづまりなので、だいぶん 得を しているのかもしれません。うんこのケアは、けっこう たのしいです。 はなづまりって、基本的に 睡眠が あさくなって、昼間に ねむたくなることが あっ
読書杉並区立・和田中。藤原和博・前校長の一連の教育改革手法で日本中から注目を集めてきた学校である。しかし、その注目の多くが、民間出身校長という存在や「よのなか科」「夜スぺ」「ドテラ」といった「新規な手法」に集中していたことも事実である。本書は、そうした「ハレ」の部分だけでなく、「ケ」にも光を当てる。「画期的な」カリキュラムの裏側にある、普通の日常。その「普通の公立中学」の側面を、「研究者」という第三者の目を存分に利用しながら、長期間にわたる調査(エスノグラフィー・インタビュー・アンケートなど)に基づき描出した好著。本書の第II部では、和田中の生徒がどう変わっていったか、すなわち和田中改革の特色をアンケート調査の分析結果にもとづき論じていた。しかし、執筆者の期待に反してか(?)、私には「画期的な改革をしても『変わらない部分』というのは意外なほど多いものだな」と映った。つまり、「子どもたちの不
大阪府の橋下徹知事が教育改革のブレーンと位置づける府教育委員の陰山英男氏(立命館小学校副校長)らが6日、大阪市内で開かれた小中学校長対象の研修会で講演し、「それでも教育のプロですか。子供に申し訳ないと思いませんか」と厳しい“喝”を入れた。 研修会は、全国学力テストの成績が2年連続で低迷したことを受け府教育委員会が開催。府教育委員として陰山氏のほか、小河(おごう)勝氏(大阪樟蔭女子大非常勤講師)、府特別顧問の藤原和博氏(東京都杉並区立和田中学校前校長)が参加し、校長、教頭ら約950人が出席した。 講演で陰山氏は、中学校の地理で教えているヨーロッパの国の数を質問。大半の参加者が間違えると、「だからダメなんです。プロたる教師がそんなことを知らずして世の中がまともに動くはずがない」と語気を強めた。 さらに、学校をとりまく現状について「金を出さない政府、しつけの悪い親、無責任なテレビ局…。なぜ教師が
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.asahi.com/politics/update/1026/OSK200810260045.html >id:Dursanみたいな野郎が一番タチが悪い。お前が子供やその親にむかついたことなんて知らねーし関係ねーよ。それと公に体罰を認めることとは全く別だっつーの。 ごめ、読解力のない子がいるのを忘れてましたぁ(てへっ) >塾講師時代、モンペの子供が親が教育委員会に訴えて教師をとばしたことを得意げに自慢した瞬間、おいらは体罰容認になりました。 っていうのは本当に世○谷区の小学生に言われた言葉。もちろんその子はおいらを脅したつもりだったわけさ。 まあ、絶望したね。もう、この段階でこれかと。こいつはこちらをコントロールしようとしてるな、と いままで話には聞いていて、ホビットとかエルフみたいな存在だったのが、 急にゴラム
※結構主観に依存する文章になってしまいましたので、それでも結構という方のみ、おつきあい下さい。 体罰を理屈でどれだけ正当化できるかやってみようと思う。 まず体罰を定義する。 体罰:身体的、精神的苦痛を伴う全ての行為。 例:ゲンコツ。お尻ビンタ。5分以上の正座。5分以上の起立。廊下に立たせる行為。グランドを走らせる等の罰。掃除罰。長時間拘束しての居残り勉強。 次に、絶対に体罰はいけないという考えの主な理由をまとめてみる。(参考はhttp://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.asahi.com/politics/update/1026/OSK200810260045.htmlの以下の方々のブクマコメです:解釈の誤解があるとすれば私の責任です。) ・”しつけ”は大人の横暴を隠すための方便。(id:y_arimさん) ・力で人間の心を良い方向に導くことなどできないし
橋下知事「手を出さないとしょうがない」 体罰容認発言2008年10月26日22時49分印刷ソーシャルブックマーク 「大阪の教育を考える府民討論会」で発言する橋下徹知事=26日午後、堺市中区、山本裕之撮影 大阪府の橋下徹知事は26日、堺市で開かれた「大阪の教育を考える府民討論会」(府、府教委主催)に出席、学力向上のための緊急対策に盛り込んだ反復学習の実施に理解を求めた。一方、「口で言って聞かないと手を出さないとしょうがない」と体罰を容認する発言をした。 知事は「私は学力を必ず上げます」と断言、「子どもが社会に出て壁にぶつかったとき、乗り越えられる能力が絶対必要だ」と訴えた。一方で「子どもが走り回って授業にならない。ちょっとしかって頭でもコツンとしようものなら、やれ体罰だと叫んでくる。これで赤の他人の先生が教育をできるか」と話し、どこまでを教育と認めるか合意形成が必要だとした。 また、質問に立
中学で国語を教えていたころ、時折、保護者から言われた。 「うちの子は個性的なので、先生の読みとはちがっていて、テストで○がもらえなくて」 そのたびに、それは個性とはよばないのです、誤読しているのです、と思った。 いうまでもなく、ここで言っている「先生の読み」とは、 この作品はここで感動しなくちゃいけない、とか、 ここからこういう道徳的な価値を見出さなくちゃいけない、という話では断じてない。 この作品は、当然、こう読めなくてはいけない、ということは、 たとえ本文にハッキリ書いていなくても、厳然としてある、とわたしは思っている。 そこのところが読み取れていない、ということは、 国語力、読解力が不足している、ということなので、 そこでとんちんかんなことを言うのは、「個性」でもなんでもない。 そういう部分に対して、 「なるほど、おもしろい見方だね」と言って肯定していくことは、教育ではない。 それが
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