5年前の夏、甲子園で準優勝を果たした金足農業。近年は低迷が続き、昨夏は上級生の下級生に対する暴力が明らかに。3カ月の対外試合禁止処分も下された。そんな金農が今秋、23年ぶりに秋田県大会を制覇。カナノウ旋風から現在まで、何があったのか――。ノンフィクション作家・中村計氏が取材した。〈全4回の#4〉 ◆◆◆ 大一番、東北大会の準々決勝で、金足農業は学法石川(福島)に1-3と惜敗してしまう。7回途中からリリーフした吉田大輝は1失点の好投を見せたものの、来春の甲子園出場への道は、あと一歩のところで途絶えてしまった。 吉田大輝は目に涙をためて言った。 ADVERTISEMENT