<経済気象台>2010年代の一つの視点(朝日新聞) 2010年。21世紀の10年代が始まった。昨年までの10年間同様、様々な変化が起こると予想される。肝心なのは、世の中を見つめる視点を時代の変化に伴って変化させていくことである。そこではじめて、時代の中の様々な意味が正しくとらえられ、適切な対応が可能になる。 しかし、それは容易ではない。人口減少社会にもかかわらず、我々はいまだに人口増加社会だった時代と同様、国や企業の成長は当たり前だと考え、成長率という尺度にこだわり国や企業をとらえる傾向にある。 (中略) バブル経済の崩壊以降、日本には真の景気回復がないという見方がある。さらに、一昨年の世界金融恐慌の影響もあり、日本では10年以上の不況が続いているとみることもできる。そのような中で、新たな10年間に求められるのは、「景気回復なんて訪れない、今後も不況が続く」という一つの視点である。そして、